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ビジョン
申請者は高周波四重極型加速器RFQを用いて世界で初めてミューオン加速を実証した(2021年アジア太平洋物理学会連合C.N. Yang賞を受賞)。現在、ミューオン専用の交差櫛型加速空洞IH-DTLを開発し、さらに高いエネルギーまでの加速実証に着手している。本図の奥がRFQ、手前がIH-DTLで、全長約5メートルの加速器で高速の約30パーセントまでミューオンを加速する。しかし、加速ミューオンを用いたイメージング技術には、追加速によってミューオンをほぼ光速度まで加速するとともに、ミューオン加速器の小型化が必要となる。本研究では、ミューオン加速技術の更なる発展によって、同程度の長さでミューオンをほぼ光速度まで加速する技術に挑戦する。
最終用途例
APPLICATION
主要な港湾において、現状では世界的にも主流な大型のX線透過装置が専ら用いられているが、シルエットのみしか透視できず異常時は開封検査が求められる。ミューオンビームによるイメージング技術が実現すれば、少量(g単位)の危険物を未開封で同定可能になるため、グローバル物流を通じて安心・安全な社会の実現に貢献する。
強み
ミューオンは様々な応用展開への期待から加速に向けた研究開発が進められてきました。近年、私たちはミューオンの冷却技術と高い効率を持つ加速空洞技術によって世界で初めてミューオンの加速に成功し、世界をリードしています。
テクノロジー
共同研究仮説
高い加速効率が求められるミューオン加速技術は、近年世界で開発が盛んな小型医療用加速器や産業用加速器と高い親和性があります。ミューオン加速を軸に、20世紀初頭から現在に至る量子ビーム技術に新風を巻き起こしましょう。
ミューオンビームによるイメージングが実現すれば、コンテナスキャンやSMRのモニタリングなど、持続可能な世界発展に貢献することができると考えています。
イベント動画
研究者
所属:高エネルギー加速器研究機構加速器研究施設
経歴:
・2017年~現在 高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設 助教
・2013年~2017年 高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 博士研究員
・2012年~2013年 東北大学ニュートリノ科学研究センター 教育研究支援者
【受賞歴】
2021年 アジア太平洋物理学会連合(AAPPS)C.N. Yang Award