若手研究者産学連携
プラットフォーム
このシーズに
問い合わせる
ビジョン
最終用途例
APPLICATION
低抵抗ウェハを安価に製造する技術を確立すれば、基板由来のオン抵抗低減によりデバイス形成後のバックグラインディングによる基板の薄化工程が不要になり、SiCを用いたパワーデバイスのコスト削減が期待されます。
MARKET
本研究ではSiC単結晶成長の技術開発を目指します。低抵抗SiCウェハの普及には、材料開発だけでなく、窒素・ホウ素コドープ成長した低抵抗ウェハを用いたデバイス作製の技術開発も進展させる必要があります。
強み
SiCウェハの製造技術開発が進められていますが、Siと比べると依然として製造コストや安定性が問題であり、安価で高品質なSiCウェハ製造技術開発が求められています。本技術は、基板の低抵抗化と成長工程の簡素化を両立する技術であり、SiCデバイス製造の高性能化と低コスト化の両方に寄与することが期待できます。
テクノロジー
本研究の類似技術として、我々のグループでこれまで取り組んだ実績である、予備昇華工程を用いたホウ素ドープ原料の使用など、やや複雑な工程での低抵抗成長をある程度実現できています。本研究では、従来の一般的なSiC結晶成長と同等もしくはより簡素なプロセスでの結晶成長技術開発を狙っており、かつ低抵抗なウェハによる高機能性も確保できる技術になる見込みです。我々の先行研究で窒素・ホウ素コドープ成長で得られたウェハへのエピタキシャル成長も特に問題無く可能であることが確認できており、解決すべき課題として、複雑な工程を使うことなく良い結晶成長が可能かどうかの追求と実証試験の積み重ねが重要になると想定しています。
共同研究仮説
本研究では、条件の検討を行い、窒素・ホウ素コドープを用いた成長における高品質な結晶成長に必要な要素とメカニズムを明らかにします。実際の製造工程への展開を目指し、3~4インチ径でのウェハ取得が安定に得られること、及び得られたウェハでのデバイス実証を進める必要があり、このような共同研究を期待しています。
研究設備
イベント動画
研究者
産業技術総合研究所 研究員
所属:先進パワーエレクトロニクス研究センター ウェハプロセスチーム
経歴:2013年大阪大学工学研究科応用科学専攻博士後期課程修了
「トポロジカル絶縁体関連物質の結晶成長と評価の研究」
2013年~現在 産業技術総合研究所にて「昇華法によるSiC単結晶成長」に関する研究開発。主に高濃度ドーピングを伴うSiC成長技術開発に取り組んでいる。
学会発表:ボロンドープSiC 原料を用いた窒素・ホウ素コドープ4H-SiC結晶成長(2020年 応用物理学会)
Growth and characterization of Al-doped p-type 4H-SiC grown by PVT (2019年ICSCRM)
代表論文:Growth of P-type 4H-SiC single crystals by physical vapor transport using aluminum and nitrogen co-doping(Journal of Crystal Growth 470 (2017) p154.)