2023年度公募 seeds-4757 - 【近畿】 グラフェンを用いた高感度なセンサーの開発
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VISION

ビジョン

環境中に遍在する、極微量の危険物質への対応

短時間・高感度にその場検出するニーズに応えます

環境中には、ウイルスや細菌をはじめとする様々な危険物質が遍在しています。これらの公衆衛生上の危険性は、COVID-19パンデミックによっても明らかです。こうした微量の危険物質をその場で短時間・高感度かつ簡便に検出する基盤技術が必要です。
極めて表面敏感な性質を持つナノ材料グラフェンは、こうした危険物質を検出する電子センサー材料として高いポテンシャルを持っています。本研究開発では、グラフェンセンサーにより微量の危険物質を検出するプラットフォームを構築します。将来的には、公衆衛生やインフラだけでなく、食品や医薬品、生活用品など幅広い業種で、短時間・高感度にその場検出するニーズに応えます。

USE CASE

最終用途例

ガスなどの低分子からタンパク質等の高分子、細菌やウイルスまで、様々な標的の高感度検出を実現

USE CASE 01常時自動の水質管理システム

APPLICATION

APPLICATION

小型のグラフェンセンサーを測定場所に設置、常時自動測定

人の手をほとんど介することなく、小型のセンサーを現場に設置することで、水質を常時モニタリングすることができます。

USE CASE 02簡便な疾患の診断システム

APPLICATION

APPLICATION

唾液などの検体からウイルスやバイオマーカーを検出

採取時の負担が少ない一方、検出対象の濃度が低い唾液などの検体から、診断やその前段階のスクリーニングが可能です。

STRENGTHS

強み

超高感度で迅速なセンシングが可能

STRENGTHS 01

従来の迅速法より3~5桁高感度

細菌1菌体以下(菌体断片)での検出を実現しています。また、定量的な計測が可能な手法です。

STRENGTHS 02

30分以内の短時間で測定可能

培養法などに比べ大幅な短時間化が可能であり、非専門家でも操作可能な簡便な手法です。

STRENGTHS 03

多項目検査・量産化への親和性

電子センサーは、集積回路の発想で多項目化や量産化が可能です。多数のセンサーを同時並列計測するシステムも開発済みです。

TECHNOLOGY

テクノロジー

グラフェンによる反応計測が迅速・安定な超高感度を実現

TECHNOLOGY 01

グラフェンは究極的な表面敏感材料

グラフェンは炭素の単原子層薄膜です。黒鉛から一層だけを剥離したその構造は、全原子が表面に露出しており、本質的に表面敏感です。また、電子の移動度が高いため、検出対象の吸着によるグラフェンの電子密度変化を、大きな電流変化として読み出すことができます。こうしたユニークな物性から、グラフェンは微量物質の電子センサーに最適な材料となっています。

PRESENTATION

共同研究仮説

グラフェンセンサーは幅広い産業応用が見込めるコア技術です。

共同研究仮説01

簡便な高感度計測のニーズはありませんか?

原理が異なるため、PCR等では難しい検出も可能です。

グラフェンセンサーは、検出対象そのものを電子的に検出するため、従来法では測定できなかった検出対象にも対応可能です。グラフェン表面の構造を変えることで、食品や医薬品など幅広い業種のニーズに対応できます。私自身も、多彩な業種の企業様と共同研究をしてきました。

共同研究仮説02

短時間で・その場で計測したい項目はありませんか?

小型の測定器でどこでも測定でき、その場で結果を得られます。

グラフェンセンサーは、光学素子などを含まない、シンプルかつ集積化可能な構造をしています。ポータブルな多項目計測器を開発済みです。お気軽にお声がけください。

RESEARCHER

研究者

小野尭生 大阪大学産業科学研究所 助教
経歴

2012年    博士(工学)(東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻)
2012~2013年 日本学術振興会 特別研究員(PD)
2013~2014年 東京大学大学院工学系研究科 応用化学専攻 特任研究員
2015年~現在 大阪大学産業科学研究所 助教
この間、2019~2023年 JSTさきがけ「量子生体」領域研究者
https://orcid.org/0000-0002-6717-123X

研究者からのメッセージ

ナノ材料の特異な物性を社会実装へ

ユニークな材料をナノ加工して、様々なデバイスを開発してきました。なかでもグラフェンはとびきりユニークです。グラフェンの特異な物性を機能に変え、一緒に社会実装しませんか?