2025年度公募 seeds-008-0027 - 【近畿】 カスタマイズ可能なターンオーバー皮膚モデルの開発
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

カスタマイズ化に対応したスキンケア製品の開発に低コストで貢献

3Dプリンティング技術で標準化と量産化を実現し、安価で再現性の高い皮膚モデルを開発

本モデルは3Dバイオプリンティングを活用し、皮膚の三層構造(表皮・真皮・皮下組織)と血管網を精密に作製できます。
さらに灌流システムとの接続により、数か月単位の長期培養を実現し、皮膚の自然なターンオーバーや慢性毒性を再現できます。
これにより、化粧品・洗浄剤・薬剤の長期的な安全性や有効性を正確に検証することが可能です。
特に、3Dプリンティングを用いることで層厚や細胞構成を自在に制御でき、
男性肌・高齢者肌・敏感肌など多様なニーズに応じたカスタマイズも可能です。
加えて、標準化された製造プロセスによる大量生産にも対応でき、
従来の皮膚モデルと比べて安価かつ再現性の高い製品を提供できる点も大きな特徴です。

USE CASE

最終用途例

皮膚の次世代プラットフォーム

USE CASE 01効果・安全性評価

APPLICATION

APPLICATION

スキンケア製品など効果・安全性評価

肌質や年齢に合わせて調整できる新しい皮膚モデルで、
男性向け化粧品やエイジングケア製品の効果や安全性を長い期間にわたり確かめられます。

USE CASE 02基礎研究

APPLICATION

APPLICATION

コスメトロジーの基礎研究・メカニズム解明

本皮膚モデルは血流を精密に制御でき、ターンオーバーや老化などの仕組みを解析可能で、
コスメトロジーの基礎研究や作用メカニズム解明に新しい手法を提供します。

USE CASE 03薬物動態評価

APPLICATION

APPLICATION

経皮吸収薬剤&皮膚がんの新薬開発

本皮膚モデルは血流循環を再現しており、経皮吸収薬剤の評価に加え、
アトピー性皮膚炎や皮膚がんの病態再現も可能で、多様な創薬研究を加速します。

STRENGTHS

強み

長期培養可能で、実際の皮膚と同じようなターンオーバーの再現・評価が可能

STRENGTHS 01

実際の皮膚と同じような構造

本モデルは皮下組織・真皮・表皮の三層構造を備え、部位や性別差など用途に応じた評価系を設計できます。
さらに将来的には免疫細胞を導入し、炎症や疾患研究へと展開する計画も進めており、幅広い展開を視野に入れています。

STRENGTHS 02

真皮の血管網構造の再現

本モデルは真皮の血管網構造を精密に再現し、血流の流量を調整することで皮膚の代謝やターンオーバーを自在に制御できます。
これにより若年層から高齢者まで年齢差に応じた皮膚状態の再現が可能となり、化粧品成分や薬剤の経皮吸収・分布の評価を高精度に実施できます。

STRENGTHS 03

長期灌流培養が可能

本モデルは長期灌流培養が可能であり、生体皮膚と同じターンオーバー周期を再現できる点が大きな特徴です。
これにより従来の短期培養モデルでは困難であった慢性的な毒性や長期使用時の影響を評価でき、
化粧品・洗浄剤・経皮吸収薬剤などの安全性や有効性をより信頼性高く検証できます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

生体内の動脈と毛細血管からなる血管構造を含む細胞組織の作製技術

TECHNOLOGY 01

階層的血管網を含む三次元細胞組織の作製

本技術は、従来200µm程度が限界であった立体的な細胞組織を1ミリメートル以上のサイズで作製できる点に大きな特徴があります。
さらに、使用する細胞の種類を自在に制御できるため、研究や産業ニーズに応じた柔軟なカスタマイズが可能です。
加えて、動脈から毛細血管までを含む階層的な血管構造を組み込むことで、酸素や栄養を持続的に供給し、長期にわたり生体に近い状態を維持できます。
これにより、本研究で構築する皮膚モデルは、化粧品や薬剤の効果や安全性を従来以上に正確に検証でき、
慢性毒性評価や病態モデルとしての応用にもつながります。

PRESENTATION

共同研究仮説

次世代の評価系に向けて

共同研究仮説01

化粧品・洗剤などの安全性・有効性評価での活用

企業独自のニーズに合った評価が可能

美白・保湿・UV照射後の回復・皮脂分泌など企業独自の評価項目に対応可能である。
さらに洗浄剤による刺激や乾燥などの影響を検証し、肌に優しい処方設計を支援できる。
新規成分の有効性と安全性を科学的に裏付け国際規制や環境配慮型商品開発にも貢献が可能となる。

共同研究仮説02

薬物動態の評価

経皮吸収薬剤や皮膚疾患治療薬の研究開発における新たな創薬基盤

血流を備えた皮膚モデルにより、薬物動態や副作用を高精度に評価可能となる。
またアトピー性皮膚炎や皮膚がんなどの病態を再現し、新薬候補の効果検証やリスク評価を効率化する。
その結果、従来困難だった長期毒性の解析にも対応し、臨床開発を加速する。

RESEARCHER

研究者

呉 裴征 京都大学大学院
エネルギー科学研究科 助教
経歴

2022.4 日本学術振興会 特別研究員 DC1
2025.1 京都大学大学院エネルギー科学研究科
2025.1 博士(エネルギー科学)取得
2025.1 日本学術振興会 特別研究員 PD
2025.3 京都大学大学院エネルギー科学研究科 助教(現職)

 

https://orcid.org/my-orcid?orcid=0000-0001-7452-7209

研究者からのメッセージ

新しい評価系の確立に挑戦したい

私は研究者として、これまでにない技術を社会に届けたいという想いで研究を続けてきました。
従来の皮膚モデルでは不可能だった「カスタマイズ性」と「ターンオーバー再現性」を実現することで、
化粧品や薬の評価方法を根本から変えることができます。
これは単なる研究成果ではなく、産業界と社会にとって新しい標準を築く挑戦です。
動物実験に依存しない評価系を普及させることは、倫理的にも環境的にも大きな意義があります。
業界の皆様と共に基礎研究から応用をつなぐ新しい価値を創り出すパートナーシップを築いていきたいと考えています。