2022年度公募 seeds-2360 - 【甲信】 異径混繊複合紡糸技術による新規メルトブロー不織布開発のスマート化
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VISION

ビジョン

特殊ノズルによって2種の樹脂を同時紡糸し、混繊メルトブロー不織布を低コストかつ簡便に作製可能

特殊ノズルによる2種類の樹脂混繊によって従来の単成分不織布に対する新規特性付与が可能

本研究では、MB法にて現在流通しているオレフィン系樹脂のひとつであるポリプロピレンに対して、耐熱性樹脂であるポリカーボネートを混繊させることによって不織布の低熱収縮性の向上が示されました。図に示すように熱処理前後で混繊不織布はほぼ形状が変わらず高い寸法安定性が確認されました。このように従来の単成分不織布には見られなかった新規特性を混繊によって実現することが可能です。ポリカーボネートに限らず、付与させたい特性のニーズに合わせて樹脂を変更することも可能であり、多岐にわたる特性を保持した新たな不織布の開発が期待されます。

USE CASE

最終用途例

特殊ノズルを用いることによる混繊不織布の生産ラインの1本化、および混繊による新規特性付与

USE CASE 01従来のポリプロピレン不織布にポリカーボネートを混繊することによって耐熱性の大幅な向上

APPLICATION

APPLICATION

ポリカーボネートを混繊することによる熱寸法安定性の向上

近年、リチウムイオン電池はセルからの発熱や発火といった災害のリスクも増加しています。これをPP/PC混繊不織布によってセパレータとしての機能を維持しつつ耐熱性を向上させる開発が期待できます。

STRENGTHS

強み

本学の研究環境の有意性

STRENGTHS 01

二軸メルトブロー装置および特殊ノズルの保有

本学には、二軸メルトブロー装置が設置されており、他企業などへの依頼などをせずに不織布試料の作製が可能である。またノズルも通常ノズルをはじめとする、サイドバイサイドノズル、芯鞘ノズル、同径混繊ノズル、異径混繊ノズルと混繊用のノズルも多数保有しており、研究を優位に行うことが可能であると考えている。

TECHNOLOGY

テクノロジー

溶融温度の異なる樹脂を同時に紡糸し、両樹脂が繊維化することで、互いの交絡しながら不織布を構成できる。

TECHNOLOGY 01

混繊メルトブロー不織布の1工程作製および新規特性付与

高い粘度比の2樹脂を繊維化させるには、単成分の繊維化技術と粘度差による吐出圧ギャップの解消が必要です。この課題を本学の小型混練機やキャピラリーレオメーター、単成分紡糸技術により調査し、特殊ノズルを用いることで解消することができます。

PRESENTATION

共同研究仮説

企業のニーズに合わせた研究テーマの設定が可能であり、本学の装置と企業により開発が完結

共同研究仮説01

樹脂の組み合わせを変更することで多岐にわたる新規性能の実現

科学全般を研究範囲にもつ「繊維学部」ならではの学術領域

本学に設置されている二軸メルトブローン装置を用いることで、迅速な不織布作製が可能となっています。具体的にご紹介しているのはポリカーボネートによる熱寸法安定性向上に留まりますが、今後は企業のニーズに合わせた新規特性を付与するために樹脂の検討から試料作製、評価まで本学内で完結できる仕様となっております。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

冨澤 錬 国立大学法人信州大学 繊維学部(助教)
経歴

2013~2019 ポリエステルの繊維構造形成と物性の関係性の調査
2019~2020 リチウムイオン電池の負極材の特性向上に関する研究
2020~2021 リチウムイオン電池の正極保護膜導入による安全性向上に

関する研究
2021~現在 合成繊維の紡糸・延伸・メルトブローン、X線構造解析、

高分子物理

研究者からのメッセージ

X線回折・X線CTを利用した繊維・不織布の構造-物性に関する研究

高分子材料は産業用用途に応じて必要な特性が異なります。この議論を可能にするために溶融紡糸、溶融メルトブロー技術を用いてサンプルを自作し、X線散乱・X線CT技術におよぶ幅広いスケールでの解析技術を駆使し、高分子材料の特性を発現するメカニズムを考察しています。
rtomisawa@shinshu-u.ac.jp