マイクロ流路内における音響泳動を利用することで、濾過によらない濃縮回収技術を確立
近年、微細なプラスチック片であるマイクロプラスチックが環境や生態系に与える影響が問題視されています。このマイクロプラスチックの分析調査や回収にあたっては、従来はメッシュを用いた濾過により行われてきましたが、この方法では微細粒子によるフィルタの目詰まりなどの課題がありました。
本技術は、微細な流路中で超音波を照射することにより、マイクロプラスチックをはじめとする粒子を流路中央に収束させて、濃縮回収することを可能とする技術です。この技術を用いることで、回収時におけるメッシュの目詰まりといった課題を解決するとともに、本機構を複数配置することで、マイクロプラスチックなどの粒子を高濃度かつ高流量で処理することが可能となります。
このマイクロプラスチックの濃縮回収装置を既存の装置や製品に組み込むことによって、洗濯排水や工場排水などの多くのマイクロプラスチック発生源からマイクロプラスチックを除去することを目指します。