2021年度公募 seeds-1980 - 【関東】 中赤外放射制御メタ表面の構築
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VISION

ビジョン

分子検出に適した中赤外狭帯域光源の開発

量子カスケードレーザーや発光ダイオードを凌ぐ狭帯域熱放射中赤外光源を開発

本研究では、分子と光ナノ材料との結合を利用して、分子吸収を大幅に増強する。これにより、Kirchhoffの放射の法則に基づいて、熱放射強度を増強することで、分子由来の超狭帯域放射を実現することを目指す。
これまで中赤外の光源では、放射光源、中咳がLED,、量子カスケードレーザーなどの技術が確立されてきた。放射光源は大出力が得られるが、黒体放射則により、非常に広帯域の放射をバンドパスフィルターなどの高価な光学部品で取り出すことが必要であった。またLEDは量子効率が低く十分な輝度が得にくい。量子カスケードレーザーは高価で消費電力に難がある。これらの既存光源の持つ課題を解決できるような新たな赤外光源を実現することを目指す。本研究では、金属-誘電体-金属ナノ構造からなるメタ表面と呼ばれる新しい材料で、分子振動を増強することで分子由来の放射ができるデバイスを作る。これにより、分子振動計測には必要十分な光源を実現することができる。使う誘電体を制御することにより、所望の波長に十分な輝度を持つオンデマンド光源を目指す。

USE CASE

最終用途例

中赤外センサーは、分子固有の振動数を検知し、対称二原子分子と単原子以外の全ての分子を検出できる革新的センサーが実現できます

USE CASE 01中赤外での分子センサーに最適な光源を提供します

APPLICATION

APPLICATION

オンデマンド光源の実現により、波長を自在に制御して、任意の分子検出に対応した光源を実現します

VOC検出による環境モニタリング、呼気分析などの医療応用に適応できるセンサー光源として利用できます。

STRENGTHS

強み

分子の振動吸収に特化した波長で、
自在に放射波長を制御した光源を実現します

STRENGTHS 01

高価な光学部品を削減し、簡便かつ大出力の光源を目指します。

分子検出のため、波長の単色化など高価な光学部品を使う必要があります。
本メタ表面デバイスを使えば、そのような部品を一切使わずに、これまでのLEDよりも狭帯域、高輝度の光源を実現できることが強みです。

TECHNOLOGY

テクノロジー

半導体微細加工技術による大面積高精細構造作製技術

TECHNOLOGY 01

ナノからマイクロに適したプロセスで、ウェハースケールの大面積構造を実現します。

中赤外のプラズモニクス・メタ表面材料は、サブミクロンからマイクロメートルサイズの構造で出来ています。密着露光やi線ステッパによる縮小露光など、容易に大面積化ができる技術で、将来的な産業応用にも適したプロセスが使えます。

PRESENTATION

共同研究仮説

中赤外の光科学技術を共に開拓しませんか?

共同研究仮説01

中赤外の分野は今世界でもホットな話題です

中赤外分光技術は、科学分野にとって歴史のある学問分野で、今日では学生実験や学部教育でも必須の科目です。その一方で、ナノフォトニクスの発展に伴って、再度新たな光デバイスの構築などが注目されている分野でもあります。中赤外プラズモニクス・メタ表面技術で、世界に先駆けていち早く研究を展開してきた私の研究グループと、共同研究を通して、新たな光技術を開拓しませんか?

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

西島 喜明 横浜国立大学
経歴

2004年3月 北海道大学理学部化学科卒業 学士(理学)(北海道大学)
2006年3月 北海道大学大学院理学研究科化学専攻修士課程修了 修士(理学)(北海道大学)
2009年3月 北海道大学大学院情報科学研究科生命人間情報科学専攻博士課程修了
博士(情報科学)(北海道大学) 取得
2008年4月~2009年3月日本学術振興会特別研究員(DC2)
2009年4月~2010年3月日本学術振興会特別研究員(PD)
2010年4月~2011年3月北海道大学電子科学研究所博士研究員
2011年4月~2013年3月横浜国立大学助教(テニュアトラック)
2013年4月~2014年12月横浜国立大学准教授(テニュアトラック)
2015年1月~現在まで 横浜国立大学 准教授
文部科学大臣表彰若手科学者賞(2021年)
日本分析化学会奨励賞(2020年)
田中貴金属記念財団萌芽賞(2020年)
田中貴金属記念財団奨励賞(2021年、2022年)

研究者からのメッセージ

中赤外プラズモニクス技術を基に、世界を変える光技術を実現したい

学部・修士課程には光化学・分析化学、博士課程には、プラズモニクスをはじめとしたナノフォトニクス技術を開発してきました。新たな光科学現象に精通した理学的センスと、社会実装を目指すための工学的センスを併せ持つことが私自身の強みです。
是非共同研究を通して、新たな光技術を世に出しましょう!