2021年度公募 seeds-2031 - 【中国】 前処理・添加剤・接着剤フリー!プラスチックフィルム向けレーザ接着装置の開発
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VISION

ビジョン

樹脂接着における矛盾を解決!
前処理・添加剤・接着剤フリーな樹脂フィルム接着技術

金属代替の後押しとなるか?スーパーエンプラ接着

接着技術は、モノとモノをつなぎ合わせる手法であり、精密機器から家電、大型機械まで様々な対象に利用されています。特に近年では、様々な業界において金属部品の樹脂化と合わせて、軽量化に利用されてきました。また、高強度・高耐性を有するスーパーエンジニアリングプラスチックの利用も軽量化を後押ししていると言えます。
一方で、高強度・高耐性を有する樹脂ほど接着が困難であり、質量の増加・耐性の低下を招く接着剤の利用や、性能低下を生じる添加剤による素材の可溶着化、工程の増加・管理が複雑となる特殊な前処理の導入が行われています。すなわち、「どこにでも使える優れた樹脂ほど応用方法・範囲が限定される」という矛盾を抱えていました。
そこで本研究では、本研究室の固有技術である、高強度樹脂フィルムを対象とした「前処理・添加剤・接着剤フリー」なレーザ接着技術を発展させ、この矛盾の解決を目指します。

市販ポリイミドフィルムの接着に成功。様々なスーパーエンプラに展開

明確なメカニズム明らかになっていませんが、溶着困難とされてきたポリイミドフィルム同士の前処理・添加剤・接着剤フリー接着に成功しています。今後、ポリイミド以外の様々なスーパーエンジニアリングプラスチックや生分解性/バイオマスプラスチックなど、使いにくいが特性の優れる樹脂に対して接着テストを進め、応用先を拡大します。
また安価かつ操作が容易な構成で接着を実現できたことから、可搬プロトタイプを製作し、様々な企業・業種の方に試用いただける環境を構築したいと思っています。

USE CASE

最終用途例

接着が変わると何が変わる?幅広い分野・業種での利用を期待

USE CASE 01金属部品の樹脂化と接着利用を促進

APPLICATION

APPLICATION

電気自動車、船舶、航空機など、車体の軽量化が進みます。

金属代替と接着の利用による車体の軽量化が進むことによって、CO2削減や燃費性能の向上、航続距離の延長など、省エネ効果が期待できます。

USE CASE 02人工衛星、惑星探査機など極限環境用デバイスへの応用

APPLICATION

APPLICATION

特殊樹脂の接着で、より軽く、より機能的な極限環境用装置が実現されます。

今後、発展が見込まれる宇宙産業において、可搬質量が小さくコンパクトかつ高性能な宇宙機が求められます。それに合わせて、宇宙や極限環境に対応した特殊樹脂の利用が拡大することが予想されます。

USE CASE 03身の回りのフィルムを環境に優しく

APPLICATION

APPLICATION

生分解性プラスチック同士の接着に期待しています。

今後、本接着技術によって、生分解性プラスチックやバイオマスプラスチックの接着を実現できれば、技術導入の容易さから環境に優しいプラスチックの利用拡大が期待できます。

STRENGTHS

強み

超手軽に超多品種への接着を期待=適用範囲が未知数

STRENGTHS 01

前処理・添加剤・接着剤フリーな接着です。

従来の高強度・高耐性を有する樹脂に関する溶着では当たり前となっていた、接着剤の利用、可溶着化、プラズマ照射等の前処理なくフィルムを接着可能です。

STRENGTHS 02

使いづらいが優れた樹脂の利用を拡大します。

従来、溶着困難とされてきたポリイミドフィルムの接着に成功しています。ここから、ポリイミドと比較して接着・溶着が容易な多種樹脂フィルムへの展開が期待できます。

STRENGTHS 03

フィルムの持つ特性を最大限活かせます。

接着剤や添加剤なしで接着できることから、完成した部品は素材の特性を十分に活かすことができます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

接着原理の解明と社会実装を並走中

TECHNOLOGY 01

フィルムの種類を選ばないレーザ接着

フィルム表面で吸収されるレーザ光と真空層による高い断熱効果を組み合わせたフィルム接着技術です。安価なレーザ光源を利用し、吸収剤の塗布が不要、かつ透明フィルム以外にも適用可能な接着手法です。また切断も同装置で可能なため、一台で何度も美味しい技術です。

TECHNOLOGY 02

専門家じゃないからこそ見つけた接着技術

これまでに接着され高い強度を持つことは確認しましたが、その接着原理が解明されていません。一方で、解明されるまで待つには惜しい利点が多いです。そのため社会実装を並行して進めています。

PRESENTATION

共同研究仮説

接着原理の解明、接着装置の実用化、接着テスト.3つの共同研究.

共同研究仮説01

「これ着く?」:お試しをお待ちしています。

本接着原理が適用できる材料の範囲を探りたいですが、一大学では限界があります。また産業界で求められているニーズについても情報が不足しています。産業界で今使われている材料、これから使っていきたい材料など、接着にトライしたい企業を募集しています。

共同研究仮説02

「プロトタイプ製作」を一緒に行いたい。

本事業では、レーザ溶着装置のプロトタイプを製作します。一方で、エンジニアリング視点が弱く、装置開発のノウハウが不足し、装置開発には限界があります。加工機をはじめ、ものづくりを得意とする企業を募集しています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

山口 大介 岡山大学 学術研究院自然科学学域
経歴

2014年3月 岡山大学大学院自然科学研究科 修了,博士(工学)取得

2014年4月 埼玉大学 大学院理工学研究科 助教

2020年4月 岡山大学 大学院自然科学研究科 助教

2021年4月 岡山大学 学術研究院自然科学学域 助教(改組による配置換)

(研究室HP) http://www.act.sys.okayama-u.ac.jp/

(researchmap) https://researchmap.jp/DaisukeYamaguchi

研究者からのメッセージ

実用化へ、原理解明へ、応用へ。様々な企業を募集しています。

本接着技術は、「何に使えるのか」、「どうして着くのか」もわからない駆け出しの技術です。そのため、様々な分野の協力企業を募集しています。まずはお気軽にお問い合わせください。研究開発をご一緒できる事を楽しみにしています。