様々な廃棄バイオマスを「そのまま処理できる」、革新的な廃棄物バイオリファイナリー技術のモデル系を構築する
世界では年間1000億トンの廃棄バイオマスが発生していますが、その多くは適切に処分されておらず、深刻な環境汚染の原因となっています。もし、これらの廃棄バイオマスを有用物質にバイオ変換することができれば、廃棄バイオマスは「廃棄物」ではなく、有望な「再生可能資源」となり、環境汚染も防ぐことができます。しかし、これら廃棄バイオマスの多くは、一般的に工業利用されている微生物では分解することが困難であったり、前処理や糖化などの高コストのプロセスを必要とするなどの課題が現在も解決できていません。バイオマスからの有用物質生産を実現するためには、生産菌の性能だけでなく、原材料やプロセスコストの削減が重要となります。本研究開発では、廃棄バイオマスを前処理や糖化などの高コストのプロセスを必要とせずに嫌気分解することができる海洋性菌叢(共生系を有する様々な微生物の集合体)から、物質生産に最適化・安定化した微生物共生システム【合成菌叢】を人工的に構築することで、原材料やプロセスコストを大幅に削減した、革新的な廃棄物バイオリファイナリー技術の構築を目指しています。