2021年度公募 seeds-1735 - 【関東】 スマートフォン、ピークシフト、混雑回避、サステナビリティ、屋内測位、ナッジ
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VISION

ビジョン

施設利用者をピークシフトに自然と誘導するシステムの実現によってサステナビリティ向上を目指します

施設利用者に禁止や命令による不快感、金銭的なインセンティブを与えることなく、ピークシフトに自然と誘導します

少子化・超高齢化の進んだ我が国では、国内の生産活動を中心となって支える生産年齢人口比率が減少の一途を辿っています。そのため、増加し続ける高齢者層に対する様々な支援(介護、送迎など)を少ない生産年齢者層が担わなくてはならず、生産年齢者層が本来行うべき生産活動への影響が懸念されます。現在、生産年齢人口比率低下への対策例として、自動化システム、ロボット、AI(人工知能)、DX(デジタルトランスフォーメーション)などの導入が進められていますが、今後、我が国における生産年齢人口比率がさらに低下することに鑑みると、これまで以上の対策が必要になると考えられます。本研究開発では、生産年齢人口比率がさらに低下する将来を見据えて、利用者の需要が集中しやすい施設を対象として、時間的かつ空間的なピークシフトに自然と誘導できるようなシステムを実現します。本システムにより、利用者側の需要を分散させることで、スタッフ配置の最適化・経費削減に加えて、ピーク需要に合わせた施設側への多大な設備投資(建造物、設置機器など)の削減、さらには我が国の抱える問題の一つであるサステナビリティ(持続可能性)の向上を目指します。

USE CASE

最終用途例

不特定多数が利用し、かつ、需要が集中しやすい施設でのピークシフトによるサステナビリティ向上

USE CASE 01施設利用者の需要の分散

APPLICATION

APPLICATION

施設利用者が混雑を時間的・空間的に回避するピークシフトを実現します

不特定多数が利用し、かつ、需要が集中しやすい施設(ショッピングモール、テーマパーク、駅・空港、公共施設など)において、混雑状況を収集・解析・可視化することで、利用者の知覚範囲を拡大するとともに、利用者自身が混雑を時間的・空間的に回避するピークシフトを自然と行えるように誘導します。

USE CASE 02スタッフ配置の最適化・経費削減

APPLICATION

APPLICATION

施設利用者のピークシフトによって、スタッフ配置の最適化や経費削減を実現します

日時指定の電子チケットのウェブ販売が時間的な平準化につながっているように、本研究開発によって施設利用者のピークシフトが促され、その結果、スタッフの配置の最適化や経費削減を実現します。

USE CASE 03施設への多大な設備投資を抑制

APPLICATION

APPLICATION

施設利用者のピークシフトによって、施設への多大な設備投資を抑制します

不特定多数が利用し、かつ、需要が集中しやすい施設は通常、ピーク需要に合わせて建造物や設置機器などへの設備投資が行われますが、本システムによって施設利用者のピークシフトが促されるため、建造物の規模、設置機器の数などの削減への寄与が期待されます。

STRENGTHS

強み

空間的に高い分解能で混雑状況を収集できる基盤、利用者をピークシフトに自然と誘導する仕掛け

STRENGTHS 01

様々な位置特定技術を組み合わせることで測位誤差1m以内を実現

我々がこれまでに取り組んできた位置特定技術のうち、建物内や地下などでも利用可能であり、かつ、正確かつ高精度な位置特定が期待される、Wi-Fi RTT Laterationアルゴリズム、BLE Hybridアルゴリズムをベースとした上で、セルフポジショニング、リモートポジショニング、建物に対する流入/流出情報を組み合わせることで実現します。

STRENGTHS 02

金銭的なインセンティブには頼らずに利用者自身をピークシフトに自然と誘導

システムが利用者に禁止・命令するようなものではシステムの受容性が上がらず、利用されないものになってしまうため、行動経済学分野の「ナッジ(nudge)」の考え方を導入することで、利用者に禁止や命令による不快感、金銭的なインセンティブ(クーポンやポイント付与)に一切頼らずに、利用者自身をピークシフトに自然と誘導します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

市販のスマートフォンによる高精度でロバストな屋内測位を低コストに実現

TECHNOLOGY 01

Wi-Fi RTT (round-trip time)を用いたLaterationアルゴリズムによる高精度でロバストな屋内測位を低コストに実現

Wi-Fi RTTは、2006年にIEEE 802.11mcとして標準化された新しい規格であり、Wi-Fiアクセスポイントとスマートフォン間の電波の往復時間によって距離を測定します。我々は本手法を用いて、現在広く用いられているFingerprintアルゴリズムと同等以上の測位性能を、1/20という少ないアクセスポイント数で実現できます。

TECHNOLOGY 02

BLE (Bluetooth Low Energy)ビーコンを用いたHybridアルゴリズムによる高精度でロバストな屋内測位を低コストに実現

BLE Hybridアルゴリズムは、BLEビーコンにおける電波出力の安定性に注目し、Proximityアルゴリズムによって最も強いビーコン信号を受信した範囲に探索範囲を絞り込んだ後、Fingerprintアルゴリズムによる測位を行うものです。スマートフォンにおけるBLEビーコン信号の受信特性、学習用データが疎であっても既存のFingerprintアルゴリズムよりも高い測位性能が実現できます。

PRESENTATION

共同研究仮説

導入・維持管理を容易にし、かつ、長期に渡り持続可能なシステムです

共同研究仮説01

経済的なインセンティブに頼らないことで、長期に渡り持続可能な仕組みを実現します

混雑回避にナッジを取り入れた研究や実験は増えつつありますが、その多くはポイントやクーポン付与を行っています。ナッジは本来、金銭的なインセンティブを大きく変えることなく、望ましい選択に導くものです。本研究開発では、金銭的なインセンティブに頼らず、長期に渡り持続可能な仕組みの実現を目指します。

共同研究仮説02

低コスト・高精度・ロバストな屋内測位により、導入・維持管理を容易にします

Wi-FiやBLEビーコンを用いた屋内測位技術は既に広く利用されています。しかし、既存手法のみで高い測位性能を実現しようとすると、施設内に設置する測位用機器を増やしたり、データベースを充実させる必要があります。我々は、高い測位性能を可能な維持しながら、施設管理者に負担になりがちな測位用機器の数・データベース構築の手間を可能な限り少なく、かつ、ロバストな手法が利用できます。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

間邊 哲也 埼玉大学 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子システム領域
経歴

2012年3月 埼玉大学 大学院理工学研究科 理工学専攻 博士後期課程修了(博士(工学))

2012年4月~2013年3月 埼玉大学 大学院理工学研究科 非常勤研究員

2013年4月より、埼玉大学 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子システム領域 助教

【ウェブページ】https://mnb.ees.saitama-u.ac.jp/

研究者からのメッセージ

導入・維持管理な屋内測位技術により、新たなサービスの創出を目指しています

既存のスマートフォンで利用可能な測位技術の性能向上、それらが適材適所で協調動作することであらゆる場所で正確かつ高精度な測位の実現により、既存のLBS(位置情報に基づくサービス)の品質向上と新たなサービスの創出に関する研究に取り組んでいます。