「複合イメージセンシング」と「教師なし学習」により、低コストで横展開容易な外観検査AIを実現する
電機産業や自動車産業では自動化が進み、労働生産性が日々改善しています。一方、食品産業では労働不足率が最も高いにもかかわらず自動化率は33%と低く、他の産業に比べて自動化が遅れています。労働者にとって過酷な環境であり、労働災害件数も他産業と比較して2倍以上も多い食品産業では、自動化は急務であるにも関わらず、自動化が進んできませんでした。食品産業では多種多様で不揃いな形状・外観・素材を扱うという特有の課題があるためです。工業製品と異なり、単純なルールでは自動化が出来ませんでした。
大量のデータから自動で多種多様な特徴と認識ルールを学習する深層学習技術が急速に発展してきており、食品産業の外観検査自動化にも応用が研究されています。しかしながらこうしたAI技術は、工場間など異なる環境間での横展開が困難であり、かつ学習のためのデータ収集が高コストであるという問題がありました。
本研究では、横展開容易で低コストなAI技術の開発を通じ、人手不足が深刻な食品産業の自動化促進を進め、少子化に伴う労働力不足という社会課題の解決に貢献します。特に外観検査に着目し、従来では視認性の悪かった多種多様な検査を可能にします。