流動的な社会ニーズに対応するゼオライトのオンデマンド合成技術開発
吸着材や触媒として使用されているゼオライトは有用な工業材料であり、環境保全・省エネ・脱炭素に対する昨今の社会ニーズの急速な変化から、二酸化炭素分離・資源化触媒、ヒートポンプ・膜分離などの省エネルギー技術、土壌・排ガス・排水からの有害物質除去、センサー・デバイス部材など様々な新規用途開拓が進んでいます。一方で、この新たに生じる用途・市場に対して迅速に対応するためには、該当用途に必要な構造、組成、吸着・触媒機能を持ったゼオライトを選択し、合成段階からその特性を狙って制御していく必要があります。一方でこのようなオンデマンドなゼオライト合成は現状困難であり、ゼオライト自体の高い合成難易度や専門知見の不足から、試行錯誤的な研究開発が行われています。本研究では、合成中間体に着目したゼオライト合成手法および多角的な構造解析手法を駆使して、このような社会ニーズに迅速に対応可能なオンデマンドなゼオライト合成技術を確立し、さらにそれを企業が利活用可能なベンチスケールまで拡大することで、産業変革を加速させます。