現行の封止絶縁材料では到達できない革新的な高耐圧性能である耐圧1.5倍以上を目指す
洋上風力発電の発電電力を効率よく流通する次世代電力ネットワークの構築には、交直電力変換設備に用いられる必須の部品であるパワー半導体モジュールの高信頼性と低損失化が必要になります。次世代パワー半導体素子として期待される SiC 素子は、内部電界が現行 Si 素子に比べて一桁以上高い電界で動作するため、素子表面を封止する絶縁材料に高い電界ストレスが加わります。そこで、封止絶縁材料の高耐圧化が極めて重要な課題となります。本研究では、封止絶縁材料に酸化物ナノフィラーを添加・分散したナノコンポジット封止絶縁材料を開発し、高耐圧化 1.5 倍以上の達成を目指します。高耐圧化の技術的ネックとなる凝集体欠陥サイズを遠心分離により制御する独自技術をもとに、凝集体欠陥サイズ評価と材料パラメータ探索に機械学習を導入した材料開発プロセスを構築し、新規高耐圧封止絶縁材料を実現します。