2022年度公募 seeds-2407 - 【甲信】 未来のデータセンター向け高降圧大電流磁気部品と電源モジュール
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

配電における損失を減らし、便利なデジタル社会と低炭素社会を両立

データセンターだけでなく、電気自動車や家庭の配電までも低損失に

今後急増するデータセンターで爆発的に増加するCPU・GPUなどの演算器への電力供給の損失を減らします。電源供給に伴う損失はデータセンターの全消費電力のうち7%を占めているとされ、これを削減することで低炭素社会の実現に貢献します。また、本事業で確立する高降圧電源技術は、データセンターと同じく48V電源規格の普及が進む電気自動車における情報処理・通信機器へ電源供給技術にも応用可能です。さらに将来の普及が見込まれる直流送電で必要になるとされる400V近い直流高電圧から48Vなどの生成にも適応可能であり、あらゆる電源供給における場面で損失の低減に寄与します。

USE CASE

最終用途例

高降圧直流電力変換が必要なあらゆるアプリケーションに適用可能

USE CASE 01データセンターの低消費電力化とCO2削減に貢献

APPLICATION

APPLICATION

データセンターにおける48V電源から1V未満への直接降圧

データセンター向け48V電源からCPU・GPUに向けた電源供給の損失を大幅に削減できる可能性があります。

USE CASE 02電気自動車における電源供給の小型化、軽量化

APPLICATION

APPLICATION

電気自動車の電源供給システム

電気自動車で普及が進む48V電源から情報処理・通信機器への電源供給のサイズが小型になり、搭載機器の軽量化や車内空間の有効活用化が可能になります。

USE CASE 03直流送電普及時の損失の削減と電源の小型化、低コスト化

APPLICATION

APPLICATION

直流送電の電源供給システム

将来家庭で直流送電で普及した際に電源設備が小型になり、導入コストが下がる可能性があります。

STRENGTHS

強み

より小型で低損失な高降圧電源および回路・磁気デバイス・熱・ノイズの統合設計技術の確立

STRENGTHS 01

異種分野の統合設計技術と独自のトランス巻線損失低減技術

本事業で開発する電源の損失の大半が磁気部品であるトランスで発生します。これは降圧比が大きく、1次側と2次側の巻き数比を大きくする必要があるためです。トランスの負担を軽減するための新しい回路方式と回路・磁気デバイス・熱・ノイズ統合設計手法を考案し、独自の巻線損失低減技術を応用します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

磁気材料・デバイス・回路・実装までの垂直統合

TECHNOLOGY 01

高速スイッチング電源と統合設計技術

信州大学では高周波磁気材料・磁気デバイスの研究室と高降圧・高周波集積電源回路設計の研究室の連携実績がこれまでに10年近くあります。また電源回路のノイズ、熱、実装における解析に強みをもつ大阪大学の研究室とも5年以上の共同研究の実績があります。これまでにMHz帯で動作するLLC共振コンバータやスイッチトキャパシタ回路とインダクタを用いたハイブリッドコンバータ、10MHz以上で動作するGaN FET降圧コンバータ回路など、主回路、制御、磁気デバイスを統合した高効率な集積電源を開発し、国際学会にて発表してきました。

TECHNOLOGY 02

独自の交流銅損低減技術

磁気部品の巻線に交流漏れ磁束が鎖交することで生じる交流銅損は、動作周波数が上がるにつれて急激に増え、低減することが困難でした。しかし、信州大学では、巻線の周辺に意図的にコアと異なる透磁率の材料を装荷したり、コアと巻線の間に意図的に空隙を設けることで、交流銅損を大幅に低減する基本技術・特許を保有しております。大きな交流電流がトランスに流れ、交流銅損が大きな割合を占める本事業が目指す電源において、本技術は極めて有効です。

PRESENTATION

共同研究仮説

新規低損失トランスと電源モジュールの三次元的超高密度集積化

共同研究仮説01

新規トランスによるさらなる損失の低減とその作製手法

新コア材料および構造をもつ低損失コアと製造プロセスの確立

巻線の損失低減だけでなく、コアの損失低減も必須となります。新規コア材料とともにその材料特性を活かすコア構造の新規開発と量産を見据えた加工およ製造手法の研究開発を受動部品メーカおよび電源メーカと共同で実施したいと考えています。

共同研究仮説02

超高密度三次元集積電源

トランスおよび各種回路部品の三次元集積による超高密度化

最先端のCPU・GPUが消費する電流は極めて大きく、本電源を直近に置く必要があります。そのためにはトランス、回路部品を三次元的に極めて高密度に集積・実装する必要があり、小型ドライバ、制御回路の開発も必要と思われます。集積電源や集積モジュールメーカーとの共同研究が必要と考えています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

宮地 幸祐 信州大学 学術研究院 工学系(教授)
経歴

2008年3月東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了。博士(工学)。同年4月日本テキサス・インスツルメンツ株式会社に入社、アナログ集積回路設計業務に従事。2009年より東京大学生産技術研究所特任助教、2012年より中央大学研究開発機構機構助教を経て、2013年4月より信州大学工学部電気電子工学科助教に着任。2015年に同准教授、組織改編を経て現職に至る。DC-DCコンバータ、非接触給電、エネルギーハーベスティング、三次元集積に関する集積パワーマネージメント回路設計の研究に従事。

研究者からのメッセージ

独自の磁気部品と回路設計技術によりオリジナリティの高い電源モジュールを創出

当研究グループは高周波磁気材料・磁気デバイス・回路(集積回路)・ノイズ-熱設計という異分野連携の実績がたくさんあり、これから重要になるアプリケーションのパワーエレクトロニクスモジュールの開発に貢献できると考えています。またその基本・応用技術を持った人材の輩出のための教育に力を入れて参ります。