吸着剤の結晶構造と組成制御により捕捉量と選択性制御を目指す
持続可能な社会実現において、ニッケルやコバルトなどの金属資源の回収・利活用は重要であり、都市鉱山だけでなく河川や海洋、排水内に溶存する金属回収技術もその有効な手段となる。本研究ではチタン酸塩から構成される海苔様シート構造をもつ水質処理用の吸着材を開発しており、その捕捉イオン選択性を制御することで対象金属回収に特化した吸着材の実現を目指す。
NEDO 官民による若手研究者発掘支援事業 「若サポ」
若手研究者産学連携プラットフォーム
研究の成熟度
TRL1
基本原理・
現象の確認
基礎研究
TRL2
原理・現象の
定式化
基礎研究
TRL3
実験による
概念実証
応用研究
TRL4
実験室での
技術検証
応用研究
TRL5
使用環境に
応じた技術検証
実証
TRL6
実環境での
技術検証
実証
TRL7以上
実環境での
技術検証
※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度
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ビジョン
持続可能な社会実現において、ニッケルやコバルトなどの金属資源の回収・利活用は重要であり、都市鉱山だけでなく河川や海洋、排水内に溶存する金属回収技術もその有効な手段となる。本研究ではチタン酸塩から構成される海苔様シート構造をもつ水質処理用の吸着材を開発しており、その捕捉イオン選択性を制御することで対象金属回収に特化した吸着材の実現を目指す。
最終用途例
APPLICATION

溶存する金属イオンや陽イオンを吸着できるため、水質浄化用の吸着材として機能します。多くの陽イオンに対して析出を誘起せずに捕捉できることが実験により分かっています。
APPLICATION

金属資源の回収と利活用を目指して河川や生活・産業排水からの溶存金属イオンを回収する吸着材の使用を想定します。金属イオンを捕捉後、酸処理を行うことで吸着材料はリユースできます。
強み
本研究で開発したチタン酸塩シート吸着材は、イオン交換反応によるpH上昇が生じ難く、析出反応を誘起し難いことから、対象陽イオンを結晶構造内部へ捕捉することが可能。
チタン酸塩シート吸着材は、簡便な処理により結晶構造内部に捕捉した陽イオンを放出できるため回収が容易であり、吸着材自体も数回リユースが可能。
テクノロジー
簡便な水熱合成法により直線的な層状結晶チタン酸ナトリウムのナノファイバーがシート状を形成した構造体(SST)の合成に成功。SST吸着材は、実験室において多くの陽イオンに対してイオン交換反応により1~2 mmol/g程度の捕捉特性を示し、表面析出がほぼ生じないことを実証しています。SST吸着材の実使用環境を想定した捕捉陽イオンに対する選択性や捕捉量向上を実現できれば、水質環境の改善だけでなく、資源問題にも貢献できると期待されます。
共同研究仮説
重金属や有価金属が含まれる排水処理を必要としているプラントや処理現場での実証実験や、前段階での模擬排水や処理条件に関する共同実験や情報提供、さらに吸着材で捕捉した金属の回収や利活用に関する共同研究などを想定しております。
研究者
◆経歴
2012年3月 名古屋大学 大学院工学研究科 博士課程後期課程修了・博士(工学)
2012年4月 名古屋大学 大学院工学研究科 結晶材料工学専攻 研究員
2012年4月 九州大学 大学院工学研究院 地球資源システム工学部門 学術研究員
2014年4月 産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 産総研特別研究員
2015年2月 大阪大学 産業科学研究所 助教
2021年4月 大阪大学 高等共創研究院 准教授
2021年4月 大阪大学 産業科学研究所 准教授(兼任)
2025年4月 大阪大学 産業科学研究所 招へい教授
2025年4月- 現在 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授
2025年6月- 現在 大阪大学 産業科学研究所 特任教授(常勤)
◆受賞歴
2021年6月 公益社団法人日本セラミックス協会 第75回(2020年度)進歩賞
2024年11月 大阪大学 令和6年度大阪大学賞(若手教員部門)
無機材料化学
化学メーカー
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