2025年度公募 seeds-6312 - 【近畿】 放射線精密計測で検査・分析を高度化するSOIピクセル検出器
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

放射線データで品質と安全を支える

高精細計測とデータ活用で、品質・診断・保全を高度化

私の研究している「SOIピクセル検出器」は、センサー部と回路部が一体となったユニークな放射線イメージセンサーです。この特徴により微細画素が可能で低コスト化が期待できます。また、放射線を光に変換せずに直接電気信号で読み出すため、ボケが少なく鮮明な画像が得られます。X線だけではなく、電子・中性子・重粒子・赤外線など、様々な放射線の検出ができ、従来の放射線イメージセンサーでは捉えることができなかった微細な異物、構造を撮像できます。多くの共同研究の実績があり、このセンサーを社会実装することで産業や医療、学術の発展に貢献します。

USE CASE

最終用途例

SOIピクセル検出器を搭載した検査・分析装置の開発

USE CASE 01金属部材の内部状態を可視化し、破損予兆を早期把握

APPLICATION

APPLICATION

金属部材の損傷・材料状態評価

X線回折により半価幅や応力マップを取得し、結晶状態や内部応力の変化を可視化。損傷や塑性変形の進展を非破壊で評価し、品質保証や予兆保全に活用します。

MARKET

MARKET

材料状態評価ニーズが高い製造分野

自動車・鉄鋼・重工・インフラ分野では、溶接・成形・熱処理後の残留応力や結晶状態の変化が品質や寿命に直結するため、非破壊で材料内部状態を評価する技術が求められています。

IMPLEMENTATION

IMPLEMENTATION

現場導入による予兆保全への展開

製造ラインや保全現場で材料状態マップを取得し、異常傾向を早期に把握。応力や結晶状態の変化を指標に、計画保全や品質保証の高度化を目指します。

USE CASE 02電子顕微鏡の高感度・高速検出

APPLICATION

APPLICATION

電子線直接検出イメージセンサー

電子線を直接検出することで、信号変換段階での損失を抑え、低線量条件でも安定したS/Nで画像取得が可能です。高速読み出しにより、連続観察や動的現象の撮像にも対応します。

MARKET

MARKET

試料損傷低減と高速化ニーズ

cryo-EMや半導体微細構造解析では、試料損傷を抑えつつ短時間で十分なデータを取得できる検出器が求められています。低線量と高速取得の両立が重要な技術課題です。

IMPLEMENTATION

IMPLEMENTATION

既存TEM/SEMへの適用可能性

既存TEM/SEMとの接続を想定し、データ取得系と解析系の連携を前提とした構成としています。観察フローに組み込むことで取得効率の向上が期待されます。

STRENGTHS

強み

高精細・高速撮像と設計自由度を備えた放射線検出技術

STRENGTHS 01

微小欠陥を確実に捉える高コントラスト撮像

微小な欠陥や内部構造の変化を高精細・高コントラストで可視化。従来見逃されがちだった異常の早期発見に貢献します。

STRENGTHS 02

高速撮像による検査効率の向上

高速読み出しにより撮像時間を短縮。インライン検査や多数サンプル評価に対応し、生産性向上を実現します。

STRENGTHS 03

ニーズに合わせた共同設計が可能

用途に応じて性能・コストの最適化が可能。企業様の要件に合わせた共同設計・共同開発に発展できます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

SOI技術を基盤とした一体型放射線検出アーキテクチャ

TECHNOLOGY 01

SOI構造による低ノイズ・高感度検出

SOI(Silicon-on-Insulator)構造を用い、放射線検出部と読み出し回路を絶縁層を介して同一基板上に集積しています。検出信号を画素内で直接処理することで、配線長を短縮し、寄生容量や外来ノイズの影響を抑制します。画素サイズ、電極構造、ゲイン設計を用途に応じて最適化可能であり、X線をはじめとする各種放射線計測に対応する設計自由度を有しています。

TECHNOLOGY 02

高速データ取得と拡張可能な読み出し設計

画素内で取得した信号を効率的に読み出す高速データ取得系を構成し、多点・連続計測に対応しています。出力データは画素ごとの強度情報やイベント情報として扱える形式で設計されており、時間情報や空間分布を保持したまま取得可能です。これにより、エネルギー分布解析や飛跡解析など用途に応じたデータ処理に接続できます。検出から解析までを見据えた拡張性のあるアーキテクチャを採用しています。

PRESENTATION

共同研究仮説

製造・医療の現場課題を解く放射線イメージング装置の開発

共同研究仮説01

インライン異物・欠陥検査

高精細X線で微小異物を即時検出

SOIピクセル検出器で微小異物・欠陥を低線量・高速に可視化。企業の実サンプルやライン条件でPoC評価を行い、検出精度と検査時間の両立を図ります。

共同研究仮説02

生検試料の高精細CT

微小石灰化を高コントラスト化

マンモトーム生検試料を高精細に撮像し、微小石灰化や構造差を明瞭化。医療機器企業と撮像条件・線量・再現性を検証し、診断に活用できる画質・撮像条件を明確化します。

共同研究仮説03

インフラ保全(レール点検)

レールの表面欠陥を高精細検出

レール・継目・溶接部の微小クラックや欠陥を高精細に可視化。鉄道・検査機器企業と実材でPoC評価を行い、検出限界と検査時間のバランスを検証します。

LABORATORY

研究設備

デモ・計測評価が可能な研究設備

LABORATORY 01

INTPIX4NAデモ機

INTPIX4NAデモ機を保有。10GbE出力に対応し、Thunderbolt 4搭載の一般的なノートPC上で動作可能です。17µm角・832×512画素のセンサーを搭載し、300Hz以上で撮像可能。基礎評価から応用検証まで実施できます。

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LABORATORY 02

電気計測・駆動環境

オシロスコープ、LCRメータ、パルスジェネレータ、HV/LV電源により、バイアス印加と信号波形の確認、容量・インピーダンス測定などの電気特性評価が可能です。

LABORATORY 03

試料観察・位置合わせ

ズーム式双眼実体顕微鏡を用いて、センサー実装部の観察や試料の位置合わせ、配線・コネクタ部の外観確認を行い、評価作業の再現性を高めます。

RESEARCHER

研究者

三井真吾 滋賀大学 データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター 講師
経歴

放射線イメージセンサー「SOIピクセル検出器」の開発から、取得データの品質管理・統計解析・機械学習による定量評価までを一貫して推進してきました。
汎用SOIピクセル検出器の応用展開と、電子線・陽子線などの各種放射線に対する解析フロー整備を担いました。X線残留応力測定装置では測定時間1秒以下を達成、インライン全数検査やインフラのその場測定を視野に入れています。金属材料の異常検知・転がり疲労の定量評価、レールの異常検知にも取り組み、現場データに基づく評価指標づくりと実装を進めています。これらの研究開発により、笹川科学研究奨励賞を受賞しています。

研究者からのメッセージ

現場の『見えない』を、“見える・分かる”へ

現場には、外からは分からない「見えない」課題が数多くあります。微小な欠陥や異物、内部構造の変化、材料状態の違い――それらを早く確実に捉えられれば、品質保証や保全、医療の判断は大きく前進します。私は放射線イメージセンサーを核に、この「見えない」を可視化する技術を、ニーズ起点で社会実装へつなげたいと考えています。
大学で長年培われてきた先端技術は、性能は高い一方で「高価」「使いこなしが難しい」といった理由から普及が進まないことがあります。そこで、まずは企業様の課題と対象(何を見たいか、必要な性能・コストはどこか)から出発し、PoCで“本当に効く条件”を短期間で見極めます。その結果を踏まえ、企業様の設計・製造・実装の力と組み合わせて仕様を具体化し、新規センサーや組み込み製品の共同開発へ発展させたいです。
最終的には、撮像データをAIで解析し、異常検知や自動診断、意思決定補助まで含めたソリューションとして提供することを目指しています。センサーで「見える化」を行い、解析で「判断に使える情報」へ変換することで、省力化、生産性向上、高品質化に貢献します。