2026年度掲載 seeds-101-0001 - 【北陸】 「聞こえる」から「聞き分けられる」へ-生涯にわたり豊かな音声コミュニケーションを支える-
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

「聞こえる」から「聞き分けられる」へ

生涯にわたり豊かな音声コミュニケーションを支える-

加齢などに伴い、静かな環境では会話を聞き取れても、飲食店、会議、駅構内などの騒音環境では、相手の声は聞こえるものの、話の内容を理解しにくくなることがあります。このような「聞こえるのに分からない」という問題は、一般的な聴力検査だけでは捉えにくく、日常生活における会話への参加や社会的交流を妨げる要因になり得ます。
本研究では、複数の音が存在する環境から必要な音声を選び取る「選択的聴取能力」に着目します。これまでに開発してきた聴取能力の評価技術を基盤として、一人ひとりの聴覚特性に応じたトレーニングを提供し、その効果を客観的に確認できるシステムの実現を目指します。

USE CASE

最終用途例

聴覚特性に応じたトレーニングの提供と、その効果を客観的に確認できるシステムの実現

USE CASE 01家庭で利用できる聴覚トレーニングサービス

APPLICATION

APPLICATION

日常的に継続できるトレーニングサービス

スマートフォン、タブレットなどを用いて、雑音の中から必要な音声を聴き取る課題に取り組みます。利用者の課題の成績に応じて難易度や音響条件を調整し、日常的に継続できるトレーニングサービスとして提供します。

USE CASE 02補聴器・ヒアラブル機器と連携したトレーニング

APPLICATION

APPLICATION

利用者に適した音響処理やトレーニング

補聴器、イヤホン、ヘッドホンなどの音響機器と組み合わせ、機器の装用効果だけでなく、利用者自身の選択的聴取能力の向上を支援します。機器の導入前後や設定変更前後の評価にも活用します。

USE CASE 03高齢者施設やリハビリテーション現場での活用

APPLICATION

APPLICATION

高齢者施設、医療・福祉施設、聴覚リハビリテーションの現場において、利用者の聴取特性を把握し、それぞれの状態に応じた訓練を提供します。トレーニング前後の成績を記録することで継続状況や変化を可視化します。

STRENGTHS

強み

研究基盤の確立と個人に合わせたトレーニングと多様な製品・サービスへの展開

STRENGTHS 01

選択的聴取能力を評価・訓練・効果検証できる一貫した研究基盤

一般的な聴力検査では捉えにくい、雑音の中から必要な音声を選び取る能力を評価するための研究基盤を有しています。トレーニング前後に評価を行うことで、主観的な感想だけでなく、聴取能力の変化を客観的に検討できます。
また、選択的聴取の特性を踏まえたトレーニング課題の設計と効果検証が可能です。

STRENGTHS 02

個人に合わせたトレーニングと多様な製品・サービスへの展開

評価結果は、測定値のレベル差などを調整し、個人の聴取特性に応じたトレーニングへの発展が可能です。さらに、ソフトウェアを中心とした構成が可能で、パソコン、スマートフォン等から、補聴器、ヒアラブル機器などへの実装を想定しています。そのため、音響機器、介護、リハビリテーション、教育との連携が可能です。

TECHNOLOGY

テクノロジー

本技術は、選択的聴取能力の「評価」「トレーニング」「効果判定」から構成されます。

TECHNOLOGY 01

選択的聴取能力の評価

複数の音声や雑音が存在する環境で、特定の音声に注意を向け、その内容を正しく聴き取れるかを測定します。音声と雑音のレベル差、妨害音の種類、話者数、音源の位置などを制御し、正答率や反応時間から、利用者が聞き取りにくい条件を明らかにします。

TECHNOLOGY 02

選択的聴取トレーニングとトレーニング効果の判定

評価結果に基づき、利用者の能力に適した聴取課題を提示します。成績に応じて雑音の大きさや話者数などを調整し、適切な難易度で継続できるトレーニングシステムを構築します。そして、トレーニング前後の聴取成績を比較し、能力の変化を客観的に評価します。訓練していない音声や異なる雑音条件にも効果が及ぶかを検証し、将来的には個人に適した課題を自動的に提示するシステムへ発展させます。

PRESENTATION

共同研究仮説

聴覚トレーニング

PRESENTATION 01

個人の聴取特性に応じた適応型トレーニングの開発

高い継続性と訓練効果

選択的聴取能力の評価結果を利用し、利用者ごとに課題の種類や難易度を最適化することで、一律のトレーニングよりも高い継続性と訓練効果が得られると考えています。

PRESENTATION 02

補聴機器と聴覚トレーニングの併用による聞き取り支援

日常環境における音声コミュニケーションの支援

補聴器やヒアラブル機器による音響的支援と、利用者自身の選択的聴取能力を高めるトレーニングを組み合わせることで、機器単独の場合よりも、日常環境における音声コミュニケーションを効果的に支援できる可能性があります。

RESEARCHER

研究者

木谷 俊介先端科学技術研究科
人間情報学研究領域
音情報処理学研究室
特任准教授
経歴

2012年北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了、博士(情報科学)。専門は、聴覚情報処理、知覚心理。選択的聴取(カクテルパーティー効果)、音の質感や芸術性、感情について、音響分析・生理計測・心理評価・モデル作成と幅広いアプローチで取り組んでいます。
・ 第7回学会活動貢献賞 , 日本音響学会 , 2020
・ 日本音響学会北陸支部学会活動貢献賞 , 日本音響学会北陸支部 , 2019
・ 第4回学会活動貢献賞 , 日本音響学会 , 2017

  • リサーチマップ

    https://researchmap.jp/kidani

     

  • 専門領域

    聴覚情報処理
    聴覚心理
    音声知覚

  • 共同研究の経験がある企業/業界

    通信業界、自動車業界、音響メーカ

研究者からのメッセージ

ヒトの知覚/表象を科学してヒトの生活をより良いものに

ヒトとヒトだけにとどまらず、ヒトと機械、ヒトと環境のコミュニケーションにおいて、音が果たす役割は大きいです。選択的聴取の解明とその応用から、様々なコミュニケーションを円滑にできればと考えています。