2025年度公募 seeds-008-0026 - 【近畿】 物理刺激を利用した革新的バイオリアクター
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

細胞培養を根本から変革する

培養における不安定要素を物理刺激に置き換える

全く新しい細胞製造プロセスとして、張力刺激・圧縮刺激・剪断応力・振動刺激・
磁場刺激・超音波刺激などに対する細胞応答を定量的に理解し、
複合的に負荷できるシステムを開発している。
従来は化学的液性因子を高コストで添加する必要があったが、
本システムでは物理刺激を代替手段として利用し、
分化効率や成熟度を高めつつコスト低減やプロセス安定性が期待できる。
実験室レベルの検証では、個別の物理複合刺激によりヒトiPS細胞等の培養効率が有意に
上昇することを確認している。
今後は、さらなる物理刺激種類への細胞応答の定量的理解と、
リアクター設計へのフィードバックを行う。

USE CASE

最終用途例

細胞製造におけるコストと安定性を圧倒的に改善し
産業として確立することを目指す。

USE CASE 01細胞治療用細胞製造

APPLICATION

APPLICATION

バイオリアクターで治療用細胞を効率的に製造する

複合物理刺激を利用してiPS細胞や間葉系幹細胞を効率的に増殖・分化させる。
高価な液性因子の使用を減らし、均一で高品質な細胞を低コストで製造可能にする。

MARKET

MARKET

拡大を続ける再生医療市場

再生医療・細胞治療市場は世界的に数兆円規模に成長中で、
心疾患・神経疾患・整形外科領域を中心に応用が進む。
安定供給可能な細胞製造技術は医療インフラとして重要。

IMPLEMENTATION

IMPLEMENTATION

研究から臨床応用へ展開

実験室レベルで物理刺激による培養効率向上を確認済み。
今後はさらなるバリエーションとスケールアップと国際規制対応を進め、
臨床現場での細胞供給体制を確立する。

USE CASE 02培養食肉製造

APPLICATION

APPLICATION

物理刺激で筋組織を形成する

張力・振動・伸展刺激を組み合わせることで、筋芽細胞を効率的に分化・成熟させ、
肉質や食感を自然に近づけた培養肉を製造する。

MARKET

MARKET

急成長するサステナブルフード市場

培養食肉は2030年までに数百億ドル規模へ成長が予測される。
環境負荷や動物倫理の課題を解決する新たな食料供給源として注目されている。

IMPLEMENTATION

IMPLEMENTATION

産業スケールでの量産へ

小規模試験で筋組織様の構造体を作製済み。
今後は産業規模での大量生産を目指し、バイオリアクター最適化と品質管理を進める。

STRENGTHS

強み

物理刺激バイオリアクターの優位性

STRENGTHS 01

現行の細胞培養とは全く異なる培養プロスを構築

物理刺激バイオリアクターは、従来の化学因子依存の培養法とは異なり、張力・圧縮・振動など複合刺激を利用して細胞を制御する新規プロセスです。
これにより分化効率と成熟度を高めつつ、コスト削減と品質の安定化を同時に実現します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

物理環境制御によるヒトiPS細胞の未分化維持培養(例)

TECHNOLOGY 01

培養面硬度制御によるサイトカインレス培養系の確立

iPS細胞を培養するとき、多くの研究では「サイトカイン」という特殊なたんぱく質を加えて成長や分化を促します。
しかしサイトカインは高価で扱いが難しく、コストや再現性に課題がありました。
そこで、培養面の硬さを人工的にコントロールすることで、
細胞が自ら正しく増えたり変化したりする環境を再現する方法が考えられています。
細胞は実は培養面の「硬さ」を敏感に感じ取って振る舞いを変えるため、
この性質を利用すれば、薬剤に頼らずに安定してiPS細胞を培養できる可能性があり、我々はそれを実証しました。
これは再生医療や創薬研究を大きく前進させる新しい細胞培養技術です。

PRESENTATION

共同研究仮説

以下のような業界の企業ご担当者様と意見交換したいと考えています

共同研究仮説01

理化学機器メーカー

物理刺激利用バイオリアクターを一緒に開発しませんか?

研究開発などで利用可能な小型バイオリアクターの開発
スケールアップが容易な設計
シングルユース可能なバイオリアクターデバイスの開発
GMP対応

共同研究仮説02

製薬・CDMO・食品メーカーなど

物理刺激を利用して製造が可能か検証しませんか?

物理刺激を利用した細胞製造の可能性を共に検証しませんか。
細胞医薬品や抗体・エクソソーム等の分泌物、培養食肉まで応用可能で、
共同研究により貴社は産業応用評価を、当方は基盤技術開発を担います。

RESEARCHER

研究者

堀江 正信 京都大学大学院
薬学研究科疾患分子制御学分野
/環境安全保健機構放射線管理部門(兼任) 助教
経歴

2012年3月 九州大学 博士(工学)取得(上平研究室)
2012年4月-2013年10月 大阪大学 工学部(紀ノ岡研究室) 博士研究員
2013年10月-現在 京都大学 薬学研究科 助教 RIセンター 助教(兼担)

研究者からのメッセージ

細胞培養を根本から変革し、産業界及び学術界に新しい分野を切り拓く

私は、これまでの細胞培養が化学的液性因子への依存によって高コスト化や再現性の低下といった課題を抱えていることに強い危機感を抱いています。
そこで、張力、圧縮、剪断応力、振動、磁場、超音波など複合的な物理刺激を組み合わせることで、細胞の分化や成熟をより効率的に制御し、
新しい低コストかつ高品質な培養プロセスを実現したいと考えています。
この挑戦は単に技術的改良にとどまらず、産業界にとっては細胞治療や再生医療、さらには培養食肉などの分野で持続的に利用できる安定した生産基盤を提供し、
学術界にとっては従来注目されてこなかった「物理刺激と細胞応答」の体系的理解を促進し、新たな学問領域の開拓につながります。
私はこの研究を通じて、細胞培養の在り方そのものを刷新し、企業とアカデミアがともに未来社会に必要とされる
革新的な基盤技術を築き上げることを強く志しています。