2022年度公募 seeds-2495 - 【中国】 農業用ドローンの利用促進を目指した多機能トラックの要素技術の開発
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VISION

ビジョン

農業用ドローンでの散布に関わる作業をすべて圃場で効率的に行いたい

農業用ドローンの作業に関わる装備を搭載したトラックの開発

人手不足解消に役立つ農業用ドローンによる薬剤散布ですが、散布量や圃場の散布順序、散布前の準備や片付けはまだまだ手間がかかります。それらの課題を解決するために、アプリにより簡単に散布量が把握でき、循環水を利用した洗浄・除菌、洗浄完了の確認ができる装置を搭載したトラックの開発を目指します。このトラックがあれば、安全にドローンを圃場まで輸送し、ドローン散布に付随する作業(運搬、洗浄・除菌、残農薬の環境負荷の少ない廃棄、散布量の把握など)がオンサイトできるようになり、手軽に、効率よく農業用ドローンが利用できるようになります。

USE CASE

最終用途例

農業用ドローン散布に関わる一連の作業を効率的にオンサイトで実施

USE CASE 01散布量や圃場の散布順序を教えてくれるアプリで、準備が楽になります

APPLICATION

APPLICATION

散布前の煩わしい計算がなくなり、効率的な散布順を教えてくれる

アプリに情報を入力すれば、圃場の大きさや植物の成育に合わせて適切な量を算出し、複数の圃場で散布作業がある場合は、散布の順番を教えてくれます。タンクの容量やバッテリーに最適化

USE CASE 02循環しながら半自動で農業用ドローンの洗浄と殺菌を行う装置

APPLICATION

APPLICATION

圃場で手間をかけずにドローン本体とタンクの洗浄・殺菌

凸凹したドローンのタンクや本体の洗浄・殺菌について、水を循環させながら行うことで、洗浄水の量を抑え、洗浄水に含まれる薬剤や菌をモニターし、洗浄・殺菌が終了したことが把握できます。

STRENGTHS

強み

これまでになかった農業用ドローンを使用する前と後に活躍する技術

STRENGTHS 01

手間のかかる準備と片付けに注目した技術

ドローンを使った薬剤や肥料の散布は広い範囲を短時間で行えますが、実際は、散布前の準備や散布量の計算、散布後の洗浄などの片付け、メンテナンス、運搬車への固定などの手間が大きいことが分かります。この課題を、ドローンのオペレータ資格をもつ研究者が、植物病理学や化学分析の知見を活かして技術を開発します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

いくつかの既存の技術を組み合わせて相乗効果を生み出す

TECHNOLOGY 01

実際に農業用ドローンでの散布をしています。

一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が定める科目を修了し、無人航空機を安全に飛行させるための知識と操縦技能を修得。産業用マルチローター(農業用ドローン)を安全に飛行させるための知識と操作技術を学び、認定証を取得。実際に農業用ドローンを飛行させて農薬散布を行い、必要な液量や粒剤の検討などをしています。また、菌の検出技術と化学分析技術を駆使して、効率的な洗浄方法について検討していきます。

PRESENTATION

共同研究仮説

トラックで運んで現場で使える農業用ドローンの洗浄・殺菌を行う半自動の装置を具体化する

共同研究仮説01

農業用ドローンの洗浄・殺菌を行う半自動の装置

半自動的に洗浄水を循環させて農業用ドローンを洗浄・殺菌する

洗浄・殺菌は洗浄水を循環させて、少量の水で行っていこうと考えています。主に既存技術を応用しますが、半自動化と小型化を目指すと、具体的な設計、手作業よりも効率的になるのかなどの検討は実際に装置を作ったり組み立てたりしながら出ないと分からないので、機器を制作している業界・企業と共同研究を行いたい。

共同研究仮説02

洗浄・殺菌が終了したことを認知する小型のシステム

小型のシステムによって残留農薬や菌を複眼的に検出する

研究室レベルでは、高速液体クロマトグラフィーで個々の成分を測定しますが、洗浄完了の目安では詳細な測定は不要となります。そのため、紫外線・散乱光・導電率で複眼的な検出を考えており、これらを装置に組み込み目的の感度で検出できるかは、共同研究によって検討していきたいと思っています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

藤田景子 県立広島大学生物資源科学部
地域資源開発学科(准教授)
経歴

2006年3月 岡山大学大学院自然科学研究科博士後期課程 修了
2006年4月 日本学術振興会特別研究員
2007年4月 岡山大学非常勤研究員
2008年4月 山梨大学大学院医学工学研究総合研究部附属ワイン科学研究 センター・非常勤研究員
2012年4月 県立広島大学生命環境学部生命科学科助教
2022年4月 県立広島大学生命生物資源科学部地域資源開発学科准教授、 現在に至る

研究者からのメッセージ

経験の少ない生産者でも簡単に使えるツールを開発して、人手不足を解消して農家の収入UPを目指す

農機の性能は年々凄まじいスピードで向上していますが、動かす前の設定などの準備や後の片付けは面倒なままです。高価な農機を導入しても、結局、使わなくなってしまった。実際に、農作業を経験したからこそわかる「不便」を様々な分野の方と一緒に解決していきたいと思っています。