2020年度公募 seeds-0167 - 【近畿】 酸化ガリウムを低コストで成膜する技術で、従来のワイドバンドギャップ半導体を超えるパワーデバイスを実現
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

省エネパワーデバイスの普及により電気社会に革新を

窒化ガリウムベースを物性・コストで上回る酸化ガリウムベースのパワーデバイス

電力制御に用いられるパワーデバイスは、電力変換が必要な様々な民生機器を支えています。あらゆる機器のモバイル性が向上している現在、パワーデバイスはその電力消費量が抑えられることが求められております。エアコンや冷蔵庫などの比較的大きな電力を使う機器では、省エネ効果から窒化ガリウムベース化されることが期待されながらも、コスト面から未だにシリコンベースのパワーデバイスが主流です。本研究開発では、コスト面で有利で、かつ窒化ガリウムベースの性能を上回る酸化ガリウムベースのパワーデバイス開発を目指します。本技術は通信用の基地局で用いられる高周波デバイスの低コスト化への寄与も期待できます。

酸化ガリウムベースのパワーデバイス開発は社会・企業に寄り添う技術開発テーマ

まさに今、窒化ガリウムベースのパワーデバイスが社会実装段階にあると言えます。電気社会の進化スピードを考えると、今こそ次のパワーデバイスを研究開発するステージと考えられます。今後、社会から省エネ化、そして低コスト化がさらに各企業に求められる中、酸化ガリウムベースのパワーデバイスが企業活動のもう一歩先に貢献すると期待されています。

USE CASE

最終用途例

様々な電子機器の省エネ化に貢献

USE CASE 01高周波・低耐圧用途

APPLICATION

APPLICATION

通信(RF用途)や、家電などの民生機器

今後その数が一層増加すると見込まれる基地局で用いられる高周波デバイスや、エアコンや冷蔵庫などの比較的大きな電力を使う機器で用いられるパワーデバイスには省電力化が求められています。

MARKET

MARKET

パワーデバイスメーカ、パワーデバイス製造装置メーカ

民生機器用パワーデバイスや基地局用高周波デバイスの製造に関わる企業が、今後最終製品メーカから一層求められることになる省エネ化のニーズに応えることに貢献します。

STRENGTHS

強み

窒化ガリウム(GaN)よりも優れる新規パワーデバイス

STRENGTHS 01

バンドギャップと分極が大きい

κ酸化ガリウム(κ-Ga2O3)では窒化ガリウム(GaN)よりもバンドギャップと分極が大きく、より低消費なデバイスが実現できると考えられています。

TECHNOLOGY

テクノロジー

ミストCVD法による成膜

TECHNOLOGY 01

既に開発済の手法

これまでに開発してきたミストCVD法の活用による結晶成長工程は、前駆体を含む溶液を噴霧してミストとしたものを原料とする手法であり、大気圧下で成膜できることから非常に簡便です。本手法は低コストでの半導体形成技術として期待が大きいものになります。また同時に他の原料を溶液に溶かすことで、不純物ドープや混晶を形成することも可能です。この手法の利点を活かして、これまでにヘテロ接合デバイス形成に重要であるAl やIn との混晶に世界に先駆けて成功しています。この手法を用いることで回転ドメインがない、高品質な結晶成長を実現します。

PRESENTATION

共同研究仮説

量産・デバイス開発・薄膜結晶成長・基板開発、それぞれのレイヤーで研究開発

共同研究仮説01

企業ニーズを踏まえて基礎開発をしながらステップバイで実用化へ

想定している共同研究

①ミストCVD 法を用いて結晶成長を低コスト・高品質化に行う、②窒化ガリウム(GaN)を超える2DEG密度を達成する、③HEMTのゲート直下の分極をスイッチすることで2DEGのオンオフを実証する、という3ステップで研究開発を進めていくことを想定しております。

LABORATORY

研究設備

半導体形成・加工設備

LABORATORY 01

ミストCVD装置

酸化物半導体成膜用(特に酸化ガリウム)のミストCVD装置を複数台所有しています。種々の酸化物半導体の成膜が可能です。

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LABORATORY 02

半導体加工設備

半導体加工(特にパワーデバイス用途)の設備が一式揃っています。マスクアライナ、RIE、絶縁物形成成膜装置など。

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EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

西中浩之 京都工芸繊維大学 電気電子工学系

研究者からのメッセージ

性能と低コストを両立するパワーデバイスを実現します!

パワーデバイスの研究では性能面にのみ焦点を当てた研究が多く、研究初期段階からコスト面にターゲットを置いた研究が少ないのが現状です。特にパワーデバイスは民生用途への利用が拡大しており、コストの重要性が増しています。自らの研究を社会還元するために、性能でもコスト面でも従来の材料を凌駕する研究を進めています。