2021年度公募 seeds-1233 - 【東海】 パルスECTを搭載した水中ロボット(ROV)を用いた、海底送水管等の電磁気非破壊検査手法の開発
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VISION

ビジョン

水中環境下での全自動化非破壊検査の先駆けとなる

海底構造物の非破壊検査を、カメラと電磁気非破壊検査装置を搭載したROVを使って実現する

離島などの土地に生活用水を供給する役目を海底送水管が担っていますが、海中環境による腐食、損傷などによって送水管の寿命を短命になっています。そのため、水中にあるこれら送水管の検査が非常に重要となり、現状はROVによる外観からの目視検査と内挿型の内部検査によってメンテナンスを行っていますが、これら検査手法では配管の減肉状況を確認すること困難なため、適切な寿命評価が行えておらず、また、漏洩箇所等の把握も困難です。

本研究では、外観検査用カメラと共にパルスECTによる電磁気非破壊検査装置を搭載した水中ロボット(ROV)による検査の実現を目指しております。当該研究を実現することで、従来の人による目視での外観検査では発見できなかった漏洩個所や漏洩する危険性のある個所の発見をROVを用いて実現できるようになります。また、開発する電磁気非破壊検査装置はパルス磁界を用いるため、ROVを送水管に密着させる必要が無くなり、ある一定の距離が存在する場合(送水管まわりの付着物が存在する場合、等)であっても測定が可能となります。

これらにより、検査時間削減や人員コスト削減等による低コスト化の実現を目指します。

海底送水管の残寿命評価法に関する指標の確立を目指す

電磁気非破壊検査の技術を用いて海底送水管で使用されている強磁性体に生じる減肉、欠陥の形状や配列状態を可視化する計測装置を開発していますが、水中での検査は空気中と異なり、環境によってノイズ量が変化し、従来の検査より感度が低下することが考えられます。

そこで本研究では、パルスECTにおける空気中と水中での信号強度や測定レンジの違いについて考察を行い、適切な信号処理技術の開発を行うと共に、検出信号を可視化させることで漏洩箇所や配管寿命の指標化を目指します。

USE CASE

最終用途例

目視では発見できなかった送水管等の漏洩箇所や漏洩する危険性のある個所の検査に活用

USE CASE 01海中配管の非破壊検査

APPLICATION

APPLICATION

従来のROVを用いた検査で、外観検査だけでなく非破壊検査も実現

従来のROVを用いた検査ではカメラを用いた外観の目視検査が行われてきましたが、非破壊検査技術を搭載したROVを用いることで、従来のROVで検査していた外観検査と共に、非破壊検査により従来は検査できなかった漏洩個所や漏洩する危険性のある個所の発見が可能となります。

USE CASE 02その他海底構造物の検査

APPLICATION

APPLICATION

配水管以外の海底構造物の検査にも活用可能

現状は配水管検査での活用を想定して研究開発していますが、技術的には光ファイバーやガス等を通した海底配管の検査にも活用が可能です。

STRENGTHS

強み

より効率的に非破壊で漏水検査や漏水予測を実現

STRENGTHS 01

外観検査と内部状態の検査が同時に実現可能

現在の送水管検査はROVによる外観からの目視検査、内挿型の内部検査、送水管を切り出して行う破壊検査が遂行されています。本事業では、外観検査による目視検査と非破壊検査を併用することで内部状態まで把握できる検査装置の開発を行い、検査コストと所要時間を削減します。

STRENGTHS 02

配管に付着物が存在する場合も測定可能

従来の超音波非破壊検査技術では、送水管の周りに付着物が存在する場合等は検査ができませんでした。本研究で開発する電磁気非破壊検査法はパルス磁界を用いることでROVを送水管に密着させる必要がなくなり、介在物が存在する場合であっても測定が可能になります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

パルスECT技術を活用した非破壊検査技術と任意方向への自走が可能なROV

TECHNOLOGY 01

検査能力向上とコスト効率向上を可能とするパルスECT技術

パルスECT技術を用いることで、付着物が存在する状態での非破壊検査が可能となります。また、当該検査技術は従来技術と比較して生産コストや導入コストが低くなっています。

TECHNOLOGY 02

任意方向への自走が可能なROV

ロボットを用いた検査において、陸上でも一方向にしか自走することが困難である現状において、本研究では任意の方向に動けるROVを開発しています。

PRESENTATION

共同研究仮説

自走ROVを活用し、水中設備の外観検査や欠陥有無の判別をより効率的に実施し、安定した設備管理を実現しましょう

共同研究仮説01

海底送水管の残寿命評価法に関する指標を確立するためのデータを集めています

海底送水管の残寿命評価法に関する指標を確立するため、漏水が起きる原因やその過程についての情報を収集しているため、これら情報や使用済みの配管等をお持ちの企業様と共同研究ができますと幸いです。

共同研究仮説02

ROV開発も行っていますが、既存ROVに検査機器を乗せるための仕様等を研究しています

現状は、ROVの開発も行っていますが、今後は既存ROVにカスタマイズして非破壊検査装置が付けられるようにするのが現実的だと考えています。海中でのROV開発に強みを持っているようでしたら、非破壊検査技術を搭載したROV開発という文脈で研究することも可能です。

RESEARCHER

研究者

吉岡 宰次郎 独立行政法人国立高等専門学校機構 鳥羽商船高等専門学校
経歴

2018年4月 ~ 現在 鳥羽商船高等専門学校 情報機械システム工学科 助教
2018年3月  大分大学大学院 工学研究科 博士後期課程 物質生産工学専攻 修了 博士(工学)

板谷 年也 独立行政法人国立高等専門学校機構 鈴鹿工業高等専門学校
経歴

2019年 4月 ~ 現在 大同大学 電気電子工学科 非常勤講師
2017年 4月 ~ 現在 鈴鹿工業高等専門学校 電子情報工学科 准教授
2015年 4月 ~ 2017年3月 鈴鹿工業高等専門学校 電子情報工学科 講師
2012年10月 ~ 2015年3月 鈴鹿工業高等専門学校 電子情報工学科 助教
2013年 3月 山口大学大学院 理工学研究科 物質工学系専攻 修了 博士(工学)

研究者からのメッセージ

送水管をはじめとする海中構造物の寿命診断を行う非破壊検査技術の普及を目指す

電磁気非破壊検査技術の海中への適用を目指しています。これによって、送水設備や海底ケーブル、海中構造物の寿命診断技術の研究開発一緒にできれば幸いです。