超音波であらゆる物質にファインバブルを生成する
ファインバブル(マイクロ・ナノオーダーの気泡)は、幅広い分野への応用研究が進められています。例えば、次世代の超音波造影剤の開発です。これは「倍音」をよく反射するというファインバブルの音響特性を活用するもので、従来は超音波での検査が難しいとされてきた血流の様子を観察することが可能になります。また体内のがん細胞にピンポイントに薬を届けるドラッグデリバリーシステムなど、医療分野での応用に大きな期待が寄せられています。
さらに、オゾンのファインバブルによる殺菌効果を利用した植物工場用の殺菌や、福祉の分野で期待される洗浄効果を持つバブルバスなど、その可能性はますます広がっています。
私は超音波伝達体であるホーンの内部に気体流路を設けた中空超音波ホーンを用いて、ファインバブルを発生させる超音波ファインバブル発生技術を開発しました。特段の複雑な設備導入を必要としない本技術によって、多くの分野においてイノベーションをもたらすことを目指しています。