2021年度公募 seeds-1975 - 【東海】 国際海運の低炭素化のための最適な船底防汚塗料の選定技術
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VISION

ビジョン

船底防汚塗料のテーラーメイド選定による国際海運の低炭素化

最適な防汚塗料の選定による燃費向上を目指して

人類による石油の大量消費は、大気中の二酸化炭素濃度上昇と地球温暖化を引き起こし、人類社会の存続を脅かす大きなリスクです。国際海運から排出される二酸化炭素は、世界全体から排出される二酸化炭素の総排出量の約2%を占め、今後さらに増大すると予測されています。近年では、国際海事機関(IMO)による大型外航船の二酸化炭素排出規制が始まるなど、国際海運の低炭素化に対する政治的な要請が大きくなっています。
船舶の船底へのフジツボや藻類等の生物付着は、船舶の燃費の低下させる主要因として知られています。生物付着を防ぐため、様々な船底塗料がメーカー各社から発売され、その市場規模は国内外を含めると約1100億円と推定されています。防汚塗料の効果は、船舶の運行状況や航路に応じて大きく異なりますが、市場に存在する様々な船底塗料の中から、顧客の船舶にどの塗料が最も適しているのかを高精度かつ短期間に判定するサービスはこれまでありませんでした。我々は、次世代シークエンサーを用いたDNA分析法を用いて、個々の船舶に最適な防汚塗料を選定するサービスを提供します。

USE CASE

最終用途例

外航船舶を保有する業種における防汚塗料の最適化

USE CASE 01燃費低減による大きな経済効果

APPLICATION

APPLICATION

商船会社や漁業組合等への展開が期待できる

本研究によって生まれた技術を用いて最適な塗料を選定することで、商船会社や漁業組合など、外航船舶を保有する業種が船舶の燃費向上とそれに伴う経済効果を享受することが期待できる。

STRENGTHS

強み

経験と勘に頼らない科学的なエビデンスに基づく防汚性評価

STRENGTHS 01

多様性指数を指標に防汚性を評価

目視観察や顕微鏡観察といった手法による塗料の防汚性の評価法は定量性に限界がありました。そのため、塗料の選定は、多くの場合、経験や勘に頼って行われていました。本研究では、生物付着の多様性指数という定量性に優れる指標を用いて、塗料の防汚性を定量的に評価します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

DNA分析に基づく塗料の防汚性評価法

TECHNOLOGY 01

次世代シークエンサーを利用した高精度なDNA分析を用いて

次世代シークエンサーを用いて数千万分子のDNA分子を解析することで、環境中に含まれる生物の「種類」と「組成」を高精度で明らかにします。この手法を用いて、塗料表面の生物付着の組成を分析することで、船底塗料の防汚性を評価することが可能となります。

PRESENTATION

共同研究仮説

船舶の防汚塗料の判定サービスを使ってみませんか?

共同研究仮説01

DNA分析による防汚塗料の選定技術

私達の技術を使えば、市場に存在する船底塗料の中から、あなたの船舶にどの塗料が最も適しているのかを高精度かつ短期間に判定できます。これにより、船舶の燃費向上による二酸化炭素排出量の削減や、船舶の清掃やメンテナンスに関するコストの削減など、大きな経済効果を与えることが期待できます。

RESEARCHER

研究者

広瀬 侑 国立大学法人 豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 応用化学・生命工学系
経歴

2006年 北海道大学 農学部 生物機能化学科 卒業

2008年 東京大学 大学院総合文化研究科 広域化学専攻 修士課程修了

2011年 東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻 博士課程修了

2011年 日本学術振興会特別研究員PD

2011年 豊橋技術科学大学 エレクトロニクス先端融合研究所 特任助教

2013年 豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 環境・生命工学系 助教

2019年 同 応用化学・生命工学系 助教

2022年 同 応用化学・生命工学系 准教授 現在に至る

研究者からのメッセージ

環境中の生物の多様な生存戦略を理解することで、世の中を変える技術を開発したい

光合成生物を中心に、環境中に存在する多様な生物の生存戦略を理解するための基礎研究を行っています。屋外環境における様々な生命現象を分子レベルで理解することで、世の中を変える可能性を持つ独自の技術を開発したいと考えています。