2025年度公募 seeds-008-0025 - 【東北】 電子デバイスの性能を左右する原子レベルの欠陥を”見える化”する新技術
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

見えなかった原子レベルの欠陥が、見える

独自の解析技術が、次世代デバイス開発を加速する

本技術は、最先端の透過型電子顕微鏡技術「4D-STEM」と独自の解析アルゴリズムを組み合わせ、
これまで観察不可能だった電子デバイス内部の原子・電子レベルの情報を定量的に”見える化”するものです。
パワー半導体や積層セラミックコンデンサ(MLCC)などの性能や信頼性を左右する微細な欠陥(界面、転位、粒界など)や、
それに伴う局所的な電子密度の変化を直接捉えます。
これにより、デバイスの性能劣化や故障の根本原因を科学的に解明し、データに基づいた開発サイクルの迅速化、
歩留まりの向上、そして製品の信頼性向上に貢献します。

USE CASE

最終用途例

次世代半導体・電子部品の性能向上と開発加速

USE CASE 01パワー半導体

APPLICATION

APPLICATION

低損失・高信頼性化への貢献

リーク電流の原因となる結晶欠陥や界面の電子状態を直接観察し、エネルギー損失の少ない次世代パワー半導体の開発を支援します。

USE CASE 02積層セラミックコンデンサ(MLCC)

APPLICATION

APPLICATION

高容量化・長寿命化の実現

絶縁破壊を引き起こす粒界の微細な電子状態を捉え、より小さく、より長く使える高信頼性MLCCの開発に貢献します。

USE CASE 03測定機器メーカー

APPLICATION

APPLICATION

解析ソフトウェアの共同開発

本研究で開発する独自の解析アルゴリズムをソフトウェア化し、貴社製品に新たな付加価値を搭載。
解析ソリューション事業を共に展開します。

STRENGTHS

強み

従来法では見えない「電子の状態」を定量化する唯一無二の技術

STRENGTHS 01

局所的な電子密度分布の可視化

従来の電子顕微鏡では原子の「位置」しか分かりませんでした。
本技術は、性能に直結する原子間の結合状態や電荷の偏りといった「電子の状態」を直接、定量的に捉えることができる世界初の技術です。

STRENGTHS 02

放射光に勝る局所解析能力

放射光X線を用いた分析では材料全体の平均的な情報しか得られません。
本技術は、デバイスの命運を分けるナノスケールの欠陥一つひとつに焦点を当て、その電子状態をピンポイントで解析できる優位性があります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

独自アルゴリズムが駆動する4D-STEM定量解析

TECHNOLOGY 01

4D-STEMが創出する電子回折ビッグデータ

本技術の中核は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)に高速カメラを搭載し、
電子線で試料をスキャンしながら各ピクセルで回折パターンを取得する「4D-STEM」法です。
これにより得られる膨大なデータ(4次元データセット)には、試料内部の結晶方位、格子ひずみ、電場、
そして電子密度に関する情報が全て含まれています。
このリッチな情報を最大限に引き出すのが我々の独自アルゴリズムです。

PRESENTATION

共同研究仮説

実デバイス評価を通じ、貴社の開発課題解決へ貢献

共同研究仮説01

パワー半導体のリーク電流解析

欠陥の電子状態と性能の相関解明

貴社から次世代パワー半導体デバイスをご提供いただき、本技術でリーク電流の原因となる欠陥の電子状態を解析します。
性能データと解析結果を突き合わせ、歩留まり向上のための製造プロセス改善に繋がる知見を提供します。

共同研究仮説02

MLCCの絶縁破壊メカニズム解明 / 解析アルゴリズムの共同開発

粒界の電子状態と信頼性の関係評価

高容量MLCCサンプルをご提供いただき、絶縁破壊の起点となる粒界の電子状態を直接観察します。
製造条件と粒界構造、電子状態の関係を明らかにすることで、より長寿命で信頼性の高い製品開発に貢献します。

測定機器への新機能搭載

測定機器メーカー様と連携し、本研究で開発するアルゴリズムを貴社ソフトウェアへ実装する共同開発を提案します。
これにより、世界に先駆けた新しい解析ソリューションを市場に展開することを目指します。

RESEARCHER

研究者

森川大輔 東北大学多元物質科学研究所・助教
経歴

2012.3  東北大学大学院理学研究科物理学専攻 学位取得 博士(理学)
2012.4  理化学研究所(和光市) 特別研究員
2017.4  フンボルト大学ベルリン アレクサンダーフォンフンボルト奨学生
2018.4  東北大学多元物質科学研究所 助教
2022.10  JSTさきがけ研究員(兼任)

研究者からのメッセージ

日本の半導体・誘電体デバイス産業へ、材料解析から貢献したい

「なぜ、この欠陥があると性能が落ちるのか?」

この問いに、私たちは原子・電子のレベルで明確な答えを出したいと考えています。
かつて世界をリードした日本の半導体産業が、今まさに復権の時を迎えようとしています。
私たちの”目”となるこの技術が、貴社の材料開発・製品開発におけるブレークスルーの一助となり、
共に世界を驚かせる製品を生み出せると信じています。

まずは、貴社が今抱えている解析課題を、ぜひ一度お聞かせください。