機能性分子としての第4級アンモニウム塩にスポットライトを当てる
これまで有機化学研究の多くは中性分子に注がれてきた。その一方、取り扱いの難しさからイオン性分子の活用は遅れてきた。本研究では第4級アンモニウム塩にスポットライトを当て、触媒化学のエッセンスを取り込み、次世代機能性アンモニウム塩の創出に向けて、研究を行う。
すでに我々の分子の機能調査を始めており、今までにない生物活性などが見つかっている。しかし、アンモニウム塩の応用先は生物応用にとどまらない。イオン性を活かした新たな素材としての活用も期待される。
本研究の特色は、アンモニウム塩の合成研究という基礎研究に立脚した内容でありながら、多種多様な構造を有するアンモニウム塩を提供し、望む機能を発現すべく、分子合成を達成する点にある。特に合成手法開発が強みであり、シード分子が見つかった際には最速で構造活性相関など次のステージの研究に展開できる。ヒットした後にこそ真価を発揮する分子ライブラリーを提供し、研究を行える点が強みである。