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最終用途例
APPLICATION
提案システムにより超急速充電が実現すれば,駅停車中に各駅で充電が可能となり,蓄電池車両に搭載するバッテリ容量を低減することができます。さらに,架線のメンテナンスを省くことができます。
APPLICATION
船の電動化も進んでいます。一方,充電方法はコネクタを用いることが一般的ですが,水回りであるために感電の恐れがあり非常に危険です。これに対して,提案システムを用いれば非接触で大電力を送電できます。
APPLICATION
既存の充電技術では電気自動車への充電時間は,ガソリン車の給油時間に比べて数10倍長くなってしまいます。この問題に対して,提案システムを適用することで短時間充電を実現することができます。
強み
超電導技術により低損失な導体を提供することに加えて,コイル形状を工夫することで,大電流通電可能なコイルを提案します。
テクノロジー
同じの自己インダクタンスを持つ高温超電導コイルおよび銅コイルのQ値(コイルの指標:高ければ高いほど有利)を測定した結果,高温超電導コイルは銅コイルに比べて,10 kHz以下の低い周波数において約100倍高いQ値が得られることがわかりました。これにより,高温超電導コイルを用いた非接触給電システムは,銅コイルを用いた既存の非接触給電システムに比べて,大容量かつ高効率な電力伝送が可能です。
【参考文献】 : R. Inoue, et al.,IEEE Trans. Appl. Supercond. vol.27, no.1, (2017) ,5400106
高温超電導コイルは,10 kHz以下の低い周波数において高いQ値が得られます。そのため,従来の銅コイルを用いた非接触給電システムの動作周波数(数10kHz以上)に比べて,提案システムの動作周波数は約10分の1以下(数kHz)まで低周波化が可能です。その結果,大電力送電を行いながら,車体やレールなどの筐体に発生する鉄損を抑えることができる可能性があります。
【参考文献】 : 井上良太 他, 低温工学 55巻,1号 (2020)
共同研究仮説
提案システムのみ最適設計を行ったとしても,車両の種類によって必要な電力容量が異なることから,蓄電池電車全体を最適化することができません。そこで,実車全体に適したシステム設計を行う必要があり,技術的な障壁を解決するための鉄道関連会社との共同研究を求めています。
大容量非接触給電システムを実現させるためには,提案する非接触給電部のみではなく,漏洩磁場の影響や電力変換器における損失の評価を行う必要があります。そのため,パワエレ関連企業との共同研究を求めています。
イベント動画
研究者
“主に高周波磁気デバイス,非接触給電,ならびに超電導コイルや
超電導交流機器の開発に従事。
■経歴
2017年4月-2020年03月 独立行政法人日本学術振興会 特別研究員(DC)
2017年4月-2020年03月 東北大学 大学院工学研究科 博士課程後期課程
2020年04月-現在 岡山大学 大学院自然科学研究科 助教
■受賞歴
パワーアカデミー 萌芽研究優秀賞(2022)
27th International Conference on MAGNET TECHNOLOGY Outstanding Presentation Awards(2021)
低温工学・超電導学会 優良発表賞(2021)
電気学会全国大会 電気学会優秀論文発表賞(2017)
■researchmap
https://researchmap.jp/r_inoue”