2024年度公募 seeds-5195 - 【九州】 下水疫学調査サービス事業に最適なポリマーブラシ型超高効率ウイルス濃縮技術の確立
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

ウイルス動態解析の高効率化によるパンデミックに対応できる社会の実現を目指して

下水道サーベイランスのウイルス濃縮工程の高効率・高精度化

新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックの発生により、ウイルスの動態検査をモニタリングできる下水疫学調査(下水道サーベイランス)が注目されています。しかし、下水サンプルからウイルスを濃縮する際に、他物質による阻害や雨水等による希釈により低効率化が生じることが課題となっています。これらの課題を解決できる技術・材料を全国の下水道サーベイランスに適用できれば、業界全体の効率・精度が向上し、ウイルスの動態を迅速に把握・発信(可視化)できることから、事前にパンデミックに備えることができると考えられます。

USE CASE

最終用途例

各種サンプルからのウイルス濃縮材料

USE CASE 01下水道サーベイランスに特化したウイルス濃縮材料

APPLICATION

APPLICATION

標的ウイルスのみを高効率に濃縮

様々な物質が混在する下水サンプルから、標的とするウイルスのみを高効率に濃縮できるため、下水道サーベイランスの効率が劇的に向上します。

USE CASE 02アフィニティクロマトグラフィーの高感度化

APPLICATION

APPLICATION

ウイルスをはじめとする各種物質の簡易測定キット

ポリマーブラシに固定化する抗体を変更することで、様々なニーズ(検出対象)に対応した材料へカスタマイズすることができます。

STRENGTHS

強み

ポリマーブラシに抗体を積層固定することで高いウイルス捕捉量を実現

STRENGTHS 01

圧倒的なウイルス捕捉量

従来の技術に比べ、単位面積当たりのウイルス捕捉量が劇的に向上します。

STRENGTHS 02

希釈されたサンプルでも確実にウイルスを捕捉

ポリマーブラシの効果により「希釈状態のウイルス」でも確実に捕捉します。

STRENGTHS 03

様々なウイルスに対応

標的とするウイルスに対応する抗体を選択することで、ニーズに合わせてカスタマイズ可能です。

TECHNOLOGY

テクノロジー

標的ウイルスの高効率濃縮を実現するポリマーブラシへの抗体積層固定化法を開発

TECHNOLOGY 01

クロスリンカーの適用

汎用基材に電子線を照射し、基材の表面にポリマーブラシを生成した後、ポリマーブラシにアミノ基やチオール基を有する官能基を導入します。その官能基と反応させることで、適切なクロスリンカー(二価性試薬)を二次的に導入します。その後、標的ウイルスに対応する抗体の固定化を行うことで、抗体をポリマーブラシに積層固定することができます。

PRESENTATION

共同研究仮説

社会実装に向けた実証試験・改良および新ニーズ探索

共同研究仮説01

・下水道サーベイランスにおける実証試験および改良
・新ニーズの探索I
・新ニーズの探索II

下水道サーベイランスにおける実証試験および改良

現状の把握と比較および社会実装に向けた改良

現行で利用されている技術や材料と、コスト面や濃縮効率などの比較を行い、社会実装に向けた改良を共に行って頂ける共同研究先を求めています。

新ニーズの探索I

アフィニティクロマトグラフィーへの展開

本技術は、臨床検査や簡易測定キット(イムノクロマト法)、分析機器の高感度化などに応用できるため、社会的ニーズにマッチした検出対象や分析機器について共に探索・展開して頂ける共同研究先を求めています。

新ニーズの探索II

機能化抗体の開発・検出技術への展開

本技術により特殊な抗体を固定化することで、様々な用途に展開することができると考えられます。抗体そのものの開発、それらを用いた検出技術への展開を共に行って頂ける共同研究先を求めています。

RESEARCHER

研究者

大河平紀司 有明工業高等専門学校創造工学科 教授
経歴

経歴
2007年4月 財団法人福岡県産業・科学技術振興財団(ふくおかIST)研究員
2012年4月 有明工業高等専門学校 物質工学科 助教
2013年4月 同上 講師
2014年4月 同上 准教授
2019年4月 同上 有明工業高等専門学校 創造工学科 教授
現在に至る
研究室HP: http://www.ce.ariake-nct.ac.jp/lab/okobira/index.html
Researchmap: https://researchmap.jp/t-okobira

研究者からのメッセージ

カスタマイズ性に優れた濃縮用材料の有用性

濃縮という操作や技術は様々ありますが、多くの場合は「狙っていないもの(不要なもの)」も含まれた状態で濃縮されるため、それらを分離・精製する必要があります。本技術では、抗体という優れた特異性を有する物質を利用することから「標的とする物質のみを確実に捕捉・濃縮できる」ため、他の濃縮法よりも圧倒的に効率が高いという点が特徴です。また、上記の説明ではウイルスに関する内容にフォーカスしていますが、固定化する抗体を「標的物質に対応する抗体」に変えることで、多岐にわたる用途が見込まれます。一例として、病原物質、タンパク質、薬物、難分解性物質(PPCPsやPFOS等)などが挙げられます。何か「濃縮してみたいもの」がございましたら、お気軽にご連絡ください。