2022年度公募 seeds-2412 - 【関東】 超音波溶着時の振動計測によるCFRTPの発熱・接合メカニズムの解明
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VISION

ビジョン

CFRPの超音波溶着時の溶着品質の予測のため,溶着時の振動の直接計測により溶着品質予測手法を確立する

複合材料の超音波溶着接合時の物理現象の解明によるシミュレーション技術・溶着品質の予測技術の確立

現在、成形性に優れた繊維強化熱可塑性樹脂の製造・成形技術の開発が進んでおり、航空機・自動車産業への適用に向けた次のステップとして、複合材料の接合技術の確立が望まれています。接合技術の中でも最速かつ省エネルギーの超音波溶着接合が注目されています。しかし、超音波溶着接合は、十分解明されていない発熱メカニズムと界面摩擦熱による急激な昇温速度から、安定した溶着と品質予測が難しいという課題があります。本研究では、実際に生じている振動を直接計測することで、超音波振動がどのように発熱に寄与するかを解明し、従来難しかった複合材料の超音波溶着接合を実構造に適用するための技術の確立を目指しています。

USE CASE

最終用途例

超音波溶着接合を、自動車・航空機・風車などの炭素繊維強化熱可塑性樹脂部品の接合に適用することを目指す

USE CASE 01超音波溶着を、航空機・自動車などの接合に適用することで、高速・省エネルギーの接合を実現する

APPLICATION

APPLICATION

自動車、航空機等のコスト削減と軽量化によるCO2削減の実現

本研究成果により、高速・省エネルギーの超音波溶着接合技術を、軽量でリサイクル性に優れる炭素繊維強化熱可塑性樹脂に容易に適用でき、自動車、航空機、風車のコスト削減と軽量化によるCO2削減を実現可能になる。

STRENGTHS

強み

超音波溶着は他の接合技術と比べて高速接合が可能であり、1~3秒程度で複合材料同士を接合できる

STRENGTHS 01

超音波溶着時の振動を直接評価することで、物理現象の解明する

従来の溶着品質の評価方法は、主に超音波溶着機の発信機電力(パワー)とホーンの変位の履歴から、溶着状態の予測が行われていた。本研究では、超音波溶着時のホーン・被着体の振動挙動を、レーザー計測器を用いて直接計測し共振状態を調べることで、被着体の接合状態を直接的に評価できる点に新規性・独創性がある。

TECHNOLOGY

テクノロジー

超音波溶着時の振動をレーザー計測器で直接計測することで,溶着時に生じた物理現象を解明する

TECHNOLOGY 01

発熱に起因する振動を計測し,超音波溶着時の品質を予測する

川崎 翔大(金沢工大),石田応輔,鵜澤 潔,CFRTPの超音波溶着接合時における振動挙動の評価,第13回 日本複合材料会議(JCCM-13)(2022.3),2C06.(Oral発表).
川崎 翔大(金沢工大),石田応輔,白井武広,鵜澤 潔,エネルギーダイレクタが超音波溶着接合時のCFRTPの振動挙動に与える影響,第47回複合材料シンポジウム(2022.9),C109,pp. 151-152.(Oral発表).

PRESENTATION

共同研究仮説

高速接合手法である超音波溶着を、航空機・自動車等のCFRTP部品の接合に適用することを目指す

共同研究仮説01

超音波溶着によるCFRTP製部品の高速・高品質溶着技術の確立

形状によらず最適条件を予測できる超音波溶着接合手法の技術開発

共同研究先の候補の業界は、複合材料の組み立てを行う航空・宇宙、自動車、エネルギー産業と考えています。具体的な接合対象を持つ企業と協力することで、企業・国家の利益に直結するるような技術開発が可能になると考えています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

川崎 翔大 金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター(研究員)
経歴

■経歴
2017年7月 – 2017年11月東京工業大学 フロンティア材料研究所
特別研究員
2017年11月 – 2021年3月東京農工大学 工学府・工学部 特任助教
2021年4月 – 現在金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター 研究員
■代表論文
S. Kawasaki et al., Functionally Graded Adhesive Joints Bonded by Honeymoon Adhesion Using Two Types of Second Generation Acrylic Adhesives of Two Components, JOURNAL OF ADHESION 92(7-9) 517-534 2016年

研究者からのメッセージ

本研究により、超音波溶着接合を各種産業へ適用でき、コスト削減と軽量化によるCO2削減を実現できます

現在、複合材料の製造・成形技術の開発が進んでおり、次のステップとして複合材料の接合技術が重要視されています。その中でも最速かつ省エネルギーの超音波溶着接合が注目されています。しかし超音波溶着接合は、十分解明されていない発熱メカニズムとわずか1秒程度で融点まで達する昇温速度から、溶着品質を予測することが難しいという課題があります。本研究では、実験的に超音波振動を計測し、その振動データを分析することで、超音波振動がどのように溶着時の発熱に寄与するかを解明を目指します。また、振動計測データを活用した溶着シミュレーションと、振動解析による溶着品質の予測技術を活用することで、三次元超音波溶着の課題の解決を達成しを目指します。最終的な目標としては、超音波溶着接合の実構造への適用するための技術の確立を目指しています。