生産現場に応用できる、鮮度の高いセンシング
農作物の生産現場では、インプットである栽培環境のモニタリングや制御技術が発達している一方で、アウトプットである植物のバイタルサインのモニタリングや評価技術が未発達であるために、植物の生育状態を環境制御にフィードバックするような栽培管理の高度な自動化が実現できていません。
植物の外観から病害を検出したり収量を予想したりする技術が開発されています。一方で、植物の外観からは環境に応じてダイナミックに変化する植物体内の生理情報を取得できません。また、軽度なストレスだと、外観に影響が現れるまでにタイムラグがあります。こうしたことから、画像計測のみでは緻密な栽培管理が難しい現状があります。
施設園芸や植物工場においても、作物の栽培環境や生育は不均一です。また、作物の生育段階によって環境応答は異なります。そこで、作物の生育に合わせた栽培環境の最適化やストレス処理による高付加価値化(果実の糖度向上など)を実現するには、植物の環境応答を高時空間分解能でセンシングする必要があります。
私は、植物の環境応答をリアルタイムで計測できる小型・低消費電力・低コストのセンシング技術を開発しています。