2021年度公募 seeds-1837 - 【九州】 安全運転支援と歩道地図作成の両方を実現するモビリティ搭載モジュールの開発
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VISION

ビジョン

モビリティ運転者に危険・不安となる事象を検出して知らせるセンシング技術を開発し,安全安心な社会に貢献したい

モビリティに搭載するためのコンピュータビジョン技術に基づいたセンシング

日本では高齢化が進んでおり,2030年には約3割が高齢者となる社会に突入することが推計されています。また,近年の乗用車による危険運転を背景として,運転免許証の自主返納の動きが広がっています。免許返納後,地方では公共交通網が脆弱であるために生活機能維持が難しくなっています。そのため,後期高齢者を始めとした買い物弱者の自立的移動のためのモビリティ確保に向けた対策が求められています。

私は,電動車いすの利用において,運転時に危険・不安となる事象をあらかじめ検出し,それらを運転者に知らせる安全運転支援機能と,危険・不安事象を反映させた自動歩道地図作成機能を,コンピュータビジョン技術に基づいて実現しようと開発に取り組んでいます。

安全運転支援と歩道地図作成の両方を実現するセンシング技術の開発を目指して

現在,自動車の安全運転支援技術は広く普及しています。しかし,歩道等を走行するモビリティを対象とした支援技術は十分ではありません。また,歩道等は,運転に支障のある凹凸や損傷などが多岐に亘るため,それぞれの環境に対応する必要があります

私は,カメラを複数台設置し,得られた画像に対して走行領域を設定した後,自己教師あり学習を応用することにより,安全運転支援技術の開発を行っています。一方,走行領域に特徴点検出処理を施し,SLAM処理を行うことにより,安定した歩道地図作成に取り組んでいます。

USE CASE

最終用途例

コンピュータビジョン技術に基づいたセンシングは,安全運転支援分野や,歩道地図作成分野など,さまざまな用途で活用

USE CASE 01歩道等の路面状況を把握し,事故防止支援を実現

APPLICATION

APPLICATION

安全運転支援のためのソフトウェアコンポーネント

歩道,道路の傾斜,凹凸や損傷,植栽(木)の根による盛り上がり,車道と歩道間の段差など,インフラ構造物に対して運転時に不安が生じるという報告があります。これらを計測できるようになれば,モビリティの事故防止に期待が集まります。

USE CASE 02歩道劣化状況を地図で把握し,補修判断や支援を実現

APPLICATION

APPLICATION

歩道地図作成のためのソフトウェアコンポーネント

障害情報を反映させた歩道地図は,歩道舗装のための劣化調査の自動計測や数値化,補修判断の数値化に役立てることができます。この技術が実現すれば,危険箇所の効果的なインフラ整備に期待が高まります。

STRENGTHS

強み

歩道の損傷検知やドライバへの警告レベルの区分等の情報を高齢者やインフラ整備者が活用
→安心安全な街づくりの実現

STRENGTHS 01

それぞれの適用環境で,事前にクラスにない障害物や移動物等が出現した場合,新たなクラスとして分類し,計測精度を向上させる

自己教師ありCNNに注目し,事前にクラスにない障害物や移動物等が出現した場合,新たなクラスとして分類できること,また,それぞれの適用環境に応じて計測精度が向上できることが分かってきました。

STRENGTHS 02

それぞれの適用環境で,テクスチャ情報が不足している場合やオクルージョンが出現している場合,地図作成精度を向上させる

コンピュータビジョンによるSLAM技術では,テクスチャ情報の不足やオクルージョンの発生により,地図作成精度が悪化する課題があります。そこで,マルチカメラもしくはマルチレンズカメラに着目し,複数情報を統合することにより作成精度が向上できることが分かってきました。

TECHNOLOGY

テクノロジー

安全運転支援機能と歩道地図作成機能を融合することにより得られた革新的センシング技術

TECHNOLOGY 01

適用環境に応じた計測精度向上

学習済のCNNモデルと,教師なしCNNにより学習したモデルを組み合わせることで,利用環境に応じて計測精度を向上させる技術です。学習済CNNとしてMobileNet,教師なしCNNとしてDeepClusterを利用することにより,本技術の有効性について確認しています。

TECHNOLOGY 02

トラッキングスレッド改良によるトラッキングロスト改善

等速運動モデルからRANSAC+GP3Pを用いた初期姿勢推定処理へ,現フレームと前フレームの特徴量マッチングからローカルマップ全体によるマッチング処理へ,それぞれ改良することにより,歩道地図作成精度を向上させる技術です。従来手法と比較して,絶対並進誤差,相対姿勢誤差,トラッキングロストを改善し,有効性について確認しています。

PRESENTATION

共同研究仮説

モビリティ搭載用のセンシング技術を活用した新製品を共に創りませんか

共同研究仮説01

安全運転支援機能,歩道地図作成機能を搭載した新モジュール

上記機能の活用や応用を共に考え,ソフトウェアコンポーネントを搭載したコントローラを一体化したモジュール製品を開発し,社会に貢献したいと考えています。電動車いすや小型モビリティの世界的な市場規模は,今後増大すると思われます。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

松島宏典 独立行政法人国立高等専門学校機構 久留米工業高等専門学校 制御情報工学科
経歴

経歴

2002年 4月 沖電気工業株式会社入社

2005年 4月 八代工業高等専門学校 助手

2006年 10月 熊本県立技術短期大学校 非常勤講師

2007年 4月 八代工業高等専門学校 助教

2007年 10月 久留米工業高等専門学校 助教

2008年 7月 カナダマクマスタ大学 客員研究員

2012年 4月 久留米工業高等専門学校 准教授

リサーチマップ

https://researchmap.jp/read0125756

研究者からのメッセージ

様々なセンシング技術を生み出し,モビリティに応用することにより,安全安心な道路交通社会を実現したい!

高度道路交通システムの分野において,コンピュータビジョン,パターン認識,画像処理を応用することにより,様々な研究を行ってきました。これからの世の中に役立つ技術についての研究開発をご一緒に出来れば幸いです。