2025年度公募 seeds-008-0012 - 【甲信】 水素で育つ微生物を使う陸上養殖飼育水浄化技術
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

陸上養殖のカーボンポジティブ化で気候変動対策と水産資源枯渇問題解決を  

陸上養殖飼育水の浄水工程で脱窒と炭素固定を両立する

水素細菌の反応を利用し、陸上養殖の飼育水の浄水工程に適用できる浄水装置を開発しました。
浄水装置は水素細菌の増殖に必要な水素とCO2の供給で従来技術と同等の能力を発揮でき、炭素固定が可能です。
本技術が実用化できれば、陸上養殖浄水工程における炭素固定の実現や、
水素供給の拡大が促されることで養殖場内の水素エネルギー利活用が増え、
陸上養殖のカーボンポジティブ化が期待できます。

USE CASE

最終用途例

陸上養殖の要の浄水工程で水質改善と炭素固定を両立する

USE CASE 01水素で育つ細菌の働きを制御して脱窒と炭素固定を両立する

APPLICATION

APPLICATION

陸上養殖飼育水の浄化技術

陸上養殖の課題である飼育水中からの脱窒処理技術に活用でき、
水素とCO2の供給で既存技術とほぼ同等の能力を発揮した浄水処理を可能にします。
また、現在計画が進行する月面養殖への適用も期待できます。

USE CASE 02水族館・家庭用アクアリウムの浄水技術

APPLICATION

APPLICATION

水族館・家庭用アクアリウムの浄水技術

養殖設備と類似した水質を持つ水族館においても運用が可能です。
また、ダウンサイジングすることで家庭用アクアリウムの浄水装置にも適用可能です。

USE CASE 03業務用・家庭用の飲料水浄水技術

APPLICATION

APPLICATION

業務用・家庭用の飲料水浄水技術

窒素汚染された飲料水源の浄水にも適用可能です。
水素は現地生産可能なため小規模分散的に浄水設備の設置・展開可能であり、
飲用には向かない災害用井戸水の飲料水化などでの活躍も期待できます。

STRENGTHS

強み

水素細菌の利用で高い生体親和性と浄水工程における炭素固定を可能に

STRENGTHS 01

高い生体親和性、浄水工程の炭素固定の実現、遜色のない浄水能力

養殖する生き物に無害な水素を利用するため、従来技術に比べて浄水工程の生体親和性を高めることができます。
また、水素細菌が増殖の際にCO2を取り込む特性も発揮できるため、浄水と炭素固定の両立を実現します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

水素細菌の働きを高め浄水処理への利用を可能にする脱窒システム

TECHNOLOGY 01

安全性を高め、水素の無駄遣いを防ぐ装置構造

水素細菌の働きの維持には水素供給が必要ですが、安全性を確保しつつ、かつ未利用の水素を低減することが必要です。本技術では常圧の水素を充填したカラム内に処理水を散水する構造とし、供給した約7割の水素を利用可能な効率の良いシステムです。浄水とともに炭素固定が可能でありながら、既存技術と同等の浄化効率を発揮し、さらのその処理水を用いて魚類の飼育が可能なほど高い生体親和性を発揮します。

PRESENTATION

共同研究仮説

実用化を目指した実際の養殖場等での技術検証とブラッシュアップ、
システムのパッケージング化

共同研究仮説01

技術成熟度を高めるため実証試験機の開発や実証試験の実施

養殖場等での技術検証やシステムのパッケージング化

本技術の実用化には、実際に養殖される様々な生き物への処理水の影響評価や、ベンチ・パイロットスケールの実証実験、
さらには装置制御を判別する各種センサー類の開発や自動制御ソフトの構築等が重要と考えています。
上記のような様々なノウハウを持つ、多くの方々との共同研究等が必要と考えております。

RESEARCHER

研究者

亀井 樹 国立大学法人 山梨大学大学院 
総合研究部 助教
経歴

2016.3 山梨大学大学院修了・博士(工学)
2016.4 山梨大学国際流域環境研究センター・研究員
2019.4 北里大学医療衛生学部・助教
2020.1 山梨大学大学院総合研究部・助教 (現職)

  • リサーチマップ

    https://researchmap.jp/Tatsuru-Kamei

     

  • 専門領域

    ・環境負荷低減技術
    ・排水処理
    ・環境工学
    ・持続可能システム

  • 共同研究の経験がある企業/業界

    民間企業:1件(研究分担者)
    公的研究機関:1件(研究代表者)

研究者からのメッセージ

水素を使う環境浄化技術の普及で持続可能な社会の構築へ貢献したい

環境浄化の重要性は高まる一方で、浄化設備の稼働がCO2排出や薬品使用を産み環境負荷を高める側面もあります。
水素で育つ微生物を使う本技術のように、環境浄化への水素利用を可能にする技術を研究することで、
無害な水素の浄化プロセスへの直接利用を可能にし、さらにクリーンエネルギー水素の利用促進が期待でき、
従来技術にはない低環境負荷型浄化技術の確立や水素社会構築に貢献できると考えております。

陸上養殖への適用以外でも、本技術の発展的利用により解決できる課題があれば、共同研究等に展開できればと考えております。