2025年度公募 seeds-008-0001 - 【関東】 圧電MEMSアクチュエータの性能限界を打破する巨大圧電性単結晶薄膜の開発
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

低電圧駆動・低消費電力・小型・安価な圧電MEMSアクチュエータを創出。
スマート社会の実現に貢献。

巨大圧電性を有する機能性薄膜の成膜技術を開発し、これを用いた様々なMEMSデバイスを実用化する。

巨大圧電性単結晶薄膜を創出し、それを搭載した高性能圧電MEMSアクチュエータを実現します。
これにより、従来のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)薄膜では性能不足により実用化できなかったMEMSデバイス(光スキャナなど)を実現します。
また、PZTを置き換えることで、従来よりも小型化あるいは高性能化を達成し、
圧電MEMSの応用範囲を拡大します。
これにより、社会の利便性向上に貢献します。
応用展開としては、薄膜ウエハや成膜装置の販売、ファウンドリサービスによる研究開発や製品化が進み、具体的なMEMSデバイスの用途開発が推進されます。

USE CASE

最終用途例

ロボット、モビリティ、拡張現実・VR

USE CASE 01低消費電力&高音質&小型マイクロスピーカー

APPLICATION

APPLICATION

完全無線イヤホン、スマートフォン、VRゴーグル

低消費電力&高音質&小型マイクロスピーカーにすることで、
例えば、完全無線イヤホンの音質を向上したり、電池の保ちをより改善します。

USE CASE 02低電圧駆動かつ大変位の光スキャナ

APPLICATION

APPLICATION

VRゴーグル、スマート眼鏡、ピコプロジェクタ

高性能な光スキャナは、高精細かつ視野角の大きなディスプレイを実現します。

USE CASE 03スマホに入る低電圧駆動の小型チップ冷却器

APPLICATION

APPLICATION

スマホ内集積回路を空冷するチップ冷却器

スマホ内集積回路は、高性能化に伴い熱問題が発生しています。
これを空冷する小さなチップ冷却器を実現します。

STRENGTHS

強み

PZTを超える巨大圧電性能によって、
より低電圧駆動・大変位MEMSアクチュエータの実現が可能に。

STRENGTHS 01

デバイスの低コスト化が期待できます

既存品と同等の変位を発生させる場合は、従来よりもデバイスを小さくでき、結果として低コスト化を狙えます。

STRENGTHS 02

デバイスの高性能化(低電圧駆動や変位増大など)を期待できます

既存品と同等の駆動電圧を印加する場合、より大きな変位を発生させられます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

高品質の圧電単結晶薄膜のスパッタ成膜法を開発

TECHNOLOGY 01

MEMSの母材であるSi基板上に成膜可能

PZTの性能を超える圧電薄膜を、MEMSの母材であるSi基板上に、
再現性よく成膜する技術を開発しました。
これにより、この新材料を搭載したデバイスを速やかに開発できます。
また、まだ組成最適化をしていない段階で、
その圧電定数d31,effはPZTの1.5倍以上に達しています。
今後の研究によって、さらなる性能向上が期待されますし、
その際にでてくるノウハウや知的財産は、競争力の源泉となりえます。

PRESENTATION

共同研究仮説

実用化を目指したスケールアップ技術の開発、
耐環境性・長期信頼性の評価研究、新デバイスの開発など

共同研究仮説01

MEMSファウンドリサービス業界との共同研究テーマ

スケールアップと信頼性評価、成膜装置の共同研究

現在、研究室にて小片基板の研究開発を行っています。
これを実用化するために、大口径ウエハにも成膜できるスケールアップ技術を共同で研究できればと思います。
また、耐環境性・長期信頼性評価研究、成膜装置開発なども実施できれば幸いです。

共同研究仮説02

圧電MEMSデバイス業界との共同研究テーマ

新規圧電デバイスの開発

開発している巨大圧電性単結晶薄膜を用いれば、アクチュエータの性能不足ゆえに実現できなかったデバイスを創出できる可能性があります。
本技術を用いた新規デバイスの検討を共同で進めていけたらと思います。

LABORATORY

研究設備

圧電薄膜のスパッタ堆積装置およびMEMS試作装置の全般を使用可能

RESEARCHER

研究者

吉田 慎哉 芝浦工業大学・教授
経歴

2008年 博士(工学)(東北大学)取得
2008~2009年 東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 助手
2009~2015年 同 助教
2015年~2022年 東北大学大学院工学研究科 特任准教授
2022年~2024年 芝浦工業大学 工学部 准教授
2025年~現在 同 教授

産学連携・アントレプレナーシップ関係の活動歴
・2019年7月 NEDO賞, 東北大学TECH OPEN 2019ビジネスプランコンテスト
・2019年 NEDO Technical Commercialization Program2019修了

研究者からのメッセージ

本シーズによって、圧電MEMS関係の企業様に貢献したい。

我々は、圧電MEMSアクチュエータの性能を飛躍的に向上させる「巨大圧電性単結晶薄膜」の研究開発を進めています。
現在は小片基板上での検討を行っておりますが、実用化に向けては大口径ウエハへのスケールアップ技術や、耐環境性・長期信頼性の評価が不可欠です。
また、本薄膜を用いた新規デバイスの可能性も広がっており、光スキャナや音響デバイスなど多様な応用展開が期待されます。
これらの課題に取り組むために、企業の皆様と共同研究を推進したいと考えております。
本研究成果を社会実装へとつなげるべく、ぜひご関心をお持ちいただければ幸いです。