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最終用途例
強み
発電時、材料内で生じる磁歪現象に基づいて、材料に要求される特性を理論的に見直すと、発電用材料の選択の幅を拡大させることが出来ます。そして、その結果、従来、用いることが出来なかった材料形成法も利用可能となり、低コスト化、量産化、小型化の道が開けます。
テクノロジー
振動を電気エネルギーに変換する場合、耐久性と耐熱性の観点から、磁歪と呼ばれる性質が現れる磁性材料を活用した発電方式が有効です。
本研究では、発電性能と3つの磁気特性(①磁歪定数、②磁気異方性エネルギー、③飽和磁束密度)の関係を理論的に検証し、「①磁歪定数が小さくても、②磁気異方性エネルギーが低ければ出力電圧の増大が可能である」ことを見出しています。この新たなアプローチにより、従来、実用化の障壁となっていた「材料とその形成法の選択肢の少なさ」の問題を解決できます。高出力特性の点から、今回、磁歪材料としてFeリッチ組成のFe-Co合金を提案していますが、レアメタルフリーFe基合金の適用も可能です。
従来方式では、結晶配向性がある単結晶等の磁歪材料の板を、ヨークの機能も備えたベースの板に接着剤で貼り付けた機構がとられていました。一方、本研究で提案する「厚膜式」デバイスは、低コスト化・量産化に優れる形成法を利用したもので、磁歪材料の選択の幅が拡張されることにより、実現可能となりました。更に、単結晶等を用いていない点だけでなく、振動の特性に応じて多様な剛性の材料をベース材料として選定できる点にも特徴があります。
共同研究仮説
IoTセンサのワイヤレス化で課題であった給電問題を解決すべく、自立型電源となる発電デバイスに適用可能な「振動発電」(振動を電気エネルギーに変換する仕組み)に着目した研究開発の成果を社会実装に結実させることを目指します。
研究設備
イベント動画
研究者
准教授、研究室主宰者。2011~2015年 中央大学 理工学部 電気電子情報通信工学科にて助教、2015~2018年 工学院大学 工学部 電気電子工学科にて助教、 2018年より現職。
日本磁気学会の学術奨励賞(2010年)や論文賞(2016,2020年)を受賞。150編を超える査読有り論文を学術雑誌で出版。
米国電気電子学会IEEE、電気学会、電子情報通信学会、映像情報メディア学会、応用物理学会、日本磁気学会、日本金属学会、日本鉄鋼協会の正会員。日本磁気学会論文誌の主任編集者、映像情報メディア学会論文誌の編集者、エネルギー・マグネティクス研究会やマルチメディア・ストレージ研究会の委員を務める。