2020年度公募 seeds-1092 - 【東海】 不織布を使った着色水の脱色技術と農業分野への循環利用
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VISION

ビジョン

着色した水の脱色を目指します。

水の着色を引き起こすフミン質を、短期間で高効率に回収する不織布を用いる水質浄化技術です。

閉鎖水循環システムのような水環境において、着色や水槽の黄ばみは換水・清掃が必要となります。一般的な水環境におけるフミン質除去に関する研究では、紫外線やオゾン処理、薬剤の使用が提案され、専用の設備が必要となります。本研究で開発する不織布は、水環境内に設置するだけで、着色を引き起こすフミン質を回収できるものです。

回収するフミン質を土壌改質剤へと展開することで新たな産業の創出を目指します。

回収するフミン質は野菜の育成を促す効果が知られています。水環境から除去する不要物質の取り扱いは、市場価値の高い貴金属類を除くと、ほとんど検討されていないのが現状です。本研究で対象とするフミン質を、農業分野で有価物として活用することができれば、環境技術として広く社会に展開でき、新産業の創出につながります。

USE CASE

最終用途例

閉鎖水循環システムだけでなく、畜産排水の無色化にも使用可能です。

USE CASE 01設備やランニングコストを気にすることなく、水質浄化を行えます。

APPLICATION

APPLICATION

ろ過水槽内への設置

ろ過水槽内に設置することで使用できます。不織布の着色状況から交換時期を判断します。

STRENGTHS

強み

フミン質が原因となる着色水を簡単に無色化できます。

STRENGTHS 01

高効率・短期間で処理可能です。

一般的な吸着材料ではフミン質除去特性が十分でない場合があり、無色化に時間がかかり、効率的に水処理を行うには多くの材料が必要になります。本研究で扱う不織布はこれまでの材料よりも高効率で短期間で無色化処理できる点が強みとなります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

生分解性のポリマーと土と類似する化学組成の結晶からなる不織布のためエコフレンドリーな材料です。

TECHNOLOGY 01

環境負荷の少ない材料からなる水質浄化技術

生分解性のポリ乳酸を基材として、従来の吸着材料よりも優れたフミン質吸着特性を持つガーネット型結晶(土と類似の化学組成)を複合化した複合不織布を用いることで、短期間で着色水の無色化を実現します。不織布の作製にはエレクトロスピニング法を用います。配合量等の調整により流水下においても不織布が崩壊しない強度を持つことから、取り扱いに苦労することはほとんどありません。

PRESENTATION

共同研究仮説

フミン質の循環利用によるサーキュラーエコノミーとしての展開を目指します。

共同研究仮説01

不織布と回収するフミン質の機能性評価

フミン質の可能性を探索します。

フミン質の循環利用による新しい産業の創出のため、以下の3点を中心に共同研究テーマを見据えています。
・不織布の量産技術
・実環境における着色水の無色化試験
・農業分野への展開を見据えた食物育成効果の検証

RESEARCHER

研究者

前田 浩孝 名古屋工業大学 大学院工学専攻 生命・応用化学系プログラム 環境セラミックス分野
経歴

2006年名古屋工業大学大学院工学研究科博士後期課程修了 博士(工学)。同年東北大学大学院環境科学研究科助教、2011年名古屋工業大学テニュア・トラック助教、准教授等を経て2020年教授。専門は無機材料化学・環境材料。
業績リンク:http://researcher.nitech.ac.jp/html/100000160_ja.html

研究者からのメッセージ

SDGsに貢献できる技術開発に取り組みます。

水環境中の除去物質を有価物として展開することで、SDGsに貢献する技術を作り出しましょう。