スマート都市を支える次世代電力保護技術の社会実装
都市における電力インフラは、再生可能エネルギーの導入やEV充電、蓄電池、DC給電などにより多様化・複雑化が進んでいます。本研究では、パワー半導体と機械接点を組み合わせたハイブリッド遮断器を中核とし、高速かつアークレスな異常遮断と遠隔監視機能を有する保護モジュールを開発しています。これにより、都市の分散型電源・負荷における保守性・安全性を大幅に向上させ、将来的なスマートグリッド構築に貢献します。
若手研究者産学連携
プラットフォーム
研究の成熟度
TRL1
基本原理・
現象の確認
基礎研究
TRL2
原理・現象の
定式化
基礎研究
TRL3
実験による
概念実証
応用研究
TRL4
実験室での
技術検証
応用研究
TRL5
使用環境に
応じた技術検証
実証
TRL6
実環境での
技術検証
実証
TRL7以上
実環境での
技術検証
※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度
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ビジョン
都市における電力インフラは、再生可能エネルギーの導入やEV充電、蓄電池、DC給電などにより多様化・複雑化が進んでいます。本研究では、パワー半導体と機械接点を組み合わせたハイブリッド遮断器を中核とし、高速かつアークレスな異常遮断と遠隔監視機能を有する保護モジュールを開発しています。これにより、都市の分散型電源・負荷における保守性・安全性を大幅に向上させ、将来的なスマートグリッド構築に貢献します。
最終用途例
APPLICATION
数msで異常を遮断できるHCBは、直流照明、蓄電池、EV充電設備などの保護に適しています。
強み
ハイブリッド遮断器(HCB)は、パワー半導体と機械接点を組み合わせることで、数msでアークレスに遮断が可能です。これにより、負荷やケーブルの損傷を抑制し、トラブル発生後の迅速な復旧を実現します。
テクノロジー
開発したハイブリッド遮断器は、SiC-MOSFETなどの高耐圧パワー半導体と機械接点を組み合わせて構成され、アークフリーでの高速遮断が可能です。また、内蔵センサにより通電電流、温度、絶縁状態などのリアルタイム監視を行うことで、回路保護機能をIoT化し、状態診断や予兆保全につなげることが可能です。DINレール対応モジュールとしての実装も進めており、制御盤内への組込みも容易です。
共同研究仮説
既存の真空遮断器・機械式遮断器の応答速度限界を超えた高速・高頻度遮断を目指した製品共開発により、配電系統のレジリエンス強化を実現しましょう。過負荷条件での動作検証の共同実施、電磁ノイズ・絶縁設計等の共通課題に関する共同研究をしたいと考えています
研究者
2017年3月 東京工業大学 電気電子工学専攻 博士後期課程修了、首都大学東京 研究員、東京理科大学・筑波大学助教を経て2025年4月より現職。パワーエレクトロニクス、系統連系変換器の回路トポロジと制御、パワーデバイスのスイッチング・過負荷動作・信頼性に関する研究に従事。電気学会 研究会・産業応用部門大会 優秀論文発表賞 (2014, 2016, 2018, 2020年) 、IEEE IAS Paper Award for IPCC (2016, 2019, 2021年) 、IPEC-Himeji- 2022 the Second Prize Paper Award (2022年)