2021年度公募 seeds-1762 - 【北陸】 カーボンニュートラルに向けた低温作動を可能にする固体酸化物形燃料電池の開発
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VISION

ビジョン

カーボンニュートラルに向けた低温作動を可能にする固体酸化物形燃料電池の開発

ピロリン酸塩化合物を用いた高効率固体電解質膜の開発

燃料電池は、水の電気分解の原理を利用し、水素と酸素を化学反応させることで、水と電気(エネルギー)を発生する装置である。CO2などの有害な排出物が無く、環境にやさしいエネルギーであり、非常に高い発電効率を示します。特に、固体酸化物形(Solid Oxide Fuel Cell, SOFC)の発電効率は60%と現在主流である固体高分子形(Polymer Electrolyte Fuel Cell, PEFC)よりも高く、貴金属触媒を必要としないという利点を持つ。一方で作動温度(700~1000℃)が高く、それによる起動性の悪さや高価な耐熱性材料を用いることによるデバイス価格の上昇という問題がある。そのため、より低い温度で高い発電効率で作動するSOFCの開発が求められており、特に150℃以下で作動するSOFCが実現されれば、カーボンニュートラルの実現に向け、画期的なブレークスルー技術となると言われている。本研究では、新たな電解質材料の創成と薄膜化について挑戦することで、150℃以下での高効率発電を実現する燃料電池を開発する。

USE CASE

最終用途例

素材の力によるカーボンニュートラルの実現

USE CASE 01低温作動・高効率性能を有する次世代の燃料電池自動車(FCV)の開発

APPLICATION

APPLICATION

Pt系触媒不要、無加湿装置、150℃以下の低温域で作動可能な固体酸化物燃料電池(SOFC)

現在主流のナフィオン電解質を活用した燃料電池自動車(FCV)に代わる、低温作動・高効率性能を有する固体酸化物形燃料電池(SOFC)を用いたFCVへの応用。特に、輸送車両となるトラック・バスやフォークリフト等への搭載を検討しています。

STRENGTHS

強み

新たな固体酸化物電解質材料の創成

STRENGTHS 01

固体酸化物形燃料電池の問題点である作動温度を下げることができる電解質膜の合成技術

一般的な固体酸化物電解質は作動温度が700~1000℃と高温であり、電池にした際、始動までに時間がかかる問題点などがある。本研究では、100~200℃近傍で従来の固体酸化物電解質と同等の伝導率を有する材料開発に成功してきている。

TECHNOLOGY

テクノロジー

無機セラミックスの結晶構造制御の技術

TECHNOLOGY 01

元素置換法によるピロリン酸塩化合物の伝導率の向上

ピロリン酸塩電解質材料に対して元素共置換法(結晶構造制御)を利用することで、100~200℃における伝導率の向上と化学的安定性の改善に成功してきています。

PRESENTATION

共同研究仮説

低温作動可能な新たな固体酸化物形燃料電池を活用した新製品・アプリケーションを共に創りませんか

共同研究仮説01

次世代のクリーンエネルギーを支えるアプリケーション

本研究の固体電解質膜を使用した、輸送用車両の搭載に向けた燃料電池の開発およびそれに向けたスタックの製作、性能評価、実験・解析、モジュール試作などの共同研究を希望しております。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

高橋 奨 独立行政法人 国立高等専門学校機構 福井工業高等専門学校
経歴

2013年4月~2015年3月 名城大学 理工学部 特任助手

2014年4月~2017年3月 名城大学大学院 理工学研究科 機械工学専攻 博士後期課程修了 博士(工学) 

2016年4月~2018年3月 日本学術振興会 特別研究員(DC2)

2018年5月~2020年3月 国立研究開発法人産業技術総合研究所 産総研特別研究員

2020年4月~現在      福井工業高等専門学校 機械工学科 助教

【受賞歴】

2014年6月 The 8th International Conference on Microwave Materials and Their Applications 2014 (MMA2014) Best Poster Presentation Award 

2016年6月 The 9th International Conference on Microwave Materials and Their Applications 2016 (MMA2016) Best Poster Presentation Award