2020年度公募 seeds-0276 - 【関東】 3Dプリンタの製造性と、最適な部材の自動設計(トポロジー最適化)の両方を実現するシステムの開発
  • 自動車・機械
  • 数理科学
  • 機械工学
  • その他工学
  • 新素材/高付加価値素材
  • 3Dプリンティング
  • #3Dプリンタ
  • #トポロジー最適化
  • #自動
  • #設計
  • #生産
  • #最適設計
  • #レベルセット法
  • #積層造形
  • #機械
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

3Dプリンタの製造課題を解決する最適設計の実現により、
3Dプリンタの活用領域をさらに広げる

3Dプリンタに対応した画期的なトポロジー最適化システムの実現

3Dプリンタ製造に適し、かつ力学的にも最適な部材の設計システムを実現します。
一般的な3Dプリンタにおける積層造形法は、空洞領域の上への材料積み上げや、サポート材と呼ばれる構造物の自重を支えるための仮の形状を造形が課題となっています。サポート材は、製造工程時間やコストの増加を招くだけではなく、造形形状によっては、除去が困難な場合もあります。
本研究では、幾何学形状をモデル化する独自手法により実現を目指します。本手法は、本研究の研究者が世界に先駆けて提案した最適化手法です。この手法により、例えば「設計される部材の角度を45度に制限する」など幾何学的な条件を与えた最適設計が可能になります。

高性能で多機能な産業製品や今までにはなかった機能を持つ製品の開発への貢献

3Dプリンタは、通常の機械加工では造形困難な形状を実現できる造形可能な形状の自由度が高い製造技術です。高性能で多機能な産業製品や今までにはなかった機能を持つ製品を実現できる可能性があり、注目を集めています。しかしながら、3Dプリンタによる製造を念頭に置いた設計技術は確立されておらず、性能を十分に生かし切れていないのが現状です。本研究開発は、このような課題を解決する設計技術であり、3Dプリンタの潜在能力を最大限発揮することが可能になります。機械系産業を中心に、ものづくり分野に広く貢献できます。

USE CASE

最終用途例

3Dプリンタを用いた高性能で多機能な産業製品や
今までにはなかった機能を持つ製品の製造

USE CASE 013Dプリンタ

APPLICATION

APPLICATION

3Dプリンタ用設計システムの実現

設計対象の部材の幾何学形状をモデル化し、3Dプリンタの製造性にを考慮した最適形状に自動設計するシステムを実現します。この最適設計手法はあらゆる部材の設計に適用できます。

STRENGTHS

強み

既存の設計工程を大きく変える最適化された設計システムの実現

STRENGTHS 01

これまでエンジニアの経験や、時間のかかる方法でなされていた設計を独自システムにより最適化する

従来、部材の設計においては、3Dプリンタで製造しやすい形状を実現するために、エンジニアの経験に基づいた設計や、設計のトライアンドエラーを繰り返してきました。本研究手法は、これまでソフトウェアの領域で考慮することが出来なかった部材の幾何学形状をモデル化することで最適な設計を実現します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

国際的にも認められた提案者発案の独自の設計最適化アルゴリズム

TECHNOLOGY 01

設計部材の幾何学形状をモデル化するという全く新しいアプローチ

提案者が独自に開発してきた、レベルセット法に基づくトポロジー最適化により、オーバーハング形状に代表される幾何学的な製造要件を考慮できるようになります。
本開発の独自性は、幾何学的特徴を偏微分方程式で評価し、応力等の力学的特徴と同様に評価を行う点にあります。一方、これまでに提案されている他の研究グループの方法は、設計変数の更新に制限を加えることで、オーバーハング形状制約を実現している方法であり、本研究開発の方法とは本質的に異なります。本研究開発で提案する方法では、設計空間に制限を加えないため、トポロジー最適化の最大の特長である、高い設計自由度を維持したまま、幾何学的制約条件を考慮したトポロジー最適化ができる点が、他の手法と比較した場合の優位性になっております。
その実績から、過去には、当該分野で最も規模が大きく、権威のある国際学術組織「構造最適化学会」より日本人として初めてSpringer Prize を受賞しました。

PRESENTATION

共同研究仮説

3Dプリンタの製造ポテンシャル最大化に向けて

共同研究仮説01

3Dプリンタのための幾何学的制約付大規模トポロジー最適化システムの開発

想定している企業

3Dプリンタメーカや、設計システムソフトウェアの開発ベンダーとの共同研究をメインとして想定しています。
本研究開発では、実製品モデルを対象とした大規模な有限要素モデルを取り扱い可能で、なおかつ、10 時間程度で最適設計解が得られる設計システム開発を目指します。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

山田崇恭 東京大学大学院工学系研究科総合研究機構
戦略研究部門 准教授
経歴

2005年3月 国立岐阜工業高等専門学校 機械工学科 卒業
2007年3月 京都大学 工学部 物理工学科 卒業
2008年3月 京都大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻 修士課程 修了(期間短縮)
2010年9月 京都大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻 博士後期課程 修了(期間短縮)
2010年10月 名古屋大学大学院 工学研究科 機械理工学専攻 助教
2012年5月 京都大学大学院 工学研究科 機械理工学専攻 助教
2020年3月 東京大学大学院 工学系研究科 総合研究機構 戦略研究部門 准教授
(新分野開拓准教授プログラム・東京大学卓越研究員)

学会:
山田崇恭,Topology optimization considering manufacturability using the fictitious physical models, 第6回理論応用力学シンポジウム,2020年9月1日−3日,日本学術会議総合工学委員会機械工学委員会合同力学基盤工学分科会主催,オンライン.

山田崇恭,製造に関する数理モデルの開発と積層造形における製造性を考慮したトポロジー最適化への展開,日本機械学会2020年度年次大会,先端技術フォーラム「バーチャルエンジニアリングにおける形状設計・計算・加工技術の現状と未来」,2020年9月14日,日本機械学会,オンライン,F01203.

実績:
2009年 4月 若手優秀講演フェロー賞,日本機械学会
2009年 5月 論文奨励賞,日本計算工学会
2009年 10月 若手優秀講演フェロー賞,日本機械学会
2009年 10月 優秀講演表彰,日本機械学会 設計工学・システム部門
2010年 3月 大学院研究奨励賞, 自動車技術会
2010年 3月 Best Paper Award, KSME-JSME Joint Symposium
2010年 4月 最優秀講演賞,日本応用数理学会
2010年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会
2011年 6月 Springer Prize, International Society of Structural and Multidisciplinary Optimization
2011年 10月 奨励業績表彰,日本機械学会 設計工学・システム部門
2012年 4月 船井研究奨励賞,船井情報科学振興財団
2014年 2月 井上研究奨励賞,井上科学振興財団
2014年 7月 日本計算力学奨励賞,日本計算力学連合
2015年 10月 CIE Second Award, 45th International Conference on Computers & Industrial Engineering
2016年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会
2016年 4月 科学技術分野の文部科学大臣表彰,若手科学者賞,文部科学大臣
2016年 7月 APACM Award for Young Investigators in Computational Mechanics, The Asian-Pacific Association for Computational Mechanics
2016年 7月 計算工学講演会ベストペーパーアワード,日本計算工学会
2016年 10月 フロンティア業績賞,日本機械学会 設計工学・システム部門
2017年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会
2018年 2月 優秀講演論文表彰,日本機械学会 マイクロ・ナノ工学部門
2018年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会
2018年 4月 船井学術賞,船井情報科学振興財団
2018年 7月 The JACM Fellows Award, 日本計算力学連合
2018年 11月 業績賞,日本機械学会 設計工学・システム部門
2019年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会
2020年 11月 Young Scientist Award of the ASSMO, Asian Society of Structural and Multidisciplinary Optimization(ASSMO)
2021年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会

論文:
Yamada, T. et al., A topology optimization method based on the level set method incorporating a fictitious interface energy, Computer Methods in Applied Mechanics and Engineering, Vol.199, No.45-48, (2010), pp.2876-2891.
山田崇恭他,幾何学的特徴量に対する偏微分方程式系に基づく幾何学的特徴制約付きトポロジー最適化(積層造形における幾何学的特異点を考慮したオーバーハング制約法),日本機械学会論文集,Vol.85, No.877, (2019), p.19-00129.

研究者からのメッセージ

実用化に繋がる研究開発にしたい

より多くの方に利用して頂けるシステムの開発をしたいと思います。よろしくお願いします。