ブタジエンゴムやEPDMなど、炭化水素系ゴム材料のリサイクルを実現
ブタジエンゴムやエチレンープロピレンゴム(EPDM)などの炭化水素ポリマーは汎用ゴム材料として知られ、自動車用のタイヤの他、ベルト・ホース・シーリング材などの工業用品、靴等の運動用品など、用途は様々です。しかし、これらの製品のほとんどは焼却処理されており、再生ゴムとして利用される割合は2割にも達しません。これは、これらの材料が非可逆的な加硫を経て製造されるためです。
資源循環型社会の実現が強く求められている現代において、廃ゴムを回収し、材料として繰り返し用いることで、石油や植生などの天然炭素資源の保護に貢献することは、ゴム産業において重要な課題です。本研究では我々の新しい重合技術を用いて、元のポリマーの構造をほとんど保ったまま、可逆的に形成可能な架橋点をポリマー鎖内に導入することで、これまでの汎用ゴム材料と同等以上の物性とリサイクル性を兼ね備えた材料を開発します。