2021年度公募 seeds-1707 - 【中国】 赤潮原因藻類を自動計数できるシステムの構築
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VISION

ビジョン

「どこでも、誰でも」豊かな海を守るために赤潮モニタリングの簡易化を実現したい

赤潮モニタリングにおける作業の簡易化及び属人化からの脱却

2021年10月北海道の太平洋沿岸で赤潮が発生し、壊滅的な被害をもたらしたことは記憶に新しいですが、赤潮被害は継続的に世界で発生しており、有害な赤潮原因藻類は常にモニタリングの対象となっています。しかし、藻類の識別作業の基準は各個人の記憶を頼りにしており、熟練の専門家でなければ難しく、初心者の場合は識別精度の低下・作業時間の長期化等の問題が発生しています。本研究開発では、赤潮モニタリング作業をAIシステムによる作業へ切り替えることで、作業の品質向上、時間の短縮を図ると共に経験の差による精度・作業時間のばらつきの解消を実現することを目的としています。AIシステムには物体検出アルゴリズムを適用し、藻類の自動識別及び計数が可能となる想定です。

異常状態の早期検知を可能に

本研究開発による自動藻類識別・計測システムが簡便・高精度・安価なシステムとして実用化できれば、日常的な赤潮モニタリングツールとして活用されることが期待されます。また、本システムは、人件費や専門家の育成が不要であることから、モニタリング地点を容易に増加させることが可能となります。そのため、より多くの時期、より多くの地点のデータから、赤潮原因藻類の動向、動態を正確かつ簡便に把握できるようになると考えています。高精度かつ客観的な数値データを全国で共有することが可能となれば、全国レベルでの赤潮予察の構築へと発展する可能性を秘めています。これにより、水産業の安定化、持続可能な開発目標(SDGs、年間12 兆ドル)の「豊かな海を守ろう」の達成にも貢献できると考えています。

USE CASE

最終用途例

「自動藻類識別・計測システム」で赤潮から海を守る

USE CASE 01水産業に壊滅的被害を与える赤潮の原因藻類の早期発見を実現

APPLICATION

APPLICATION

赤潮予察のための自動藻類識別・計数システム

藻類自動識別・計数を、より簡単に、誰にでも行えるようにシステム化することで、モニタリング地点を増加させ、赤潮原因藻類の動向、動態を正確かつ簡便に把握できることを目指します。

STRENGTHS

強み

純国産かつ拡張性の高いシステムの実現

STRENGTHS 01

新種藻類の追加登録が可能

類似研究開発では、海外メーカー製、新種の追加登録不可な製品が主でした。本研究開発は、純国産、新種の追加登録可能と、両者ともに優位性があることが強みとなります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

物体検出アルゴリズムと夾雑物除去システムの融合による高精度な藻類自動検出

TECHNOLOGY 01

物体検出アルゴリズムによる藻類検出

物体検出アルゴリズムを用いて、学習画像データを基に各藻類の特徴を把握した判別モデルを構築します。学習画像データを追加することで、判別モデルの精度を向上することが可能です。

TECHNOLOGY 02

海水サンプル内の夾雑物除去

独自に検討している藻類分離システムを組み合わせることにより、生きた標的藻類のみの画像が取得可能となるため、物体検出の精度向上に繋がると考えております。

PRESENTATION

共同研究仮説

オートメーション化による人件費、時間、労力を削減へ

共同研究仮説01

海洋資源を守るポイントオブケア

国産技術を駆使し、高精度データを用いたディープラーニングにより、「オンサイト」「自己診断」で赤潮対策を講じることができるようになると考えています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

丸山 史人 国立大学法人 広島大学 IDEC国際連携機構,教授
経歴

2005年04月, 2006年03月, 大阪大学 大学院薬学研究科 遺伝情報解析学分野, 特任研究員

2006年04月, 2006年07月, 鳥取大学 農学部 乾燥地環境化学教室, プロジェクト研究員

2006年07月, 2009年03月, 東京大学 医科学研究所 国際感染症研究センター, 特別教育研究員

2009年04月, 2010年06月, 東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生命情報専攻, 助教

2010年07月, 2012年03月, 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 細菌感染制御学分野, 准教授

2012年04月, 2014年06月, 東京医科歯科大学 大学院生命理工学研究科 環境遺伝生態学分野, 准教授

2014年04月, 2017年11月, ラフロンテラ大学 先端科学生物資源研究所, 客員教授

2014年07月, 2019年06月, 京都大学 大学院医学研究科 微生物感染症学分野, 准教授

2017年12月, ラフロンテラ大学 先端科学生物資源研究所, 栄誉教授

2019年7月, 2022年03月, 広島大学 学術・社会連携室, 教授

2022年4月, 広島大学 IDEC国際連携機構, 教授

研究者からのメッセージ

あらゆる環境で強かに生きる微生物の生態を理解するための、オンサイトで使える解析ツールを作りたい。

環境に生息する微生物の生態を理解するためには、現場で使える新しいツールが必要です。これまで「研究室ベース」で実施されてきたことを「現場ベース」に適用できるようなシステム開発・研究を一緒にしていきたいと考えています。