2020年度公募 seeds-0248 - 【関東】 粘性熱電材料の特長を生かした、従来より冷却効果が高くフレキシブルな全面冷却シートの開発
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

極薄でも冷却温度を維持でき、軽量・フレキシブルな「全面冷却シート」を、人間生活温度域の温度制御の新たなインフラに

既存ペルチェ素子と同量の熱電材料で50~100倍の大面積に密着して冷却が可能なシートを実用化

記録的な熱波が人類の生存・健康・Well-beingを脅かしています。世界人口の25〜50%が熱帯地域で室内冷房器具へアクセスできておらず、COP28で高効率なエアコンを世界中に普及させるための世界冷房誓約が発表されました。しかし、2050年ネットゼロ実現に向けては、現状の冷却機器能力と将来の冷却需要の間には技術的なギャップが存在します。全面冷却シートはこのギャップを埋める新技術として期待できます。

極薄でも冷却温度を維持可能な、軽量でフレキシブルな全面冷却シートを、温度制御の新たなインフラに

熱中症・猛暑対策として、ペルチェ素子を用いたウェアラブルな頸部冷暖房デバイスの開発が進められています。しかし、これは、低温火傷を防止するために面積当たりの冷却可能な熱量を規定する必要があるため、冷却効果に制限があります。
これに対して、本研究で開発する全面冷却シートが実用化されれば、複雑形状に密着し「直接冷却する」ことが必要とされる/期待される、ありとあらゆる人やモノの温度制御が可能になります。

USE CASE

最終用途例

軽量かつフレキシブルな全面冷却シートの開発により、熱中症予防や、新たなエンターテイメント実現等に貢献

USE CASE 01全面冷却シートによって、高度な体温の制御を行うことができるように

APPLICATION

APPLICATION

作業着の内側に全面冷却シートを貼り付けることで、熱中症を予防

全面冷却シートは複雑形状に密着した直接冷却により工事現場、工場内部、医療現場等の高温で苛烈な環境における熱中症予防、温冷交代体験による労働負担軽減等に貢献します。

MARKET

MARKET

熱中症予防が必要な環境での負担軽減に貢献

工事現場、工場内部、医療現場等の高温で苛烈な環境における熱中症予防・労働負担軽減等に貢献します。

USE CASE 02全面冷却シートの活用により、新たなエンターテイメントの実現や体験価値の向上に貢献

APPLICATION

APPLICATION

バーチャル・リアリティ(VR)で、よりリアルな温冷体験を提供

近年のバーチャル・リアリティ技術の進化は著しいですが、全面冷却シートを活用することで、新たに「冷たさ・温かさ」を感じる体験が可能になり、サービスの体験価値の向上に貢献することができます。

MARKET

MARKET

VR(バーチャル・リアリティ)技術を開発する企業、等

映画館、アトラクション、テーマパーク等における、VR(バーチャル・リアリティ)技術との組み合わせで、ユーザーに「冷たさ・温かさ」を感じる新たな体験を提供できます。

STRENGTHS

強み

従来技術より冷却面積、フレキシブル性、量産性に優れた、全面冷却シートによるソリューション

STRENGTHS 01

極薄・フレキシブルでも温度差を維持、Roll to Rollでの大量生産が可能

全面冷却シートは薄くなるほど冷熱流束が向上する上に、フレキシブルであるため密着性が向上し、人体のような複雑形状に対しても有効な冷却面積を十分に確保できるため、高効率な冷却可能が可能となります。これにより、局部冷却ではなく全面冷却ソリューションを実現します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

独自の粘性熱電材料が、無機熱電材料と有機物の良いとこ取りを実現

TECHNOLOGY 01

単一物質では実現できない高次機能を複数物質を組み合わせて実現

フレキシブルな大面積冷却シートをRoll to Rollで大量生産するために、原子スケールでの無機粒子の元素配合制御による高い熱起電力、ナノスケールで無機粒子間の界面電気抵抗を低減、マイクロスケールでハイブッド化する有機剤や封止材によって低熱伝導と柔軟性、マクロスケールでの電極パターニング・デバイス構造設計と各階層で所望の物性・機能を実現します。

PRESENTATION

共同研究仮説

粘性熱電材料の低コスト化・無害化、劣化要因の解明、パイロット生産に向けた事前調査等の実施

共同研究仮説01

全面冷却シートの実用化に向けた材料・デバイス・プロセス統合型の研究開発

全面冷却シートの実用化に向けた研究を想定

研究者は、材料・デバイス・プロセスに関する一気通貫の検討により全面冷却シートの高性能化を進めています。共同研究では、全面冷却シートの実用化に向けて、粘性熱電材料の低コスト化・無害化に関する検討、劣化要因の解明・対策、パイロット生産に向けた事前調査などを進めることを想定しています。

LABORATORY

研究設備

粘性熱電材料の調整からフレキシブル全面冷却シートの試作・評価まで可能な研究設備群

LABORATORY 01

材料からデバイス構造までの統合的検討で新たな価値を!

粘性熱電材料の調整から、シートを所望の形状にするレーザー加工、デバイスへの粉塵の混入を抑制するためのクリーンブースでの全面冷却シートの組み上げ、全面冷却シートの評価までを体験することができます。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

佐藤 宗英 物質・材料研究機構
経歴

2009年 4月 物質・材料研究機構 研究員
2014年 4月 物質・材料研究機構 主任研究員
2021年 4月 物質・材料研究機構 主幹研究員
この間、
2011年〜2013年 Harvard大学 在外派遣研究員
2018年〜2019年 文部科学省 科学技術・学術行政調査員

研究者からのメッセージ

日本企業の技術開発力・底力に期待しています!

本研究の優位性の一つは、我が国にはフレキシブルデバイス、フレキシブル・伸縮性部材や精密な製造技術が強みとして蓄積されており、これらの蓄積を活かして全面冷却シートのRoll to Roll等での大量生産が見通せることだと理解しています。世界的課題の解決に向けたイニシアチブを握ってみませんか。