2025年度公募 seeds-008-0009 - 【関東】 半導体を用いた次世代の遮断器・回路保護によるスマート電力インフラ
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

電気を安全に送り届けるために必要な、電流を遮断する技術の実現

スマート都市を支える次世代電力保護技術の社会実装

都市における電力インフラは、再生可能エネルギーの導入やEV充電、蓄電池、DC給電などにより多様化・複雑化が進んでいます。本研究では、パワー半導体と機械接点を組み合わせたハイブリッド遮断器を中核とし、高速かつアークレスな異常遮断と遠隔監視機能を有する保護モジュールを開発しています。これにより、都市の分散型電源・負荷における保守性・安全性を大幅に向上させ、将来的なスマートグリッド構築に貢献します。

USE CASE

最終用途例

直流設備やスマート制御モジュールに向けた次世代遮断技術

USE CASE 01高信頼DC制御盤への適用による保守性・安全性向上

APPLICATION

APPLICATION

直流給電システム(DC照明・EV充電・BESS)

数msで異常を遮断できるHCBは、直流照明、蓄電池、EV充電設備などの保護に適しています。

STRENGTHS

強み

従来の遮断器を超える速度・信頼性・保守性

STRENGTHS 01

msオーダーで遮断可能なアークレス遮断技術

ハイブリッド遮断器(HCB)は、パワー半導体と機械接点を組み合わせることで、数msでアークレスに遮断が可能です。これにより、負荷やケーブルの損傷を抑制し、トラブル発生後の迅速な復旧を実現します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

ハイブリッド遮断技術とモジュール実装性の融合

TECHNOLOGY 01

高電圧DC系統への対応とリアルタイム異常監視

開発したハイブリッド遮断器は、SiC-MOSFETなどの高耐圧パワー半導体と機械接点を組み合わせて構成され、アークフリーでの高速遮断が可能です。また、内蔵センサにより通電電流、温度、絶縁状態などのリアルタイム監視を行うことで、回路保護機能をIoT化し、状態診断や予兆保全につなげることが可能です。DINレール対応モジュールとしての実装も進めており、制御盤内への組込みも容易です。

PRESENTATION

共同研究仮説

スマートインフラ実装に向けた遮断・保護モジュールの共同開発

共同研究仮説01

ハイブリッド遮断器における大容量・高速遮断対応技術

半導体を用いて大容量・高速な遮断器の開発

既存の真空遮断器・機械式遮断器の応答速度限界を超えた高速・高頻度遮断を目指した製品共開発により、配電系統のレジリエンス強化を実現しましょう。過負荷条件での動作検証の共同実施、電磁ノイズ・絶縁設計等の共通課題に関する共同研究をしたいと考えています

RESEARCHER

研究者

萬年 智介 宇都宮大学 准教授
経歴

2017年3月 東京工業大学 電気電子工学専攻 博士後期課程修了、首都大学東京 研究員、東京理科大学・筑波大学助教を経て2025年4月より現職。パワーエレクトロニクス、系統連系変換器の回路トポロジと制御、パワーデバイスのスイッチング・過負荷動作・信頼性に関する研究に従事。電気学会 研究会・産業応用部門大会 優秀論文発表賞 (2014, 2016, 2018, 2020年) 、IEEE IAS Paper Award for IPCC (2016, 2019, 2021年) 、IPEC-Himeji- 2022 the Second Prize Paper Award (2022年)

研究者からのメッセージ

半導体スイッチを使い倒してより良い世界に

我々の身の回りにある電気機器のほとんどは直流で動くのに、わざわざ交流で送られ、機器の近くで直流に変換されています。これは、交流の方が電流を切りやすく安全であるといわれているためですが、省エネや制御の観点からは直流の方が良いとされています。
電流を切る、一見簡単そうに見えることですが、電圧・電流が大きくなると従来の機械スイッチではかなり難しくなります。半導体スイッチは高圧・大電流のオン・オフが比較的容易で、これを制御することで、インバータなどの機器に広く用いられています。半導体スイッチは通常、数百~数万回/秒の高頻度でオン・オフする仕様であるため、日に数回も使用しない電流遮断用としては過剰設計となります。半導体による電流遮断普及には、いかに大きな電流・電圧を切れるか?に依存し、これを本研究において取り組みます。半導体スイッチの導入によって、これまでの機械スイッチと併用すれば高性能化や長寿命化が狙え、直流による給電・配電できるようになり、一層の省エネ化につながります。より良い世界を一緒に作っていきましょう。