2020年度公募 seeds-0179 - 【近畿】 次世代モビリティの電動化システムにおける電気絶縁技術の高度化
  • 自動車・機械
  • 機械
  • 数理・物理
  • #自動車
  • #電気絶縁技術
  • #モーター高効率化
  • #次世代モビリティ
  • #部分放電計測
  • #低気圧放電
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

電動化システムにおける電気絶縁体技術の高度化により、次世代モビリティの安全性向上に貢献

低気圧下でも駆動可能な高耐圧絶縁技術と評価法の開発

モータは、高電圧下・高周波数下・低気圧下で運転する場面が日々増加しています。そのような中、低気圧下でも駆動可能な高耐圧絶縁技術と正確な調査法が必要不可欠となっています。
本研究では以下3つの項目について調査致します。
①気圧、温度、湿度を一括制御できる試験環境を整備し、実際のモータ運転環境を模擬した試験環境で、特に低気圧下においてインバータ電源を使った際の周波数特性を調査します。
②低気圧下における部分放電計測器の検出感度を調査し、大気圧下との比較で補正係数を算出します。
③部分放電特性と絶縁材料の損耗関係について調査します。

部分放電による絶縁破壊のリスク回避

日本国内の電力消費のうち50%がモータを通して消費されていることを受けて、モータの高効率化を目指した開発が進み、高電圧下・高周波数下で放電する場面が増えています。このような中、高周波のサージ電圧に耐えうる絶縁体の開発が喫緊の課題となっています。
また、航空機に使用されるようなモータは低気圧下での運転が求められますが、低気圧下では絶縁性能が低下すること、大気圧下で使用されるような部分放電計測器の感度が下がり正確に計測できないことなど、現状も課題が多く残ります。
低気圧下でも駆動可能な高絶縁体技術の調査と開発を行うことが、次世代モビリティで使用されるモータの安全性を向上することに繋がります。

USE CASE

最終用途例

低気圧下でも駆動可能な高耐圧絶縁技術の開発

USE CASE 01EV、航空機

APPLICATION

APPLICATION

モビリティ用モータにおける絶縁技術の開発

EVの高地での運転、航空機の上空での運転では気圧変化が生じます。従来にない低気圧下で高電圧駆動するモータを開発することで、部分放電等による事故を未然に防ぎ、次世代モビリティの安全性を向上します。

STRENGTHS

強み

モータ試験環境の一括制御と部分放電計測器の検出感度調査の実現

STRENGTHS 01

低気圧下の高感度部分放電計測器

気圧・温度・湿度の3条件を制御したモータ運転環境を整備できること、低気圧下における部分放電測定器の検出感度を調査できることから、将来的に低気圧下での使用を想定したモータの開発に貢献することができます。
また、部分放電特性と絶縁体損耗の関係を明らかにし、絶縁リスクを定量的に評価することもできます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

次世代パワー半導体SiCを用いたインバータ電源を用いた部分放電実験

TECHNOLOGY 01

SiCインバータによる高繰り返し周波数下での部分放電開始電圧の計測

高周波数になるほど部分放電の開始電圧は低下し、放電しやすくなることが分かっています。したがってインバータ電源を使って繰り返し周波数下で実験することが重要であるといえます。本研究者は繰り返し周波数1~300 kHz,電圧パルス幅200 nsのインバータ電源にてパルス放電を発生させ、材料表面改質・成膜に関する研究を行っています。
また、気圧が下がるほど部分放電開始電圧は低下します。(パッシェンカーブの予測)しかし、実際に低気圧下で部分放電計測器を使用すると、パッシェンカーブの予測に反した計測値が出ることもわかっており、低気圧下における部分放電計測器の検出感度を調べることも重要となってきます。

PRESENTATION

共同研究仮説

部分放電に関する実験とモータコイルの計測に関する共同研究

共同研究仮説01

素材メーカーとの共同研究

素材メーカーとの共同研究

素材メーカの皆様から新しい絶縁材料をご提供いただければ、共同研究を実施することで、部分放電に関する各種実験を実施することが可能です。

共同研究仮説02

モータコイルの計測

モータコイルの計測

電動航空機、電気自動車における絶縁構成、モータコイル等を開発されている企業の皆様とは、それらを本研究で開発した試験装置にて評価させていただくことが出来ると考えております。

LABORATORY

研究設備

気圧・温度・湿度の環境制御下の部分放電実験装置

LABORATORY 01

プラズマ放電工学・電気絶縁に関する実験室

各種電源、真空装置等を活用して幅広くプラズマ放電を発生させ、発光分光計測技術等を駆使して放電現象の解明を行っています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

菊池祐介 兵庫県公立大学法人 兵庫県立大学 教授

研究者からのメッセージ

電気絶縁に関する研究について、プラズマ放電工学の知見を活かした新しい取り組みを行っています。

大学で構築した試験装置を活用することで、従来の絶縁試験だけでなく、プラズマ放電の物理現象の理解に基づいた電気絶縁技術の高度化が可能と考えています。また、電動航空機を視野に入れた低気圧放電の実験は真空容器を用いたプラズマ研究者の得意とするところでもあります。基礎的な研究にもご興味のある企業の方との連携を期待しております。放電シミュレーションを活用した研究も開始していきたいと考えております。