2025年度公募 seeds-6348 - 【近畿】 水質浄化と資源回収に貢献する水処理のための海苔様シート構造吸着材
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

溶存する有価金属回収の実現による持続可能な資源確保と循環社会への貢献

吸着剤の結晶構造と組成制御により捕捉量と選択性制御を目指す

持続可能な社会実現において、ニッケルやコバルトなどの金属資源の回収・利活用は重要であり、都市鉱山だけでなく河川や海洋、排水内に溶存する金属回収技術もその有効な手段となる。本研究ではチタン酸塩から構成される海苔様シート構造をもつ水質処理用の吸着材を開発しており、その捕捉イオン選択性を制御することで対象金属回収に特化した吸着材の実現を目指す。

USE CASE

最終用途例

溶存する金属を選択的に回収するチタン酸塩シート吸着材の開発

USE CASE 01吸着材の結晶構造を生かした多様な陽イオンを捕捉できる吸着材

APPLICATION

APPLICATION

排水や浄水のための水質浄化

溶存する金属イオンや陽イオンを吸着できるため、水質浄化用の吸着材として機能します。多くの陽イオンに対して析出を誘起せずに捕捉できることが実験により分かっています。

USE CASE 02吸着材の結晶構造と組成制御による選択的な金属イオン捕捉吸着材

APPLICATION

APPLICATION

河川や生活・産業排水中に溶存する有価金属の回収

金属資源の回収と利活用を目指して河川や生活・産業排水からの溶存金属イオンを回収する吸着材の使用を想定します。金属イオンを捕捉後、酸処理を行うことで吸着材料はリユースできます。

STRENGTHS

強み

結晶構造とナノサイズによる優れた陽イオン捕捉特性を持つ吸着材

STRENGTHS 01

析出反応が生じ難く陽イオンを結晶内に捕捉することが可能

本研究で開発したチタン酸塩シート吸着材は、イオン交換反応によるpH上昇が生じ難く、析出反応を誘起し難いことから、対象陽イオンを結晶構造内部へ捕捉することが可能。

STRENGTHS 02

吸着材の捕捉陽イオンを簡便な処理で回収可能

チタン酸塩シート吸着材は、簡便な処理により結晶構造内部に捕捉した陽イオンを放出できるため回収が容易であり、吸着材自体も数回リユースが可能。

TECHNOLOGY

テクノロジー

層状チタン酸ナトリウム海苔様シート吸着材を開発

TECHNOLOGY 01

直線的な層状結晶のナノファイバーがシート状に集合した吸着材

簡便な水熱合成法により直線的な層状結晶チタン酸ナトリウムのナノファイバーがシート状を形成した構造体(SST)の合成に成功。SST吸着材は、実験室において多くの陽イオンに対してイオン交換反応により1~2 mmol/g程度の捕捉特性を示し、表面析出がほぼ生じないことを実証しています。SST吸着材の実使用環境を想定した捕捉陽イオンに対する選択性や捕捉量向上を実現できれば、水質環境の改善だけでなく、資源問題にも貢献できると期待されます。

PRESENTATION

共同研究仮説

実使用環境を見据えた排水処理と資源の利活用に関する共同研究

共同研究仮説01

重金属や有価金属が含まれる排水処理環境の実験実施

対象金属に対する実環境を想定した水処理試験と材料最適化

重金属や有価金属が含まれる排水処理を必要としているプラントや処理現場での実証実験や、前段階での模擬排水や処理条件に関する共同実験や情報提供、さらに吸着材で捕捉した金属の回収や利活用に関する共同研究などを想定しております。

RESEARCHER

研究者

後藤 知代 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 物質創成科学領域 教授
(兼務)大阪大学 産業科学研究所 特任教授(常勤)
経歴

◆経歴
2012年3月 名古屋大学 大学院工学研究科 博士課程後期課程修了・博士(工学)
2012年4月 名古屋大学 大学院工学研究科 結晶材料工学専攻 研究員
2012年4月 九州大学 大学院工学研究院 地球資源システム工学部門 学術研究員
2014年4月 産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 産総研特別研究員
2015年2月 大阪大学 産業科学研究所 助教
2021年4月 大阪大学 高等共創研究院 准教授
2021年4月 大阪大学 産業科学研究所 准教授(兼任)
2025年4月 大阪大学 産業科学研究所 招へい教授
2025年4月- 現在 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授
2025年6月- 現在 大阪大学 産業科学研究所 特任教授(常勤)
◆受賞歴
2021年6月  公益社団法人日本セラミックス協会 第75回(2020年度)進歩賞
2024年11月 大阪大学 令和6年度大阪大学賞(若手教員部門)

研究者からのメッセージ

ナノサイズ無機系吸着材により環境と資源をめぐる社会課題の解決を目指します

溶液合成により多様な結晶構造と形態をもつナノサイズの無機材料の合成とその特性制御に関する研究に取り組んでいます。本研究で紹介した海苔様シート構造体(SST)は、その特異な形状と結晶構造により優れた陽イオン捕捉特性を示すことを明らかとしました。多様な形態やナノサイズの無機系吸着材の社会実装や最適化に向けて、環境汚染や資源問題の課題解決を見据えた議論や共同研究ができれば幸いです。