あらゆる産業用酵素も機能改良できる技術へと展開
産業用酵素の中には、生きた細胞を利用した進化分子工学スキームに適用できないものが多数存存在します。たとえば、❶生体構成分子を「分解」するプロテアーゼやリパーゼといった発現毒性のある酵素、❷還元的である細胞内では形成できないジスルフィド(S-S)結合を持つ酵素、❸細胞膜を通過しない、あるいは通過しても細胞内生理ネットワークとコンフリクトする化合物を基質とする酵素が挙げられます。本研究によって、進化工学の適応範囲をこれら難発現・難機能選抜酵素まで広げることで、多くの有用な産業用酵素の市場競争力を向上させる改良が可能になると期待されます。