2021年度公募 seeds-1202 - 【関東】 深紫外光まで透明な透明導電膜の開発
  • エレクトロニクス
  • 食品・農業
  • IT・通信
  • 素材
  • 材料工学
  • 電気電子工学
  • 環境保護
  • 医療・ヘルスケア
  • 感染症対策
  • 新素材/高付加価値素材
  • 半導体/次世代半導体
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

深紫外光(UV-C光)を透過する透明導電膜の開発

深紫外光に対する高い光透過率と電気伝導度を両立した新たな透明電極材料を開発します。

波長が200nm~300nmの深紫外光は幅広い分野で利用されています。中でも、波長280nm以下のUV-C光は細菌やウイルスのもつDNAやRNAに損傷を与えて不活化することが可能で、塩素などの薬剤を使わない殺菌や環境浄化法として極めて重要です。現在、実用的な深紫外光源としては水銀ランプ等が用いられていますが、水銀による環境負荷、素子の寿命・サイズ・コストなどの課題があり、小型で低コストな深紫外LEDの開発が進められています。しかし、深紫外LEDの発光効率は水銀ランプなどの既存光源と比較して低く、その向上が強く求められています。

本研究では、深紫外LED用の透明電極材料への応用を目標として、深紫外光に対する高い光透過率と低いシート抵抗を示す新たな透明導電体を開発します。

USE CASE

最終用途例

深紫外LEDの発光効率を向上させる電極材料を開発し、殺虫、皮膚治療、空気清浄・浄水等での深紫外光の活用を拡大する

USE CASE 01殺菌・環境浄化

APPLICATION

APPLICATION

塩素などの薬剤を使わない殺菌や環境浄化

深紫外光に対する高い光透過率と電気伝導度を両立する新たな電極材料を開発することで発光効率の高い深紫外LEDの開発に繋げます。これにより放電管ランプ使用時に比べ省電力や水銀使用量削減を実現しつつ、殺菌や環境浄化における深紫外光の活用を拡大します。

STRENGTHS

強み

AlGaN系LED素子上にも作製可能な深紫外光向けの透明導電膜

STRENGTHS 01

深紫外LED材料として広く用いられているAlGaN基板上でも優れた透明導電性を実現

深紫外光向けの透明導電膜として現在研究が進んでいる材料(Ga2O3などの超ワイドギャップ半導体やペロブスカイト型SrNbO3等)では、シート抵抗を減らすことが困難であったり、特定の基板上でのみ低抵抗な薄膜合成が可能で、窒化物半導体のように結晶構造が大きく異なる基板上への薄膜の作製が難しいという課題があります。一方、今回開発している材料(SnO2-GeO2系透明導電膜)では、AlGaN系LED素子上にも高品質膜が合成可能です。

TECHNOLOGY

テクノロジー

深紫外光に対する高い透明性と低いシート抵抗を併せ持つ透明導電膜

TECHNOLOGY 01

バンドギャップエンジニアリングによる超ワイドギャップ化と不純物ドープによる低抵抗化

代表的な透明導電性酸化物であるSnO2(光学ギャップ=~4eV)に、結晶構造が同じで光学ギャップの大きな酸化物を固溶して超ワイドギャップ化します。組成比やドナー不純物のドープ量を最適化して、高い電気伝導率と深紫外光に対する透明性の両立を図ります。

PRESENTATION

共同研究仮説

デバイス応用に向けたプロトタイプ作製

共同研究仮説01

深紫外LEDのプロトタイプを用いたデバイス特性の評価

本研究で開発した透明電極を深紫外LED上に成膜したプロトタイプの作製と、接触抵抗や光取り出し効率などのより詳細な特性評価を希望します。

RESEARCHER

研究者

廣瀬靖 東京都立大学大学院 理学研究科 化学専攻
経歴

2005年4月 – 2007年12月  財団法人神奈川科学技術アカデミー ナノ光磁気デバイスプロジェクト 研究員
2008年1月 – 2008年3月  東京大学 大学院理学系研究科化学専攻 特任助教
2008年4月 – 2015年3月  東京大学 大学院理学系研究科化学専攻 助教
2015年4月 – 2022年3月  東京大学 大学院理学系研究科化学専攻 准教授
2022年4月 – 現在  東京都立大学 大学院理学研究科化学専攻 教授

研究者からのメッセージ

「視えない」光まで透明な電極を開発しています。

肉眼では視えない光を利用するデバイス向けの透明導電膜の開発に取り組んでいます。深紫外光や近赤外光を透過可能な材料に興味がありましたらご相談ください。