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ビジョン
3Dプリンタは、通常の機械加工では造形困難な形状を実現できる造形可能な形状の自由度が高い製造技術です。高性能で多機能な産業製品や今までにはなかった機能を持つ製品を実現できる可能性があり、注目を集めています。しかしながら、3Dプリンタによる製造を念頭に置いた設計技術は確立されておらず、性能を十分に生かし切れていないのが現状です。本研究開発は、このような課題を解決する設計技術であり、3Dプリンタの潜在能力を最大限発揮することが可能になります。機械系産業を中心に、ものづくり分野に広く貢献できます。
最終用途例
強み
テクノロジー
提案者が独自に開発してきた、レベルセット法に基づくトポロジー最適化により、オーバーハング形状に代表される幾何学的な製造要件を考慮できるようになります。
本開発の独自性は、幾何学的特徴を偏微分方程式で評価し、応力等の力学的特徴と同様に評価を行う点にあります。一方、これまでに提案されている他の研究グループの方法は、設計変数の更新に制限を加えることで、オーバーハング形状制約を実現している方法であり、本研究開発の方法とは本質的に異なります。本研究開発で提案する方法では、設計空間に制限を加えないため、トポロジー最適化の最大の特長である、高い設計自由度を維持したまま、幾何学的制約条件を考慮したトポロジー最適化ができる点が、他の手法と比較した場合の優位性になっております。
その実績から、過去には、当該分野で最も規模が大きく、権威のある国際学術組織「構造最適化学会」より日本人として初めてSpringer Prize を受賞しました。
共同研究仮説
イベント動画
研究者
2005年3月 国立岐阜工業高等専門学校 機械工学科 卒業
2007年3月 京都大学 工学部 物理工学科 卒業
2008年3月 京都大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻 修士課程 修了(期間短縮)
2010年9月 京都大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻 博士後期課程 修了(期間短縮)
2010年10月 名古屋大学大学院 工学研究科 機械理工学専攻 助教
2012年5月 京都大学大学院 工学研究科 機械理工学専攻 助教
2020年3月 東京大学大学院 工学系研究科 総合研究機構 戦略研究部門 准教授
(新分野開拓准教授プログラム・東京大学卓越研究員)
学会:
山田崇恭,Topology optimization considering manufacturability using the fictitious physical models, 第6回理論応用力学シンポジウム,2020年9月1日−3日,日本学術会議総合工学委員会機械工学委員会合同力学基盤工学分科会主催,オンライン.
山田崇恭,製造に関する数理モデルの開発と積層造形における製造性を考慮したトポロジー最適化への展開,日本機械学会2020年度年次大会,先端技術フォーラム「バーチャルエンジニアリングにおける形状設計・計算・加工技術の現状と未来」,2020年9月14日,日本機械学会,オンライン,F01203.
実績:
2009年 4月 若手優秀講演フェロー賞,日本機械学会
2009年 5月 論文奨励賞,日本計算工学会
2009年 10月 若手優秀講演フェロー賞,日本機械学会
2009年 10月 優秀講演表彰,日本機械学会 設計工学・システム部門
2010年 3月 大学院研究奨励賞, 自動車技術会
2010年 3月 Best Paper Award, KSME-JSME Joint Symposium
2010年 4月 最優秀講演賞,日本応用数理学会
2010年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会
2011年 6月 Springer Prize, International Society of Structural and Multidisciplinary Optimization
2011年 10月 奨励業績表彰,日本機械学会 設計工学・システム部門
2012年 4月 船井研究奨励賞,船井情報科学振興財団
2014年 2月 井上研究奨励賞,井上科学振興財団
2014年 7月 日本計算力学奨励賞,日本計算力学連合
2015年 10月 CIE Second Award, 45th International Conference on Computers & Industrial Engineering
2016年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会
2016年 4月 科学技術分野の文部科学大臣表彰,若手科学者賞,文部科学大臣
2016年 7月 APACM Award for Young Investigators in Computational Mechanics, The Asian-Pacific Association for Computational Mechanics
2016年 7月 計算工学講演会ベストペーパーアワード,日本計算工学会
2016年 10月 フロンティア業績賞,日本機械学会 設計工学・システム部門
2017年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会
2018年 2月 優秀講演論文表彰,日本機械学会 マイクロ・ナノ工学部門
2018年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会
2018年 4月 船井学術賞,船井情報科学振興財団
2018年 7月 The JACM Fellows Award, 日本計算力学連合
2018年 11月 業績賞,日本機械学会 設計工学・システム部門
2019年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会
2020年 11月 Young Scientist Award of the ASSMO, Asian Society of Structural and Multidisciplinary Optimization(ASSMO)
2021年 4月 日本機械学会賞(論文),日本機械学会
論文:
Yamada, T. et al., A topology optimization method based on the level set method incorporating a fictitious interface energy, Computer Methods in Applied Mechanics and Engineering, Vol.199, No.45-48, (2010), pp.2876-2891.
山田崇恭他,幾何学的特徴量に対する偏微分方程式系に基づく幾何学的特徴制約付きトポロジー最適化(積層造形における幾何学的特異点を考慮したオーバーハング制約法),日本機械学会論文集,Vol.85, No.877, (2019), p.19-00129.