2025年度公募 seeds-008-0024 - 【中国】 次世代二次電池の実用化を目指した硫黄を主成分とする熱可塑性樹脂の開発と新たな電極作製方法
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

レアメタルを含むリチウムイオン二次電池に依存し過ぎない
元素戦略的に有利な次世代二次電池の実用化に挑戦

資源豊富な硫黄元素を使った二次電池で低炭素化社会の実現に貢献

太陽光発電などの自然エネルギーの利用が促進されていく中で、そのエネルギーを安定に貯蔵できる二次電池の需要拡大が見込まれます。しかしながら、現行の二次電池は複数のレアメタルを使用しているモノが多いため持続可能な供給が懸念されています。
そのため、元素戦略的な観点で資源豊富な元素で二次電池の実用化を目指す必要があります。
本技術では余剰資源になっている硫黄をチオールを用いて
化学的に変性させた衣装樹脂からなる電極を作製し、レアメタルに依存し過ぎない
高エネルギー密度な硫黄二次電池の開発と実用化を目指します。

USE CASE

最終用途例

多種多様な用途に合わせた蓄電デバイスへ

USE CASE 01移動用大容量デバイス

APPLICATION

APPLICATION

電気自動車(EV)用蓄電デバイス

1回の充電での走行距離を従来の電気自動車よりも延長することでガソリン車からの乗り換えを推進し、
低炭素化社会に貢献します(走行距離1000kmを視野)。

USE CASE 02定置用大容量デバイス

APPLICATION

APPLICATION

オール電化用蓄電デバイス

太陽光発電から得られた電気エネルギーを多く貯蔵できるため、電気代の節約効果が大きくなり家計に貢献します。

USE CASE 03身に着ける/持ち運ぶ蓄電デバイス

APPLICATION

APPLICATION

モバイル用バッテリー

小さくても従来の二次電池よりも大容量の電気エネルギーを蓄えることができるため、災害などの非常用電源としても利用可能です。

STRENGTHS

強み

これまでの硫黄電池の初期特性を大幅に改善~実用化に前進

STRENGTHS 01

大容量のエネルギーの出し入れを達成

硫黄が電極内により均一に分散されたことにより効率的な電気化学的な反応が進み、
従来の不均一性を有する硫黄二次電池に比べて大きなエネルギーの出し入れが容易になりました
(放電および充電容量が従来の硫黄電極を使用した電池よりも120%増大/放電と充電間の過電圧も従来の硫黄電極を使用した時よりも75%低減)。

TECHNOLOGY

テクノロジー

硫黄含有率が高い樹脂材料の開発と
リチウム-硫黄二次電池(Li-S電池)への応用

TECHNOLOGY 01

のびる・くっつく・なおる・とける硫黄樹脂

市販硫黄とチオールを所定温度で加熱撹拌するだけで硫黄鎖の中にチオール骨格が挿入された樹脂の開発に世界で初めて成功しました。
硫黄とチオールの反応比率を変更させることで様々な物性の発現や制御が可能です。
例えば、20倍以上の伸張性や金属に対する強い接着、自己修復性能、
特定の有機溶媒への溶解現象を確認しています。
また、使用するチオールの種類を変更することで上記記載の物性とは異なる
新たな物性発現も期待できます。

TECHNOLOGY 02

硫黄溶液を用いた多孔質カーボンへの均一含浸法による
電極作製

本硫黄含有樹脂は特定の有機溶剤に溶解できるため、
この特性を利用して多孔質カーボン内に硫黄成分を均一に充填することができます。
従来の硫黄は有機溶媒に対する溶解性が乏しいため溶融含浸が一般的な手法
となっていますが、高粘度であるためカーボンとの均一な複合体の作製が難しく、
電気化学反応に悪影響になります。
本硫黄溶液では、硫黄成分が希釈されているため
多孔質カーボン内に均一に充填することが可能です。
これにより、均一な電極反応が促進され電池性能(高容量、高出力)に
良い効果を与えることが期待されます。

PRESENTATION

共同研究仮説

材料から電池ベースまで幅広い連携を想定しています。

共同研究仮説01

硫黄を正極とする二次電池の基礎研究および応用開発

硫黄電池の高性能化~高エネルギー密度化&長寿命化

硫黄電池の実用化には多くの課題があり、正極だけでなく電解液、セパレータ、負極、電池構成など多岐に渡る材料や技術の改良が必要です。
私たちは、硫黄を使用した正極の改質による高エネルギー密度化と長寿命化だけに執着することなく、
他の材料との組み合わせによるトータル的な電池の特性改善を目指しています。

RESEARCHER

研究者

山吹一大 山口大学大学院創成科学研究科/講師
経歴

2008年3月;
山口大学大学院理工学研究科物質化学専攻 後期課程修了(博士)
2008年4月;
山口大学大学院理工学研究科物質化学工学専攻 助教 着任
2016年4月;
山口大学大学院創成科学研究科物質工学系専攻 助教 着任
2018年4月;
山口大学大学院創成科学研究科物質工学系専攻 講師 着任 (現職)

  • リサーチマップ

    https://researchmap.jp/7000022123

     

  • 専門領域

    ・高分子化学
    ・超分子化学
    ・電気化学

  • 共同研究の経験がある企業/業界

    自動車関連メーカー、電池関連メーカー、無機材料メーカー、樹脂メーカー

研究者からのメッセージ

二次電池は多様化の時代です。

現在の二次電池の主流はリチウムイオン二次電池(LIB)であり、社会生活の中でその依存度は非常に大きなものとなっています。
しかしながら、LIBにすべての充電が必要な電気製品に用いていくことは需要と供給の観点から資源の少ない日本においては
厳しい状況に追い込まれていくと考えています。
これからは用途に合わせて使用する元素の組み合わせを選べる多種多様な次世代二次電池の台頭が必要と考えています。
LIBと共存できる新たな二次電池の実用化にご関心がある方はぜひご連絡ください。