2022年度公募 seeds-2649 - 【関東】 次世代圧力センサーへの応用を目指した機械的刺激に応答する有機感圧材料の開発
  • エレクトロニクス
  • 自動車・機械
  • IT・通信
  • 素材
  • ケミカル
  • 化学
  • 材料工学
  • その他工学
  • 新素材/高付加価値素材
  • センサ・計測・解析
  • #有機材料
  • #摩擦
  • #蛍光
  • #発光
  • #機械的刺激
  • #圧力
  • #結晶
  • #色素
  • #感圧材料
  • #センサー
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

摩擦や圧力による刺激を、発光色の違いにより高感度に検知するセンサーを開発

機械的刺激を高感度に検出する次世代圧力センサーへの応用

近年、ウェアラブル端末や次世代ロボットなどの開発や、インフラ構造物の劣化診断などの幅広い分野において、摩耗状態や局所応力などを高感度に検出可能な圧力センサーに対する需要が高まっています。圧力や摩擦などの機械的刺激により光照射時の蛍光色が変化する有機感圧材料は、機械的刺激を光信号の変化として直接検出可能なセンサーとなることが期待されています。有機材料は、軽量・低コストで毒性が低いため、圧力や摩擦を定量的に可視化できる有機感圧材料を開発すれば、従来の感圧塗料の改良となるだけでなく、生体材料を含む様々な材料や構造物の圧力センサーとして応用可能です。

USE CASE

最終用途例

磨耗状態や局所圧力を色の変化として可視化するセンサーとしての活用

USE CASE 01圧力検知の標準試薬

APPLICATION

APPLICATION

汎用性の高い標準試薬としての応用

本研究で開発する有機感圧材料は、適切に加工することで、圧力検知のための標準試薬として販売されることが期待できます。

USE CASE 02圧力センサーとしての利用

APPLICATION

APPLICATION

微細領域に加わる圧力や歪みの計測

本研究で開発する有機感圧材料を分析対象となる固体材料にコーティングすることで、微細領域に加わる圧力や歪みを定量的に計測することが可能となります。

STRENGTHS

強み

様々な発光色で効率良く発光する有機感圧材料

STRENGTHS 01

発光色と圧力に対する応答性を自在に制御

分子構造の一部を変化させることで発光色を調節することができるため、用途に応じて最適な色を選択することができます。また、適切な組み合わせの二成分系材料とし、機械的刺激に応じた発光色の変化量を拡張する技術も開発しています。

TECHNOLOGY

テクノロジー

金属を用いない有機材料の機械的刺激による蛍光変化

TECHNOLOGY 01

蛍光変化を利用した圧力検知技術

本研究の有機感圧材料は、圧力を加えると光照射時に発せられる蛍光が変化します。蛍光を利用した感圧塗料は、りん光を利用した従来の感圧塗料と比較して数十倍の高感度で圧力を検出できる可能性があります。また、圧力付与時のみ発光する応力発光材料と異なり、圧力付与後も光照射により読み出し可能といった特徴があります。

TECHNOLOGY 02

有機材料の特徴を活かした応用展開

有機材料は一般に、無機材料と比較すると軽量で柔軟性が高く、低毒性である点に大きな優位性があります。本研究で開発する有機感圧材料を用いた機械的刺激の検出は、フレキシブルデバイスやウェアラブル端末などへの応用や、生体組織における微細圧力検出への適用をはじめとして、幅広い用途に用いられる可能性があります。

PRESENTATION

共同研究仮説

有機感圧材料を用いた圧力検知技術の社会実装へ向けて

共同研究仮説01

高品質な材料を大量に製造する手法の確立

有機感圧材料の高品質な結晶をグラムスケールで提供するために、フロー合成技術を活用するなど、製造手法の確立に向けた共同研究を行うことを希望しています。

共同研究仮説02

結晶性の有機感圧材料を塗液や塗膜として加工する技術の確立

機械的刺激に対する応答性を維持したままで塗液や塗膜として加工する技術を確立するため、結晶材料の塗液化や塗膜化に関するノウハウや装置を保有する企業様との共同研究を募集しています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

伊藤 傑 横浜国立大学大学院工学研究院(准教授)
経歴

■経歴
2011年3月 横浜国立大学大学院 工学府 機能発現工学専攻

博士課程後期修了(短縮修了)
2011年4月〜2013年9月 東京工業大学大学院 理工学研究科

産学官連携研究員
2013年10月〜2015年3月 横浜国立大学大学院 工学研究院 研究教員
2015年4月〜2017年6月 横浜国立大学大学院 工学研究院 助教
2017年7月〜現在 横浜国立大学大学院 工学研究院 准教授
2021年10月〜2022年3月 科学技術振興機構(JST)

さきがけ研究者(兼任)

■受賞歴
2019年09月 International Congress on Pure & Applied Chemistry (ICPAC) Yangon 2019 Lecture Award
2020年10月 第33回安藤博記念学術奨励賞
2021年03月 第35回若い世代の特別講演会講演証
2021年06月 第10回新化学技術研究奨励賞
2022年09月 2022年度光化学協会奨励賞
■研究室HP
https://ito-lab.ynu.ac.jp/index.html

研究者からのメッセージ

こすると発光色が変わる新素材の実用化に向けて

これまでの研究で、さまざまな色に発光する有機感圧材料を合理的に設計できるようになってきましたが、まだまだ素材開発の段階です。これらのシーズをもとに、実用化に向けた研究を一緒に進めてくださる企業様を募集しています。