2022年度公募 seeds-2659 - 【関東】 ねじりを利用した岩石角柱供試体の単純せん断試験方法の開発
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VISION

ビジョン

地震時の非常に大きい揺れに備える

非常に大きい地震への対策

土木構造物の耐震設計・補強においては、地震の「揺れ」に伴う変形の性質評価が必要です。本研究では、角柱状の岩石に対して「揺れ」に相当する変形を与えることのできる試験装置・方法を開発します。これにより、非常に大きい地震が発生した場合の岩盤の性質評価とともに、トンネルなどの岩盤構造物の耐震設計・補強への実装を目指します。

USE CASE

最終用途例

トンネルなどの岩盤構造物にも地震の備えを

USE CASE 01耐震設計に必要なデータ・岩盤の性質がわかる

APPLICATION

APPLICATION

地震時の岩の「揺れ」に応じた変形特性を得る

地震時の「揺れ」に応じた変形は「単純せん断」です。本試験では、岩の単純せん断モードの変形特性を得ることができます。

USE CASE 02その他,繰り返し「せん断」を受ける多様なケースに応用

APPLICATION

APPLICATION

道路,鉄道,洋上風力発電の岩盤基礎など

地震と同様に繰り返し「せん断」を受ける岩石の性質の評価に活用できます。車や列車などの交通荷重や、波浪の影響を受ける洋上風力発電の基礎岩盤において、岩盤の単純せん断モードの変形特性を評価できます。

STRENGTHS

強み

国内では唯一の岩の単純せん断試験法

STRENGTHS 01

地震時の岩の変形特性が明らかになる

岩の試験基準(地盤工学会)では、三軸試験など間接せん断試験の方法は充実していますが、地震時の単純せん断モードを付与できる試験はありません。この課題で開発する方法では、放射状に設置した角柱状の岩石供試体をねじりせん断することで、岩石に単純せん断モード(地震時)の変形を付与できます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

角柱状の岩石を放射状に置いてねじる

TECHNOLOGY 01

せん断力の伝達と破壊までの載荷荷重の節約

岩は土に比べて硬質なので、試験基準が充実している土の試験方法を単純には適用できません。特に、単純せん断モードの試験では載荷面に平行な荷重を作用させる必要がありますが、剛なキャップ・ペデスタルの界面がすべるので、せん断力の伝達と破壊に必要な荷重の大きさが問題になります。
これに対し開発方法では、岩の角柱供試体を放射状に溝切りしたキャップ・ペデスタルで挟み、ねじる(トルクを作用させる)ことでせん断力を確実に伝達可能です。また、断面積を低減できるので土を対象として普及している中空ねじり載荷装置を利用して破壊までの単純せん断モード(地震時)の岩の性質を取得できます。

PRESENTATION

共同研究仮説

実際の岩盤構造物における単純せん断モード物性評価

共同研究仮説01

原位置での適用性の確認

実現場での活用

現在までに、人工軟岩を用いた検討で提案方法が妥当な単純せん断モードの変形を供試体に付与できることを確認しています。原位置の岩盤サンプルを用いた検討を実施し、実現場への適用性を確認したいと考えています。道路、鉄道、洋上風力発電など単純せん断モードの岩盤物性評価を実施希望の方をお待ちしています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

富樫 陽太 埼玉大学大学院理工学研究科(助教)
経歴

■経歴
2014.3. 横浜国立大学大学院都市イノベーション学府 博士(工学)
2014.4 – 2018.2. (公財)鉄道総合技術研究所 研究員
2017.3. 技術士(建設,土質及び基礎)
2018.3. – 現在 埼玉大学大学院理工学研究科 環境科学・社会基盤部門 助教
■主な受賞歴
2016. (公社)地盤工学会 論文賞
2018. (公社)地盤工学会 研究奨励賞
2019. 文部科学大臣表彰 若手科学者賞
■Website
http://s-read.saitama-u.ac.jp/researchers/pages/researcher/eGZxiorX 

研究者からのメッセージ

岩にも単純せん断モードの試験を

岩は土に比べてとても強固なので,これまでの物性評価はやや大雑把だった節があります。一方,非常に大きな地震など予測が難しいが被害が甚大な事象や,洋上風力発電などの新しいプロジェクトにおいて,これまで設計・設定する必要のなかった岩石物性が必要となる場面が出てきています。岩の単純せん断モードの物性評価が必要な企業様をお待ちしています。