試料の前処理,クロマトグラフィーによる分離を必要としない新しい分析法
生命体を構成するアミノ酸は,生命科学はもちろん,食品や薬品など様々な分野で測定対象とされています。現在,一斉分析が可能な半面,前処理や分離に時間を要するクロマトグラフィー法や選択性や活性に課題の残る酵素法による測定が行われています。本法では,前処理無しに,目的とするアミノ酸だけをモニタリング可能な手法を提供します。
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ビジョン
生命体を構成するアミノ酸は,生命科学はもちろん,食品や薬品など様々な分野で測定対象とされています。現在,一斉分析が可能な半面,前処理や分離に時間を要するクロマトグラフィー法や選択性や活性に課題の残る酵素法による測定が行われています。本法では,前処理無しに,目的とするアミノ酸だけをモニタリング可能な手法を提供します。
最終用途例
APPLICATION
アミノ酸は,工業的に発酵法で合成されています。発酵法では,反応温度やpHなどの諸条件をうまく制御する必要があります。その条件をモニタリング値からフィードバックして最適化することで合成効率のさらなる向上が期待されます。
APPLICATION
現在,アミノ酸市場は大きく成長しています。品質管理のためにモニタリングの重要性は高まっています。溶液にするだけで,前処理なしで測定可能な本法は強力な武器となることが期待されます。
APPLICATION
尿や血液中のアミノ酸濃度による高精度な健康診断が検討・実用化されており,本法による迅速モニタリングで普及や効率化を促進することが期待されます。
強み
構造のよく似たアミノ酸の分析では,クロマトグラフィーによる分離検出が主流であり,前処理も欠かせないものでした。本法は,特定のアミノ酸のみを前処理フリーで検出可能で,高感度な連続モニタリングを実現します。
テクノロジー
これまで様々なイオン分析のシーンに展開してきた溶存イオンハンドリング技術をアミノ酸の選択的抽出・分離・濃縮の場とすることで,画期的なアミノ酸モニタリング手法を構築した。
共同研究仮説
本システムのアプリケーション展開を進める共同研究を通じて,システムの評価および改良,アプリケーションの確立を進めていきたいと考えております。
イベント動画
研究者
2004年4月~2006年3月 日本学術振興会 特別研究員
2006年4月~2008年3月 日本学術振興会 海外特別研究員(米国・テキサステック大学,テキサス大学アーリントン校)
2008年4月~2009年3月 博士研究員(米国・テキサス大学アーリントン校)
2009年4月~2016年3月 熊本大学大学院自然科学研究科理学専攻 准教授
2016年4月~2021年3月 熊本大学大学院先端科学研究部基礎科学部門 准教授
2021年4月~ 熊本大学大学院先端科学研究部基礎科学部門 教授
【受賞歴】
2019年 イオンクロマトグラフィー技術賞(日本分析化学会イオンクロマトグラフィー研究懇談会)
2018年 FIA論文賞(日本分析化学会フローインジェクション分析研究懇談会)
2016年 助成研究成果表彰 理事長賞(鉄鋼環境基金)
2013年 奨励賞(日本分析化学会)
【個人ページ】
http://www.sci.kumamoto-u.ac.jp/~ohira/