2023年度公募 seeds-4794 - 【近畿】 アナログ動作するスピン素子を用いてアナログICの省エネ・小型化を実現
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

従来技術では利用不可能だった部品へのアナログIC搭載を実現し,真のIOT社会の実現を目指します。

広汎なシチュエーションでアナログICを活用し、コンピュータの目、耳、鼻、肌とします。

アナログICの用途は多岐に渡り市場規模も年々増加しております。実在社会では熱、光、音、硬さ、匂いなど様々な情報がありますがこれらは全てアナログ値です。このような情報をコンピューターで処理する際には必ずアナログICが必要となるため、IOT社会の発展とともにアナログICの重要性は益々高まると予想されます。我々は、十分な電力が確保できない、十分なスペースが確保できない、過酷な環境でアナログICの動作が安定しないなどの理由により、既存のアナログICでは使用が厳しかった場面でも、アナログICを利用できる技術の確立を目指します。

USE CASE

最終用途例

次世代無線通信技術、超小型物理センサー技術への貢献を目指します

USE CASE 01次世代無線通信技術では省電力化、物理センサーでは限られた電力。過酷環境下での動作安定化を実現します。

APPLICATION

APPLICATION

次世代高速無線通信、超省電力ADコンバータ、コンパレータ等

次世代高速無線通信技術(6G)で懸念される消費電力の増大を解決します。また物理センサーでは限られたスペース・電力でのADコンバータ、コンパレータ等のアナログICの安定動作を実現します。

STRENGTHS

強み

不揮発性、高速制御性、小型化に優れるスピン素子(トンネル磁気抵抗素子)は超小型な可変抵抗素子です。

STRENGTHS 01

製品出荷後も回路を動的に補正することが可能です。

既存のアナログICは製造時に回路の補正を行っていました。本手法は低生産性、高コストであるほか、使用時の環境変化には非対応です。スピン素子を用いて動的に補正を行えば大量生産、環境変化に強いアナログICを製造可能です。補正された状態は半永久的に保存でき、再補正も超高速に実施できます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

抵抗をアナログ的に制御する方法を複数確立

TECHNOLOGY 01

特殊形状の強磁性体のスピントルク法で高速性と制御性を実現。

磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)用途などでは、スピン素子(トンネル磁気抵抗素子)を高抵抗と低抵抗の2値で用いてきました。このようなスピン素子の抵抗値をアナログ的に変調するには特殊な強磁性体の形成が必要となります。我々は複数の方法で抵抗値をアナログ的に変調する技術の確立に成功しました。今後は設定したアナログ値の安定性の向上や高速制御技術の開発を進め、さらには実際のアナログICへの搭載、動作性能評価を行っていく予定です。

PRESENTATION

共同研究仮説

IC自体の共同開発や、実際にアナログスピン素子を用いたアナログICを使いたい企業との共同研究を希望

共同研究仮説01

アナログIC上にアナログスピン素子を搭載し、動作評価を行う。

アナログICの共同製作、用途探索、要求性能の共同検討を希望

アナログICを製造している企業の場合には実際にアナログスピン素子の製造を共同で行い、その特性評価を行っていきたいと考えております。アナログICを製造されていない企業の場合には本技術の用途探索、実際の商品への搭載を検討し、要求性能の検討を行いたいと思います。

RESEARCHER

研究者

安藤 裕一郎 京都大学 大学院工学研究科 電子工学専攻・准教授
経歴

電子の中に存在する小さな磁石(スピン)を用いて半導体デバイスを高機能化する研究を進めています。磁性体・半導体という異種材料の融合に関する経験を有しております。これまでにシリコンスピントランジスタの室温実証や、シリコン中に存在するスピンを用いた論理演算素子の動作実証等を実現いたしました。
本シーズ技術ではスピンを用いた磁化制御技術の部分を担当しており、スピン素子(トンネル磁気抵抗素子)を作製する先生、およびアナログ回路設計の先生と共同で研究・開発を進めて参ります。

研究者からのメッセージ

HDDのヘッド、MRAMに続く新しいイノベーションをアナログスピン素子で起こしたいと考えております。

スピン素子(トンネル磁気抵抗素子)はハードディスクドライブ(HDD)の読み取りヘッドで実用化されました。現在は、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)として、2つめの大きな潮流を生みだそうとしております。当該素子の可能性はまだまだあります。アナログICは現代社会になくてはならない存在ですが、アナログ値を取り扱うからこそ、動作安定性、電力、集積性などに多くの課題があります。スピン素子がその課題の解決の鍵となると信じ、アナログIC用のスピン素子の作製に取り組んでおります。ぜひ、このようなアナログICを使用されたい企業の方、アナログICを開発されている企業の方からのお声掛けをおまちしております。