2021年度公募 seeds-1756 - 【近畿】 ナノシート積層型有機溶剤ナノろ過膜の開発による省エネルギー溶剤回収
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VISION

ビジョン

蒸留法に替わる、省エネルギー有機溶剤回収プロセスへの挑戦

高い透過性を有する有機溶剤ナノろ過膜の開発

化学品製造プロセスにおける有機溶剤等の分離・濃縮において、膜分離法は相変化を伴わない分離法であり、蒸留法と比べて大幅な省エネルギー化が可能です。しかしながら、市販の有機溶剤ナノろ過(organic solvent nanofiltration: OSN)膜は溶剤透過性が不十分であり、そのため現状では普及が進んでいないのが現状です。

二次元ナノ材料が規則的に配列した「ナノシート積層型超薄膜」による高透過性分離

ナノシート積層膜は、吸引ろ過等の簡易な作製法によりナノメートルオーダーの超薄膜形成が可能であり、高透過性やナノシート層間で形成される二次元チャネルを利用した高度な分離性が期待できます。本研究では、有機溶剤中で耐膨潤性を有することで精密に構造制御されたナノシート積層膜を開発しています。このような製膜技術を基に、高い透過性と分離性を両立する革新的ナノシート有機溶剤ナノろ過膜の開発を行い、有機溶剤回収プロセスの適用を目指します。

本研究は有機溶剤ナノろ過膜による溶剤回収技術に関する検討であり、化学品や医薬品、食品、電子材料製造分野における蒸留法の代替技術として期待できます。

USE CASE

最終用途例

ナノシート積層膜の産業応用プロセス

USE CASE 01電子部品製造における有機溶剤分離回収

APPLICATION

APPLICATION

溶剤回収による省資源・コストダウン・省エネ化が可能に

ナノシート積層膜の分離性能より、半導体製造、液晶パネル製造等の電子部品の製造におけるレジスト廃液から溶剤回収できることが期待されます。

STRENGTHS

強み

低炭素な電子部品製造

STRENGTHS 01

膜分離による溶剤回収プロセスにより、電子部品製造の低炭素化

ナノシート積層膜を用いた有機溶剤分離回収プロセスは、電子部品産業において新たな省資源・コストダウン・省エネルギー技術となる可能性があります.このような技術は大きなインパクトがあると共に、国際的競争力を高めることに貢献できます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

簡易で様々な支持膜上に製膜できるナノシート積層技術

TECHNOLOGY 01

簡易で様々な支持膜上に製膜できるナノシート積層技術

ナノシート積層膜は、吸引ろ過等の簡易な作製法によりナノメートルオーダーの超薄膜形成が可能であり、高透過性やナノシート層間で形成される二次元チャネルを利用した高度な分離性が期待できます。このキーテクノロジーにより、溶質のサイズに適した孔径の分離膜を作製し、効率的な分離が可能になります。

PRESENTATION

共同研究仮説

有機溶剤回収プロセスの実用化検討

共同研究仮説01

有機溶剤回収プロセスの実用化検討

開発膜を核とした有機溶剤回収プロセスの可能性検討のため、膜の大規模製膜やパイロットスケールでの検討、様々な溶剤回収プロセスの応用に関する共同研究を希望しています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

中川 敬三 神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 / 先端膜工学研究センター
経歴

2005年 京都大学大学院エネルギー科学研究科博士後期課程修了 博士(エネルギー科学)

2005年 九州大学大学院工学研究院 化学工学部門 特任助手

2007年 徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 助教

2013~2014年 英国オックスフォード大学 理学部無機化学科 客員研究員

2016年 神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 准教授

https://researchmap.jp/7000017383

研究者からのメッセージ

省エネルギー有機溶剤回収へ向けて

蒸留法と比べて大幅な省エネルギー化が期待できる膜分離法を利用して、様々な有機溶剤回収プロセスへ適用したいと考えています。私達の研究に少しでもご興味があれば、ぜひお声がけください。