膜タンパクに対する新たな抗体製品を開発し、基礎研究の発展と抗体医薬の創生に寄与する。
本技術は、これまでに製造することができなかった膜タンパクに対する抗体(ポリクローナル抗体・モノクローナル抗体)を取得可能な新規免疫技術であり、本技術を共同研究先企業で活用(技術移転)あるいは本免疫技術で作製した抗体を販売することで、膜タンパクに対する新たな抗体を活用した抗体試薬・抗体診断薬・抗体医薬品の開発・販売が可能になる。
基礎研究において、特定の細胞を認識する抗体製品の需要は極めて高く、例えばフローサイトメトリーにおいては、蛍光色素を修飾した抗体をプローブとして特定の細胞を標識し、その細胞群の存在割合を解析するが、標識抗体として用いるのはほとんどが膜タンパクに対する抗体製品である。特に、ニッチな細胞集団はある特定の膜タンパクの発現が上昇していることが多く、特定の膜タンパクを高感度かつ特異的に検出できる抗体は、がん領域や免疫領域の研究を加速的に発展させることが期待できる。また、既存の抗体医薬は膜タンパクあるいは液性のサイトカインを治療標的としており、膜タンパクに対する特異性の高い抗体は、治療標的性を高め、予期せぬ副反応の発現を抑えることが可能となる。